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パニック障害が発覚したときの話

2019年の11月末、パニック障害になりました。

いつもの胃腸炎に毛が生えた程度だと思い胃腸科を受診。人生初の胃カメラまで飲んだものの胃には炎症どころかピロリ菌のピの字さえなく、毎日のように続く吐き気と目眩、時々過呼吸も起こるようになりました。

毎日減っていく体重に命の危険を感じ、死に物狂いで調べた結果、自分の症状がパニック障害の症状にほぼ当てはまっていることが判明。

心療内科や精神科に行くことに抵抗があった私は、パニック障害の患者さんを多く診療しているという鍼灸院に辿り着きました。


パニック障害の治療で実績のある鍼灸院を受診

身体に良さそうなイメージはあるものの、元々注射がものすごく苦手な私にとって、心療内科ほどのハードルはないにせよ、鍼もかなりのハードルの高さでした。

事前に鍼灸院のHPをみていたところ、こちらの院長先生ご本人も過去に自律神経失調症、パニック障害を経験しており、実際にパニック障害で通われている患者さんのコメント等も載っていました。

心療内科のように薬物治療ではなく鍼治療であること、先生ご自身がパニック障害の経験者でもあり、更に同姓の女性という点も自分の中で大きな決め手となり、受診することにしました。

この時は、また突然パニック発作が起こるんじゃないかという恐怖と、永遠に続く吐き気で外出すること自体が困難になっていたものの、なんとか重たい体を起こして勇気を出し、祈るような気持ちで鍼灸院に向かいました。

鍼灸で、この症状が治るかもしれないという希望が生きる力になっていました。


病気がわかったことへの疲労と安心感

予約当日、鍼灸院に着くと、とても優しい女性の先生が出迎えてくれました。

自分がおそらくパニック障害なのではないかと思ってここを訪ねたことを伝えると、症状含めてかなり細かくヒアリングしてくださいました。

発症した日〜本日までの身体と心の状態、症状が出るまでの過去1年間程の自分の仕事の勤務状態や家庭での過ごし方、元々個人的に抱えている身体の疾患等かなり細かく伝え、胃腸科に通って挙句胃カメラまで飲んだのに、胃腸に何の問題もなかったことも伝えました。

問診の結果、これはパニック(障害)だね、という診断が下されました。


この時、自分の病気がパニック障害であるということがはっきりと確信できたと同時に、どっと疲労感が押し寄せたのと同時に、安心感が身体中に充満したのを覚えています。

自分の病気が何なのかわかっただけで、なんだか一つ難題をクリアできたような不思議な気持ちでした。人間は自分の頭で考えて全く理解できないものにぶち当たった時に、そこから逃れられない状況であるほど、ものすごく大きな不安や恐怖に囚われる生き物なのだと初めて実感しました。


鍼灸でパニック障害を根本から改善する

私の治療は、まず何よりも先に現状の不調の症状を取り去ることから始まりました。その後は段階を経てイメージトレーニングや呼吸法、その時の身体の症状に合わせて刺激するツボを診ていただき鍼を継続してうっていく流れです。

根本的に身体の冷えが人よりもかなりひどく体力がないのにも関わらず、吐き気で何も食べられない→栄養が摂取できず、冷えの症状が極度に進む→もともと低い身体の免疫力が落ちまくる→自己治癒力がないのでパニック症状どんどん悪化という最悪の悪循環に陥っていました。

鍼でメンタルのケアと合わせて、身体の免疫力をアップし自己治癒力を高めていく身体に少しづつ戻していくことから始まりました。

注射も大嫌いな私が鍼なんてできるのか。。と最初は不安もありましたが、鍼灸院に来てから治る期待の方が不安を上回り、施術は意外と平気でした。

場所によって皮が薄い部分(足の裏、手の平、足のスネ等)はチクっとした痛みは感じたものの、血流が流れていく感じが身体で実感できて「あ、私生きてるんだ、ちゃんと」と自分の生の体温を感じられました。

全身の鍼治療が終わると、恐怖で過呼吸になりそうな時や外出するのが怖くて動悸が起こった時、また吐き気や胃腸に効く自分で押せるツボ等も丁寧に教えていただき、施術の終わりには『置き鍼』もしていただきました。

私も生まれて初めてで、知らない人は置き鍼って何??って感じだと思うのですが、簡単に言うと貼る鍼です。

基本的にある程度の期間貼りっぱなしでも問題はなく、貼ったままの入浴も大丈です。これにより、刺激したいツボに持続的に鍼刺激を与えることができます。

本当に短いかなり小さい鍼を身体のツボに刺して貼っておくのですが、最初は身体にこんな鍼が刺さった状態で大丈夫なの・・??と思っていました。が、全くなんの問題もなく、むしろこの置き鍼がお守りになり、刺していることによってツボが刺激されている安心感もあり、私にとってはなくてはならないものになりました。

(ちなみにほとんど症状が出なくなった今でも置き鍼は継続的にしていただいています。)


この日から、ようやくパニック障害の治療が本腰を入れて始まりました。


そもそも何故自分がパニック障害が発症したのかを考え、きちんと理解することが、治療のファーストステップにつながる

問診の際に、パニックが起こった理由に心当たりがあるかどうかを聞かれたのですが、私は本当に全く心当たりがありませんでした。

パニック症状が起こる2週間前くらいからちょっと仕事を詰め込んでいて忙しかったかな?というくらいで、ちょっと働きすぎて疲れたな〜くらいの気持ちです。

とにかく早くこの症状を治すこと、元の状態に戻すことだけが念頭にあった私は、何故パニック障害が起こったかの理由なんて考えてもみなかったので、院長先生に聞かれて初めて「原因」について本気で考えてみました。


この「原因」が、まさか遡ること1年も前の自分の生活にあるなどとは、その時の自分は考えてもみませんでした。。。

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