自由な心の余地を保つために
計算はどちらかというと苦手だが、「引き算」は得意。
何が大切か、何が必要か、という物事(話)の肝を、いち早く掴む。
最初からぞんざいに扱うのではなく、すべてを見聞きしながらも
その都度リアルタイムで真意を汲み取り、すばやく取捨選択することが習慣になっている。
あまりに情報が多い昨今は、とかく情報過多になりがちだけれど
印象にもっとも残ることだけを心に留め、それ以外は静かに忘れていくことも大切だと思う。
人との関係も同じく。
温かな感情を通わせる「今」は大切だけれど、
そのことに執着しすぎるのではなく
最も印象的なこと以外は、フェイドアウトするように忘れていく。
そうすることで自分自身をうまく解放することができるし、
そこからさらに前に進む余地が生まれるから。
いつも自分らしい、自由な意志で動き回れる余地を持つためにも
必要なこと、大切なことを瞬間的に「引き算」しながら取捨選択し、
自分をがんじがらめにしそうなことから解放されておきたい。
そういう意味では、人と人とのしがらみは「足し算」の最たるものかも。
相手との間に横たわる些細なことに囚われるあまり
見えない呪縛となって自由な心の余地が奪われ
気づかぬうちに、大きなストレスになってしまうこともあるだろう。
人との関係の一瞬一瞬を大切にしながらも、その片端から、
互いのエッセンスとならないことは忘れていく習慣をつけることで
常におだやかな心や平静を保つことができると思うのだ。
人の話を聞く時も、決して「話半分」に聞くわけではなくとも
些細な言い回しに捕らわれることなく
核心をとらえ、衷心から共感を寄せることで、十分なケアができるはず。
ただし、少しでもひっかかることは、心のアーカイブボックスへ。
いつかその引き出しを開けることがあるかもしれない。
自分らしい、自由な心で、いつでも飛び立つことができるように。