第71回NHK紅白歌合戦で星野源を観ました。
星野源「うちで踊ろう (大晦日)」
紅白は6年連続出場。「おげんさんといっしょ」や大河ドラマへの出演など確実に「NHKに貢献している人」として残っていきそうな星野源。
2020年はシングルBOXの発売以外は配信シングルを2作のみと作品のリリース自体は少なかったものの(Dua Lipaのリミックスを担当というスーパーハイパーなニュースはあった。)、日本国民のコロナ禍のテーマソングとも言える「うちで踊ろう」をスペシャルバージョンでパフォーマンス。
配信されてる音源はせいぜい1、2分くらいだが、(Mステでもそのくらいの尺だった。)今回は「うちで踊ろう (大晦日)」と題して何と2番を初披露。そんな特別なことができるのはやはりNHK Familyの星野源だからこそである。
MUSIC STATIONと同じく長岡亮介(東京事変の浮雲)やハマ・オカモト(裏番組でお父さんがケツバットされていた。)といった豪華ミュージシャンとともに演奏。
星野源の弾き語りシーンで始まるなどMステとの差別化も図られていたが、こちらでもバンドメンバーの紅白とは思えないくらいリラックスした様子が、ホームパーティーのワンシーンのような親近感をもたらした。
注目の2番以降だが、よりシリアスな言葉が並んでいた。
常に嘲り合うよな 僕ら
"それが人"でも うんざりださよなら
変わろう一緒に
この歌詞からはコロナ前や後に関係なく、SNS上で常に見知らぬ人と喧嘩し続ける人々への諦めのようなものが感じられる。
朝ドラ主題歌でお馴染みの「アイデア」でも2番にはシリアスな歌詞が入ってくるなど、星野源の歌詞は決してすべて「陽」であるわけではないが、「うちで踊ろう」では上記以降も「人間は所詮一人」といった諦めの感情が伝わってくる。
しかし最後には
ひとり歌おう 悲しみの向こう
全ての歌で 手を繋ごう
生きて抱き合おう いつかそれぞれの愛を
重ねられるように
とある。一人でいても(歌っていても)やはり誰かを欲してしまう。
星野源自身も3月のファンクラブライブが中止になったり、7月の記念ライブは無観客配信となったり、リスナーの存在を直に感じられる機会が圧倒的に少なくなっていた。(2019年はドームツアーとワールドツアーをそれぞれ成功させていた。)
コロナであろうとそうでなかろうと人間は基本的に一人である。しかし時々他の誰かを求めてしまう。
星野源はそのような人間の真理についてを、自身の境遇や経験、思いなどもすべて詰め込んで「歌」にしたのではないだろうか。
コロナに関する全部が解決し、星野源がまた満杯の観客の前で歌ってくれるときには、自分もその場にいたいし、そのときに笑いながらみんなでこの「うちで踊ろう」を口ずさめたら。
(そういえば今年は「おげんさん」やらなかったなぁ。)