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「尊敬」と「リスペクト」は違う。加古拓渡先生について語る(全文無料)

今日も今日とて柔術は楽しい。


1.リスペクトと尊敬の違い

「リスペクト」は「尊敬」と訳されることも多いですが自分の中では若干ニュアンスが違います。

リスペクトはどちらかというと「敬意」に近いですね。「気遣い」「尊重」「相手への配慮」ってニュアンスです。

尊敬は「相手のことを尊いと思うこと」でしょうか。

なので、自分の中では

「リスペクトは誰に対しても持つもの」
(嫌いであってもリスペクトを持つことはある)

「尊敬しているのは本当にすごいと思う人だけ」

という感じです。

初めて会った人やそんなに関わりのない職場の人、お店で接客してくれる店員さん、自分の知らないいろんな職業の方、に対してもリスペクトはあります。

極論、嫌いな人や自分と全く考えが違う人であっても最低限のリスペクトはします

例えば、前職のある上司は大っ嫌いですが、責任感を持って仕事に取り組んでいたので、その部分に関してリスペクトはしています。

2.尊敬

尊敬というと「尊いと思うこと」ですが、どんなときに尊いと思うのか。。。

自分の言葉にすると

「この人の様になりたいと思うこと」

「この人に近づきたいと思うこと」

「自分も頑張ろうと思えること」

「心の底からすごい、と思うこと」

「自分には到底できない、自分にはここまでできない、と思うこと」

でしょうか。やっぱりちょっとリスペクトとは意味合いが違うんですよね。ちょっと気軽には使えないカンジです。

3.尊敬する人

尊敬するはたくさんいます。特に格闘技界にはたくさんの素晴らしい方がいらっしゃいます。

気軽に使えない、と言いつつたくさん名前あげるのはどうなのよってカンジですが・・・。こちらの方々は本当に尊敬しています。

まずはボンサイ柔術のマウリシオ先生、マルキーニョス先生、サトシ先生、クレベル先生。シュレック関根さん。

「イイ男」の定義とは?最高の「イイ男」 関根"シュレック"秀樹選手(全文無料)|柔術哲学(アンディ)

梅村寛先生。ネックス代表。

長谷川史先生。ハシャーンジムの代表

服部謙一先生。HACHIYA BJJ STUDIOの代表。

木部亮先生スプラッシュ代表。

細川顕先生ALMA FIGHT GYM HOMIES代表。

松本一郎先生。NR柔術所属。

関わりのある名古屋の先生方が多いですね。

あと格闘技に全く関係ないところで言うと前の会社の一番お世話になった上司ですかね。

加古拓渡先生

上記にあげさせていただいた先生方は心の底から尊敬しています。全ての方とのエピソードを書くととんでもない長さになるので、「尊敬」という単語を聞いて一番最初に思い浮かぶ人について書いていきます。

stand fmでも語ったのですが、改めて記事にします。

出会い 2017
いつ頃かは定かではないのですが、2017年くらいにたぶん初めてクラスに出たと思います。当時はMMAをメインにやっていたのでそこまで柔術クラスに出てなかったですね。あと加古先生の担当クラスも少なかったです。

クラスによく出るようになった 2019~
クラス編成の関係の関係もあって、ほぼ毎回加古先生のクラスは参加していました。

移籍 2021~
仕事の都合で引っ越すため移籍。。。職場の人や土地そのものに対してはそこまで感傷的にはならなかったですが、加古先生のクラスがもう受けられないというのが一番悲しかったのを覚えてます。

それ以降は、たまに古巣に出稽古行かせてもらったりプライベートレッスンをお願いしたり、SNSやLINEでたま~に交流してます。

そんなカンジです。関係としては元会員と先生、というだけでよくクラスによく出てた期間も2年くらいなんですが、自分の柔術に大きな影響を与えてくれた方です。もっと言えば自分の人生を変えてくれた方です。

柔術の楽しさを教えてくれた先生

柔術が好きになったきっかけは細川顕先生のクラスに出たことで、柔術をはじめて1年目で細川先生のクラスに出られたのは自分にとって幸運でした。そのことについてはこちらの記事をどうぞ。

その後、細川先生の担当クラスがなくなったのですが、MMA中心でやっていたこともあり、寝技強化としてグラップリングをよくやってました。

そして、2019年くらいから加古先生のクラスによく出るようになりました。仕事の都合でいけない日はありましたが、できるだけ毎回出るようにしていました。当時は仕事も家庭もしんどい時期だったのですが加古先生のクラスに出るのが毎日楽しみでした。今思うといろんな意味で救われてましたね。「今日は加古先生のクラスだ!」と思うとわくわくして仕事も頑張れたし家庭のゴタゴタも乗り切れました。

加古先生の言語化が本当に巧みでインストラクションが最高です。加古先生のクラスによく出るようになってからより柔術にのめりこむようになりました。柔術の奥深さというか面白さをクラスを通じて教えてくれました。加古先生がいなかったらここまで柔術を好きになることはなかったですね。自分の人生で柔術は大きなウェイトを占めているので人生を変えてもらったといっても過言ではないです。

テクニックの内容もさることながら、技のコンセプトや考え方、哲学の話も面白いんですよね。クラス終わりの雑談でちょっとした質問を答えてくれるのですがそれがまた面白い。加古先生から聞いて、大事にしている言葉がたくさんあります。

背中で教えてくれた柔術への取り組み

日々のクラスで教えてもらうテクニックやコンセプトもよかったのですが、加古先生の柔術への取り組みからもいろんなことを学ばせてもらいました。

当時、ムンジアル(世界選手権)に挑戦する姿を身近で見させてもらったのですが、このとき身近で加古先生の取り組みを見られたのは自分にとって大きな財産です。

日々技術のアップデートを重ねて、コツコツと毎日積み上げる練習、徹底した管理で行う厳しい減量などを見てたのですが、「勝つためにはここまでやらないといけないものなのか。。」「人はこんなに打ち込めるものなのか」「本気で勝ちにいくってこういうことなのか」とカルチャーショックのようなものを受けました。

当時の加古先生の取り組み見れたのは本当に大きな財産になっています。

また、加古先生の道場は柔術専門ではないのですが、加古先生は環境を一切言い訳にしないです。考え方によっては専門道場に移ったり東京に出たり、という選択もあったのかもしれませんが加古先生は今ある環境で工夫を重ねて技術を練り上げてこられました。そこがまたカッコイイ。しかも専業柔術家ではなく、サラリーマン柔術家ですからね。。。

100点満点の環境でなくとも考えて考えてやれば強くなれるんだ!と勇気をもらいました。

加古先生の取り組みを見て「俺も頑張ろう」と思えたことが沢山あります。

加古先生は会員さんに試合に出ることを一切強制したりしないです。でも加古先生の取り組みを見て試合に出たい、と思わせてくれました。「あの背中に近づきたい!」と試合に出る気になるんですよね。

影響を受けた柔術哲学

「競技はルール」
ルールが競技を作るという考え方は自分の中でとても大事にしています。ルールを熟知したうえでルールを最大限に利用して試合展開を作っていくということもそうですが、「柔術の技の背景にルールがある」「ルールが柔術の技術体系を作っている」という哲学は自分の中で大事にしています。
「引き込みが許される」「スイープして2点入る」「バックを取ると4点入る」こういった当たり前になっているルールが技術を作っています。

「自分の最大到達点を目指す」「”できるだけ”頑張ってみる」
加古先生は会員に試合に出ることを強制しないですし、他人の柔術への取り組み方を強制することも一切なく、自由です。遅刻を許さないとか、週3回以上は最低練習しろ、とかいうこともないです。

でも、会員さんがより柔術を楽しめるようにクラスを運営してくれています。「より柔術を楽しむ」とは何か?と考えるとやっぱり強くなること、うまくなることだと思います。できないことができるようになったり、柔術の技の理解が深まったり、スパーでうまくいったり、試合で勝てたりといったことです。(もちろん柔術は強くなることだけでなく、運動していい汗をかくとか道場に来て仲間に会うとかそういう楽しさもあります)

なんとなく柔術をやるよりも「自分の最大到達点を目指す」「できる限りやってみる」ほうがより柔術を楽しめる。という考えを自分は加古先生から学びました。

なんというか、「一生懸命やったほうが楽しい」という哲学を自分の中に根付かせてくれました。

モチベーションは幻想
モチベーションは測れないです。
例えばですが、
「アイツはいいよな、モチベーションがあるから練習いけるもんな、俺はモチベーションが湧いてこないから練習行けないよ、俺もアイツみたいにモチベーションがあれば毎日練習できるのになあ」というのはちょっと違います。
モチベーションがあろうとなかろうと、やると決めてやる。それだけです。

加古先生がモチベーションに頼らず毎日淡々と積み重ねる姿を見て「あ、そこじゃねえんだな(モチベーションじゃねえんだな)、やるだけなんだ」と思いました。

柔術の技術的な考え方
加古先生から学んだ柔術の技術的な考え方は山ほどあるのですが・・・全部書くととんでもない量になるので箇条書きでまとめます。ひとつの項目につき1記事かけそうです。

・トップはとにかくスペースを詰める
・ボトムはパスボックスを守る
・打ち込みはしない、できる動きだから
・スパーはデータ収集。思い出すことが大事
・できた技は再現できるように、失敗した技はできない理由を考える
・すべては積み重ね
・動きはシンプルな方がいい。工程が少ないほうがいい
・技の手順が少ない方が難しい(意識するべきことが細かくなる)、手順が多い技は手順だけ覚えればできるので実はそっちのほうが簡単なこともある
・〇〇のディフェンスを覚える、よりも〇〇そのものを学んで理解する
・肩に足が当たっていればパスされない
・ルールは競技
・ガチスパ、ライトスパー、ラフスパー(荒いスパー)の概念
・技に対して適切な対処がある、〇〇を防がれたときにもっと強い〇〇を出す、という選択をしない
・技がうまくいかないときは技自体ができていないことよりも技を出すべきシチュエーションでないことが多い。
・柔術に足技はない、そう思っていた時期が俺にもありました。トップでも足を使う。
・「練習でできない技は試合でできない」とは限らない
・どんな相手でも「自分の練習」ができるようにする
・技の左右について「スイッチして左ストレートが打てなくてもいいけど左フックは必要。左右のニーカットはできなくてもクロスニーカットとスマッシュができればいい」「ディフェンスとバックは左右両方できたほうがいい」
・ときにはゆっくり動いた方がいい、プレッシャーが抜けるから
・ハーフは保険
・腰を押すな、肩を押せ
・段階的に学ぶ。最初からすべてできなくてもいい。
・下はエビをするな。上はエビを引き出せ。

ガードリテンションでエビをするな!!!

人柄

話しかけづらいといわれることもありますが、加古先生優しいんですよ。情に厚い方です。自分が大変な時も何かと気にかけてくれました。

あと、けっこう冗談とか好きです。

競技にストイックで理論派、に見えて実は情に厚くて冗談好き、というのが加古先生です。そこもまた魅力的な方です。

まとめ

尊敬とリスペクトのニュアンスの違いを書くつもりが、加古先生について語りまくる回になってしまいました。まあ、それもよかろうもんです。

加古先生のことは尊敬していて感謝しています。自分の人生を変えてくれました。直接伝えると照れくさいし、まとまりなくなっちゃうのでこうやって記事にしてみました。

まあ、柔術は続けてればどうせまた会うので、また話したいですね。

ではでは。

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