お茶代八月課題【心震える一冊】
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2010年代の前半だったと思う。とりあえず私は20代だった。読むことを勧めてきたのは友人と、その母上だった。二人とも編集の仕事をしている人で「あなたは絶対『ヘルタースケルター』を読んだ方がいい」と。当時名前だけは知っていたし、なんというか、90年代後半のごちゃごちゃとした物質的な乱立や巨大な焦燥感みたいなものに対して、郷愁とも憧憬とも憎しみともとれるような共感を抱き続けている私にとっては「いずれ読むだろう」という感覚