抑え込みの有効性 抑え込みシリーズ③(全文無料)
今日も今日とて柔術は楽しい。来週の週一練習日の打ち込みリストを作っています。事前にテーマを決めて、当日考えてスパーをして、その後はスパーの振り返りをしてまた次回のテーマを決めてといったサイクルを回していきたいですね。
今日も抑え込みの話。第3弾。
抑え込みシリーズ第1弾で「MMAと柔術で抑え込みが軽視されがちな理由」、第2弾で「抑え込みは格闘技の本質」を書きました。
今回の第3弾では「抑え込みの有効性」を掘り下げていきます。
「抑え込みは格闘技の本質って言ったって、抑え込みだけじゃフィニッシュできないし、柔術でもMMAでも抑え込んでないで動けって言われるじゃないか。俺は極めたりKOしたいんだ」という意見に対するアンサーを書くイメージで書きました。
抑え込みはそれ単独でも有効ですが、抑え込みによってパウンドやサブミッションやバックテイクにもつなげることができます。
1.抑え込みとアグレッシブな展開は相反するものではない。
<抑え込みとアタックを組み合わせ、相乗効果でより強くコントロール>
「パウンドやサブミッションを狙うとスキができて逃げられる」というのは間違ってはいないのですが、
個人的には
「しっかりと抑え込みができるからこそパウンドやサブミッションが狙える」
「パウンドやサブミッションのプレッシャーがあるから抑え込める」
だと思います。
サブミッションやパウンドをしかけて、ディフェンスに相手のリソース(手)を使わせることで、エスケープにリソースを使わせないことができます。パウンドをブロックしたりサブミッションを防ぐために首や脇を守っていると、肘ベースをとって起き上がったり、相手を押してエスケープすることができません。
実際のところは、サブミッションやパウンドを狙うとスペースができてエスケープのチャンスになってしまうことも多いのですが、上手にアタックと組み合わせる人の抑え込みは、抑え込みだけをする人のものよりも強力です。
また、組み合わせることで相手のスタミナも消費します。ひたすら抑え込むだけの人だと下も無理せず温存しつつ逃げるタイミングを待ちますが、パウンドやサブミッションを仕掛けてくる相手だと必死にエスケープします。
2.抑え込みとバックテイク
MMAでは抑え込みから逃げようとして背中を向けるディフェンスをすることが多いです。スタンドバックまでいって立ちレス、壁レスすることでエスケープできる可能性が上がりますしパウンドのリスクも減ります。バックを取られても早めに立った方がジャッジの印象も良いです。
柔術では完パスできずに、パス際背中を向けてきた相手をバックテイクする展開も多いです。
しかし、MMAにせよ柔術にせよ、「抑え込み」をまず最優先に狙っていくべき、簡単に抑え込みを妥協してバックの攻防に移行するのはもったいないと思います。抑え込みのプレッシャーがあるからこそバックテイクの隙が生まれるのだと思います。
「パス、抑え込み→バックテイク」は覚えるべきコンビネーションですが、そのためにはまずしっかりとした抑え込みが重要です。
テクニックとしてあえて背中を向けさせるように仕向けてバックテイクすることもありますが、それでもコンビネーションの一手目(抑え込み)が大事です
「オカ 序の口べリンボラ」さんの参考になるツイートがあったので引用させていただきます。
3.抑え込むことを最優先にするメリットと有効性
抑え込みの最大のメリットは「リスクが低い」=「勝率が上がる」です。細かく言うと以下。
4.まとめ
極めたい人ほどしっかり抑え込もう
白帯やMMA初級者あるあるとして抑え込みを軽視しがちです。焦ってパウンドを打ったりサブミッションをしかけて逃げられます。まずはしっかり抑え込んでコントロールする。これが一番です。
抑え込んで有利な状況にしてから仕掛ければ成功率が上がりますしリスクも少ないです。抑え込みでスタミナを削っていけばさらに成功率は上がりますし、審判の判定の印象もいいです。
攻撃のチャンスは相手が動く時です。①「相手がアタックしに来た時」も攻撃のチャンス(カウンター)ではありますが、リスクがあります。それもいいですが、②「相手が逃げようとする時」のチャンスを狙うことでリスクの低い成功率の高いアタックができます。
実際の試合では②のタイミングだけでアタックできることは少なく、①も狙っていかないといけませんが、抑え込みをしっかりすることで②のタイミングで攻める機会が増えて勝率が上がります。
極めたい人ほど抑え込みをしっかりとしていきましょう!
2024/3/9 アンディ
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