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教室から飛び出す授業
企業や他業種でも同じような状況だと思いますが、この時期の学校は「春休み」とは言いつつ、定期異動・新年度のスタートへの準備で慌ただしい毎日です。
さて今日は、3月に行った授業について書きます。まず、勤務校のある地域の環境についてお話します。私が勤める学校は、緑豊かな山間部のいわゆる「へき地」に位置しています。高齢化が顕著で、商店もありません。当然、英語を活用する機会はほとんどありません。
こんな環境で英語を教える中で、英語を使って外国人と会話する機会をつくりたい。そう考え、行ったのがSkepeを用いた海外との授業でした。
タブレット端末が学校に導入され、公立学校でも以前より手軽に活用することが可能になりました。勤務校にもタブレットPCが4台支給されています。今回はそれらのデバイスを活用しました。
授業の流れは大まかに言えば、以下の3ステップです。
①日本語を学んでいるインドネシアの高校生とFacebookのメッセンジャーを通して、本校の生徒が日本語を教える交流機会をつくる
②Skypeを繋いで、お互いの国の文化についてQAを行う
③QAを通して、インドネシアについてわかったことを絵で表現する
①は、私の友人が紹介してくれたインドネシア在住の高校生と行いました。生徒は初めての体験で楽しかったようです。以下がやり取りの様子です。
②はSkypeを活用して行いました。以前のへき地学校間の交流でSkypeを使っていたので、生徒も戸惑いなく活動できました。中1の生徒が交流したので、分からない表現は私が通訳しました。生徒にとっての「英語」は、ALTが話す「流暢な英語」でした。しかし、インドネシア人にとって英語は母国語ではありません。そのため、訛りがあります。生徒はそれに驚いたようです。私はこのような様々な英語に触れる機会が大切だと考えています。英語のネイティブスピーカー(母語話者)は約20%と言われています。海外の映画やドラマで聞く英語を話す人は全体の4分の1なのです。だからこそ、インドネシア人が話すような英語から将来に向けて学べることがたくさんあるでしょう。
また、学校外との交流には他にも良さがあります。地方の学校は少子化とともに小規模化が進んでいます。私が勤める地区の今年度の小学校入学者数は300人足らずだったようです。1学年1学級という状況がさらに進むでしょう。英語でのコミュニケーションの面白さは、「今まで知らなかった相手の情報を知ることができたとき」です。
例えば、「趣味はなに?」「ゲーム。」これは一定の関係があれば、会話するまでもなく分かってしまいます。小中と一緒の学校で過ごしてた生徒同士で、目新しい情報を伝え合うことは難しいです。一方、Skypeで見知らぬ人と交流する場面では、全ての情報が新鮮な情報です。「へー、そうなんだ!」という発見が多くあります。
先に書いたように学校の小規模化が進む中で、英語でやり取りをする際に、話したいという意欲を引き出すには、外部との繋がりがさらに重要度を増すのではないかと思います。
③は、Skypeでのやりとりで学んだインドネシアについて、A4の用紙1枚に絵でまとめるという活動です。中1で会話した内容を要約し、文章でまとめることはまだ難しいです。そのため、交流中にメモした内容を絵にしてまとめさせました。絵にした理由は他にもあります。それは、勤務校が小中一貫校で小学生にも交流の内容が伝わるようにしたかったということです。英文だとインドネシアについて伝わることが少ないです。そのため、小学生でも十分理解できる絵を用いてまとめさせました。以下がそのまとめです。
英語の表現にはエラーもあります。エラーをしたときが文法指導のチャンスです。生徒が表現したかったことだからこそ、エラーを受け止め次につながるのだと思います。単なる交流に終わらせず、文法の予習・復習も行うことができることもこの活動のメリットです。教師にとっても、「この部分は復習の時間は必要だな。」と知る良い機会になります。
このように、教室内で終わらない英語の授業を今年度も行います。生徒が英語を学ぶことに満足せず、英語を活用する場面をゴールにしていきたいです。
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![渡部 諒](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/139694216/profile_c37e42630c227bf6aab5b09274fd6c1d.jpg?width=600&crop=1:1,smart)