先行きの不確実性が解消し、日銀が政策金利の変更に踏み切るのはいつになるか
日銀は、植田総裁の下で、経済の実力に合わせた金融政策の正常化に向けて、つまり「金利のない世界」から「金利のある世界」への転換に向けて、舵を切っています。市場では、日銀が、年末(2024年12月)か、年初(2025年1月)の金融政策決定会合で政策金利の一段の引上げを実施するのではないかと予想していました。
年末の会合では政策金利の引上げが見送られましたが、その際、植田総裁は、政策金利据え置きの理由について、①トランプ政権の経済政策の不透明感、②春闘による賃上げの確認、③経済界や金融界が金利のある世界に慣れていないことを挙げていました。
年初の会合までに、①トランプ政権の経済政策=高関税政策がどこまで見えてくるのか、②春闘の気配がどこまで見えてくるのか、わかりません。見えてこない、先行きの不確実性が大きいと、年初の会合でも再度見送る可能性も出てきます。日銀が政策変更による市場のショックを和らげるため、かなり慎重に進めようとしている姿勢が見えてきます。
金融政策の変更の可能性のある日銀金融政策決定会合(MPM)と、アメリカの連邦公開市場委員会(FOMC)は、2025年には、それぞれ8回予定されています。上記に、それぞれの開催スケジュールを中心に、2025年の主な年間予定を纏めてみました。この予定表を眺めつつ、今後は、トランプ政権の経済政策と、春闘での賃上げの動向を注視していきたいと思います。