確定申告の時期に活躍するe-Tax。自宅や事務所からいつでもスマホやパソコンで申告可能。本当に便利になりました。
少し春の気配を感じられる頃になると、確定申告の時期を迎えます。確定申告でお世話になるのが、国税庁の「e-Tax」です。毎年この時期に確定申告をしていますが、毎年改良されて利便性が向上しているのを感じます。以前は、確定申告のために有給休暇をとって、税務署に出向いて列を並び申告していましたが、今は、好きな時間に、自宅のパソコンで申告書類を作成し送信して申告終了です。デジタル化のおかげで、本当に便利になりました。
国税庁が開発したe-Taxとは「国税電子申告・納税システム」で、国税の申告や納税をインターネット上で手軽に行えるように開発されたシステムです。スマホやパソコンで、e-Taxを利用することで、自宅や事務所などから申告や納税などの手続を行うことができます。紙の書類作成や税務署への訪問といった手間を省き、納税手続きを簡素化することで納税者の負担が軽減されています。24時間365日利用可能なので、インターネットに接続できる環境であれば、いつでも手続きを行うことができます。
また、e-Taxに対応した税務・会計ソフトを利用すれば、会計処理や申告などのデータ作成から提出までの一連の作業を電子的に行うことができ、 事務の省力化やペーパレス化につながり、環境負荷の低減にも貢献しています。
このe-Taxは、納税者の利便性向上と行政手続きの簡素化・効率化を目指し、電子政府構築計画の一環として導入されました。e-Tax開発の歴史をみてみましょう。
日本では、IT技術の進展とともに、行政手続きの効率化が重要な課題とされてきました。電子申告を可能にするための法整備が行われ、2002年に「行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(e-Government法)」が施行され、電子化の法的基盤が整いました。
国税庁は、申告書の紙処理の負担軽減や、納税者の利便性向上を目的に、電子申告システムの導入を進め、e-Taxを開発しました。2004年2月に名古屋国税局管内においてe-Taxの運用を開始。6月に運用地域を全国に拡大しました。
2006年に個人所得税の電子申告が可能になり、個人利用者が増加しました。2007年には、e-Tax利用促進のため、電子申告を行った場合の税額控除(最大5,000円)が導入されました。2017年にマイナーポータルとの連携が開始されました。2022年に簡易的なスマートフォン対応が進み、特に若年層の利用が増加しました。2024年4月、24時間365日利用可能に。現在では、利用者数の増加に伴い、クラウド基盤の強化やAIを活用したヘルプ機能などの追加が進行中です。
e-Taxの開発・改良は、日本の行政サービス全体のデジタル化の一環として進められており、今後もさらなる機能改善や利便性向上が期待されています。当初は、複雑な手続きやセキュリティへの懸念から利用者数が伸び悩みましたが、法改正や利便性向上策の実施により、現在では多くの納税者にとって標準的な申告方法となっています。
法人のみならず個人事業主や給与所得者にも幅広く利用されており、特に確定申告のピーク時でも、税務署に出向かなくとも申告できるという大きな役割を果たしています。