人工股関節置換手術のあとさき30 晴れて退院!
退院!
入院から丸々1ヶ月。
入院時には遠い未来のことのように思えていたこの日がきた!
それまでの退屈な日々と打って変わって、退院の前日から何やら忙しくなる。
術後4週目の採血、レントゲン、
退院に際しての諸々の手続きなどなど。頻繁に病室にいろんな人がやってくる。いよいよ感が高まる。
当日は朝から通常のリハビリに加えて、退院後の自主リハビリのメニューをもらったり、退院時のもろもろの手続きの確認、薬剤師からもしかの時の痛み止めの処方(痛みはほとんどないが念のため)、入院費用のお知らせなど、前日にもまして入れ替わり立ち替わりいろんな人がやってくる。
それに加えて、手術直後のいちばん大変な時に昼夜問わず30分に一度お世話をしてくださった看護師さんが、忙しい中わざわざお別れのあいさつに来てくださる。お礼を言うのはこちらの方なのに。(わたしは術後のいちばん大変な時にこの方のやさしい笑顔と気配りに救われた)
病室の前を通りすがった若い男性のリハビリ士もわざわざ立ち寄ってあいさつをしてくれる。
トイレに行こうと廊下に出ると、看護師さんや、顔見知りになった患者さん、すれ違う方々がそれぞれ声をかけてくださる。
ありがたい。
知らせておいた時間よりも早くに夫が迎えに来てくれる。彼は3日に一度、庭で採れたプチトマトを持って面会に来てくれた。慣れない家事もがんばってやっている。(これからもまだまだお世話になるけれど)彼のサポートもありがたい。
長い人生の中のわずか1ヶ月は、瞬きするほどの短い時間だけど、その中で名前も知らない人たちとこんなにもあたたかなつながりを持てたことに改めて感動する。
「袖振り合うも他生の縁」ということばがあるが、あらゆるしがらみや損得勘定のないこのつながりこそ、きっとどこか別の人生で濃厚につながっていた人たちのように思える。
今回の入院手術は、やらずに済むならしないに越したことはなかったけれど、わたしにとっては、術後の身体の変化も含めて、本当にやってよかったと思える。
わたしにとっては人生の節目となる貴重な経験になったし、大切な学びをいただいた。
苦しいことや望まないことの反対側には必ず光があることを身をもって体験できた。
退院後もまだまだ地道なリハビリは続く。わたしの身体の一部となった人工股関節に感謝しながら身体を整えていく。
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