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ティール組織をはじめて3年、日本でティール組織をやってみた失敗とは?

はじめまして、不動産オーナー経営学院の横山学長(ANDY)です。

私たちが経営する会社では、100名以上いた社員から、社員1名になるまで社員数を減らし、2019年にティール組織を導入しました。

・2019年 社員1名 ティール組織制導入
・2020年 社員3名 120名のパートナー(1年目)
・2021年 社員6名 240名のパートナー(2年目)
・2022年 社員9名 360名のパートナー(3年目)→失敗

また
・パートナー制(3人1チーム)
・プロフェッショナル(専門)
・プロジェクト(事業)
という3つの考え方を取り入れています。

簡単にいいますと、「正社員となって働く」のではなく、「みんなで働き合う」というワークスタイルです。

ティール組織×コミュニティ型経営 

今回はティール組織3年目の成果と課題についてをリアルタイムにご紹介していきます。

日本版ティール組織の3年目

私たちの会社は2015年に企業再生に入り、2017年に再出発、2020年には債務超過を脱して、現在は資産が100億円を超える程度の会社にまで復興しました。

100億円を超える資産を、社員3名で支えるため、ほぼすべての業務を、サブスクや外注先に預け、ティール組織を実践しています。

将来的には経営者(私)の仕事もなくなると思います。

しかし、ここにきて、正直に伝えますと、今の日本の資本主義や雇用制度ではティール組織を支えきれなくなりました。

この境地に至るまでに社内の課題はいくつかありましたし、その理由が分かるまでに時間がかかりました。

1つ言えるのは日本での仕事環境の限界によるものです。

たとえば、
・業務委託は所詮下請けという通例
・社員雇用を前提とした社会保険
・リーダーシップが好きな国民性
という日本の経営環境があります。 

ティール組織3年目までの成果

2020年よりティール組織を採用し、みんなで働き合うというワークスタイルにしました。

朝早くに出社しなくてよい、子どもの病気や介護など緊急時にも付き添える、リモートワークでも目指す成果が分かっていれば協力し合える。

そんなワークスタイルを理想としました。

2021年ではティール組織が広がり、部長級以下は、旧来型の雇用(雇用契約)から、自由な働き方を認める雇用(業務委託契約)にしました。

顧客をすべて業務委託先に渡すことで、顧客の囲い込みセールスや、情報管理は難しくなりましたが、そもそも顧客は囲い込まれたくないし、顧客が情報を選ぶ時代だから、私たちの会社が決めるものではないという考え方になりました。

2022年からはティール組織が進化し、経営者がうまれはじめて、グループ内で業務委託先を共有したり、いい業務先をシェアするようになりました。

100のPJ(プロジェクト)、300を超えるパートナーや取引先、それぞれで仕事を回しながら成長と淘汰が生まれ始めました。

ティール組織の実行者には、それなりの時間的、精神的、構造的な拘束がありますが、いろんな会社の経営をみれるので、良い点や悪い点を修正することもできました。

そこで今後のティール組織の理想的なあり方と、実際に日本でティール組織を実現させるためのハードルを共有します。

①代表取締役が成長を妨げている

代表取締役に「権限」が集中する。

それは正直言って、本人は辞めづらいものだし、責任追及の的になってしまうものです。仮に代表に入れ替わっても、この「属人的なリーダーシップの問題」の本質は変わらないと思われます。

そこに、金融機関から代表者の経歴、信用保証、捺印業務をはじめとする責任を追求されます。

これでは、代表取締役が離反した時に、プロジェクトがすべて崩壊してしまう危険性があるのです。

そもそもティール組織が自律分散型組織で、独立したプロジェクトがチーム総意の下で成長するならば「代表取締役という存在は必要ない」のでは?

②雇用制度が働き方を妨げている

日本には「雇用保険と社会保険」の2つがあります。

雇用保険は、

社会保険は、

この規制によって、働く時間が制限されたり、モチベーションが下がっていく弊害です。

結果、正社員で8時間働いたあとに、またアルバイトをしているという人も多くいます。

ブラック企業というのは、正社員8時間のあとに、残業させる行為ですが、そんな会社ほど旧来型の雇用制度に縛られています。社員1名に過剰な期待や裏残業させずとも、外注でいいんです。

国としては、GDPや雇用率という統計で物差しを測るため、大企業の社員に補助金をシャブ漬けしますが、中小企業や業務委託には恩恵はありません。

③売上が限界突破しない

働きやすい、好きなことだけやる、チームで相乗効果、このような理想的な仕事環境があったとしても、この3年で売上はいまいち向上していきませんでした。

むしろ、社員は業務委託に任せて、サボり始める。

その結果、社員が新陳代謝しない限り、この社員の下では限界だと感じて業務委託先の成果が下がり始め、売上が上がらねば代表は怠慢だと感じるだろ。

結果、レッド組織で強烈なリーダーがトップダウンしたほうが決断やスピード感があるため、ティール組織はスピードが遅い=環境適応に時間がかかるということなる。

スピード=売上を重視するならばみなさんはどうするべきだと思いますか? 

さいごに

ティール組織の設計者である私が300人の想いを汲みとれない、もはや属人的なシステムでは分裂を生んでしまうという弊害に直面しています。

設計者に専念するためにも、2021年9月30日をもって、グループ5社の経営職を退くことを決めました。

経営の自動化は一度に振り切れないため、ティール組織と社員の並走で、現在は6名の社員を経営側に昇格させるかたちとしました。

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