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人工股関節置換手術のあとさき26 取り越し苦労

夫と二人暮らしなので、
わたしの入院中、留守をあずかる夫のことがちょっと心配だった。

これまでも、ゴミ出しは夫の担当だったし、休みの日は洗濯物を干したり、一緒にごはんをつくったり、食器の後片付けはしていたが、
細々とした家事全般はわたしがやっていたので、それら全部を夫ひとりでできるだろうかと思っていた。
おまけに、わたしが好きで植えてお世話していた庭の草花水やりもお願いすることになるし。

なりより、毎日の食事をちゃんと食べるかどうかが気がかりだった。
ひとりだとつい面倒くさくなるのはわたしも経験済みである。
だからと言って毎日カップラーメンやパンではやはりちょっと心配になってくる。

さて、いざふたを開けてみると。

わたしの入院中に夫が退職したこともあって、思った以上にまめに家事もこなしているし、ごはんもつくっているようだ。

友人からいただいた夏野菜でつくった名もなきおかず
これは朝食

時々こういった写真が送られてくる。

たまにはスーパーでお寿司を買ったり外食をしたりしながら、日々の食事も楽しんでいるようでホッとする。

家事の方も、朝から洗濯や花の水やりをしているようだし、わたしの心配は取り越し苦労だったようだ。


さらに。

退職後することがなくて退屈されたらどうしようと思っていたが、趣味の音楽仲間のつながりを着々と広げて、日々楽しんでいるみたい。

仕事はできる人だったが、40年余り勤めた仕事には未練がなかったようで、退職の翌日には、仕事着のスーツや下着、靴下も処分したと言っていた。
わたしから見ても、非常にスムーズに第二の人生にシフトしている。


結局、何も心配することはなかった。彼は彼で能動的に自分の人生を楽しんでいる。
わたしは彼のポテンシャルをかいかぶっていたようだ。これからはもっと信頼を寄せていく。

そして、わたしも、今回の手術で一度生まれ変わったと思って、わたしの人生を能動的に生きていく。

夫とわたしは趣味のほとんどを共有しないが、それでも時折混じり合う共通の時間を大切に過ごしていこうと思う。



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