触れてしまう前に少しおどけてしまおう。それがたとえ正しくなくても
火をみると忘れていた本能を
思い出すと一年前に言っていて
それを忘れて、また同じように
感じるだなんてどれだけ鈍感
なのだろうと思う
火は記憶しているよりも
ずっとずっと熱い
原始に還るかのよう
◇
久しぶりのラジオ体操
2番になると急にうろ覚えになるけれど
早起きは気持ちの良いものだ
意識が目覚めていくよりも
躰が目覚めていく
記憶を呼び起こすよりも
あたらしい記憶に違いない
のだった
◇
静まり返ったグラウンド
疲れは心地よく感じるけれど
目線は既に明日を見はじめていて
現実にほとんど戻っている
何ひとつ荷物が増えていないはずなのに
帰りの鞄の方が重いのはどうしてだろう
今日という日は来年また会うまで
忘れずにいるための記憶の糸
一年はとてもとても長い
別のことを考え始めて
哀しみが込み上げてきたから
ひとまず考えることをやめよう
微睡のうちに疲労も込み上げてくるね
たんなるにっき(その50)
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