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海外旅行のカルチャーショックをビジネスに活かす

海外旅行でのショッピング。
初級者・中級者・上級者と3パターンに分かれる。

私の初海外旅行の体験を踏まえて、そんなお話しをば。


初めての海外旅行はタイだった

40年近い人生の中で、旅行や出張、在住を含め、行ったことがあるのは16ヵ国となりました。
その中でも、一番強烈な印象として記憶に残っている国。
初めての海外旅行先となったタイです。

バックパックを背負って、行き先だけ決めて向かったタイ王国。
わずか2週間の旅。
しかし、今振り返れば、目の前を流れる景色、独特の匂い、騒々しい街の音、特徴的な味付けの料理…そのすべてが驚きと発見の連続でした。

中でも衝撃的だったのが買い物の体験。


初級者の買い物体験

到着2日目の出来事でした。

お土産物やさんで何を買おうかなーと物色中、気になったTシャツを手に取ってみると、、、
「値札がない!」
ということに気づきます。

これは、結構当たり前。
観光客が買い物をするような露店では、店の人に値段を聞かなければ、いくらなのかわかりません。
日本では、フリマやメルカリくらいでしかこんな経験できないですよね。

暑さでけだるそうにしている店先のおばちゃんに、つたない英語で

「how much?」

と聞いてみると、Tシャツ1枚なのに、5000円とか言われます。

「たかっ!」

と思いながらも、デザインがいいしなぁ〜となぜか納得してしまうんですよね。
これが当時の私が経験した初級者のケース。


値切りに夢中になる中級者

中級者となると、ここで値切りゲームが始まります。

中級者「いや、これは1500円でしょ?」

お店の人「4000円!」

中級者「2000円!」

お店の人「3000円!」

中級者「2500円!」

お店の人「OKOK!2500円」

中級者は2500円を支払って、Tシャツを満足げに持ち帰ります。
その後ろでは、1枚原価500円のTシャツを売ったお店の人は、
「しめしめ2000円もうけたぞ」
とニヤニヤしているのです。

果たして、中級者は2500円でTシャツを買いたかったのでしょうか?
中級者にとっては、Tシャツそのものの価値よりも、
50%値切って買い物をする体験
という価値を買っていたのではないでしょうか?


相場ではなく、誰にとってどれだけの価値なのか?

日本ではよく相場を気にすると言われます。

このトマトは相場がいくらだから、うちはいくらで販売する。
とか、
マッサージ1時間いくらは高すぎる!ここではいくらまでの価格設定じゃないとお客さんこない。
とか、
結婚式のご祝儀はみんないくらくらい出すんだろう?
とかとか、
周りの相場を気にして金額を決めるケースが多い。

私も今まで、企画したイベントの入場料を設定せずにドネーション制にしたり、コーチングセッションを投げ銭制にした時に、
「相場がわからんから、値段を決めてほしい」
と言われたことがあります。

私も含め、寄付すること自体に慣れていないから、
自分にとっての価値がいくらなのか?
を問いかけた経験が少ないからかもしれません。

相場ではなく、自分の尺度で絶対的か価値を見極めること。
この経験が圧倒的に不足していると思われます。

だからこそ、海外での値切り体験は、いつもしない体験として強烈に記憶に残るのかもしれませんね。


海外買い物上級者って?

ここまで話をすれば、勘がいい方は上級者がどんな人かイメージつくと思います。

そう、商品の絶対的な価値を見極められる人です。

周りのTシャツ屋さんがいくらだから、とか。
80%値引きしてもらえるか、とかではなく、
自分にとってこのTシャツがいくらの価値があるのか?
を常に考えられる人のことです。

初級者・中級者では、いつまでたっても価格競争に巻き込まれたり、欲しくもないものをつかまされ、家の中が不要なもので溢れかえってしまいます。
(私もまだまだ中級者💦)

自分の絶対的な価値基準を作ることができれば、自分が販売する側にたった時、
「誰にとってどれだけの価値があるのか?」
という思考に立つことができます。
安売りをせず、適正な価格でビジネスを持続可能なものへと変えられるのです。


ちなみに、私が敬愛する社会派ブロガー・ちきりんさんは自身の著書「マーケット感覚を身につけよう」で、こんなことをおっしゃっています。

自分独自の価値基準を持ち、プライシング能力を身につけるためには、
(中略)
何らかのサービスを受けるたびに、付いている値札をいったん忘れて、「この商品・サービスの自分にとっての価値はいくらなのか?」を考える癖をつけることです。
(中略)
独自の価値基準が持てれば、今度は値札のないものでも、価値が判定できるようになります。潜在的な価値を見つけるためのマーケット感覚は、そうやって鍛えていくのです。

普段からマーケット感覚に敏感になっておきたいものですね。


そう考えていると、タイのTシャツ屋のおばちゃんはすごいと思います。
日本人には特に高い値段をふっかけるように、相手によって提案する価格を変えて、売り上げの最大化を常に図っているのです。

ある意味マーケット感覚が鍛えられている商売人の鏡のような存在なのかもしれませんね。

値付けに悩んだ方は、コロナが落ち着いたら、タイのマーケットでおばちゃんと価格談義をしてみてはいかがでしょうか?w




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