高校生へ伝えた4つの自立の話(あね)
いもうとへ
かぐや姫か。亭主関白なあの唄はなんだっけ。さだまさし。木琴も久しぶりに聴いたわ。まさに合唱曲。歌い手の表情も大事。語りかけるように、と音楽の先生に教えられました。
おじさんの傘、わたしも子どものために買っておいてあるのだけど、おっとがこどもに読み聞かせをしていたときの、ピッチャンチャンのイントネーション。強く読むのは、最初のチですよ。これが標準語なのかなぁと思いながら聞いてました。私はピ。あなたもそうでしょう?北海道弁は頭を強く!
さて、あなたがまた社会に出るということについて。まず、私は安住の地で過ごすことにしたあなたをかっこいいと言ったよね。それについて解説したい。
人は、自分にとって存在価値が大きいものを捨てられた時に、強くなると思う。覚悟をもって、捨てるのだから。東京の国立大を卒業し、大手の書店に勤務していたあなたが、仕事を辞めて、だんなさんに扶養してもらう。そのことについての心配や批判の声が、少なからずあるとは予想されながらも、辞めると決めた。けれど今、本当に自分が求めていた生活を送っているのだよ。あなたたち夫婦の心身と生活の平安が保たれる、というその一点。
私、長年特別支援学校や普通高校に勤務してきて、高校生という学齢の生徒たちに、4つの自立について話してきた。生活的自立、精神的自立、経済的自立、性的自立(これは多様性を認め、相手を尊重する気持ちだと教えた)。生徒たちはこの話をとてもよく聞く。大人にならなきゃいけないと、進学や就職に向けた人生の岐路にあって(立たされて)、焦りや不安、そして希望をもっているからだと思う。でも、また教壇に立つ時が来たら、それだけを教えるのはやめようと思うんだ。
自立という言葉を定義するならば、それはつまり自分のことを知っていることなんだと思う。詳しくはこの本を読んでもらいたい。
https://www.shobunsha.co.jp/?p=5546
心理学の自己分析モデルのジョハリの窓のように、自分の姿は見えにくい。変化もする。自分が確立されることなんてない、つまり自立してるなんておこがましい。私なんてちっとも自立してないわ。自分の本質である創造性に蓋しちゃって。それが満たされなくて、愚痴を言っているのだから。
養護学校時代、いつも楽しそうなのぶちゃんという生徒がいた。覚えているかな。いっしょに暮らしていた頃の話。彼の頭の中にはいつも楽しい音楽や好きなことが浮かんでいたんだと思う。それを邪魔される音や声が大嫌い。やめてよね〜って耳を塞ぐ。春になると裏の竹林でたけのこ堀をするのだけど、のぶちゃんは土からほんのちょっぴり出たたけのこの頭を見つけるのが上手で、耳を押さえて目をつむりながら、たけのこかい、って教えてくれた。たけのこ見つけるのに関しては、のぶちゃんが先生。てか、神。そんなのぶちゃんのこと、スーパーかっこいい!と思う。のぶちゃんは自立している。
それで、あなたに伝えたい。仕事を始めようかなと思っていることについて。何ができるか?たぶん何でもできる。どれを選ぶか?書店がいいんじゃない?アルバイトで好きな仕事ができるなんて最高じゃない?周りの声を恐れなくても大丈夫。あなたは一度捨てられたのだから。でもまぁ、これは私の意見だからね。何を選ぶにしても覚悟をもって。覚悟があれば大丈夫。選ぶ覚悟、失敗する覚悟。
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