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柔術にランニングって必要?(全文無料)

今日も今日とて柔術は楽しい。今日は個人的な考えをまとめてみました。ここでいうランニングはジョギング的な意味合いです。いわゆるダッシュのトレーニングとは別物。

あくまで自分の考えです。運動化学的な知見から見たら間違ってることもあるかもしれませんし、別の人の考えとは違うこともあるかもしれませんがご容赦を。


結論

最初に結論から。やや暴論ですが8割くらいの人には当てはまると思います。自分は今はこのスタンスです

「時間が限られてるなら、ランニングより別のことをやったほうがいい」

です。もちろん全員に当てはまるわけではないです。

かくいう自分もかつては頑張って走ってました。

ただ、多くの人は仕事や家庭の合間の貴重な時間を使って柔術やトレーニングをしています。その貴重な時間をランニングに使うのはもったいないというのが自分の結論です。

極論ですが、週3で30分ランニングしてもそこまで柔術は強くならないですが、週3で30分で筋トレすれば確実に効果は出ます(もちろんしっかりとしたメニューを組んで)。

なんなら、週3~5で30分ランニングするよりも週2で15分でもちゃんとしたメニュー組んでトレーニングすればそっちのほうが効果あるとすら思います。

自分の周りでも、柔術家でトレーニングのために走ってる人は少ないです。「ランニングする様になったらパスできるようになったよー(極めが強くなったよー、スタミナついたよー、パワーついたよー、強くなったよー)」もあまり聞いたことないです(自分が知らないだけで実はたくさんいるかもしれませんが)

なんでも効率だけで考えるのはよくないですが、限られた時間を有効に使おうとする感覚は大事です。

1.「できるならやったほうがいい」・・しかし。

たいていのことはこれです。「できるならやったほうがいい」

たとえばですが、「ストレッチはやったほうがいいですか?」「月一のマッサージはやった方がいいですか?」「柔術的思考を鍛えるためにチェスや将棋をやったほうがいいですか?」「クロストレーニングとして柔道をやったほうがいいですか?」「練習ノートはつけた方がいいですか」「プライベートレッスンは受けた方がいいですか?」

これら全部「できるならやったほうがいい」です。でもその後ろにこっそりこれが追記されてます。

「※それをやることによるマイナス要素(時間が無くなって睡眠時間が減る、メインの柔術の練習時間が減る、疲労でケガのリスクが上がる、お金がなくて生活に困る)が発生しない場合に限り、やらないよりやったほうがいい。」

時間とお金に余裕があればできることは全部やった方がいいです。お金に困ってなくて、毎日12時間時間自由に使うことができるという人ならば、プライベートレッスン頼みまくって、マッサージやケアも全部やって練習前の入念なアップや練習後のストレッチやケア、追加での別競技の練習やトレーニングなども全部やれば強くなります。でも、たいていの人は時間もお金も限りがあるのでそうはいきません。

要は「デメリットとメリットを比較しましょう」「限りある時間とお金と体力を効率よく使おう」っていう当たり前の話ではあります。

2.ランニングは柔術に必要か?

まず、メリットとデメリットを整理します。運動化学的な知見があるわけでもなく、薄い知識ではありますがまとめてみました。

ランニングのメリット
・心肺機能向上
・下半身の強化
・有酸素運動としてのカロリー消費
・アクティブレスト、疲労回復、コンディショニング
・メンタルの効果。気分がよくなる
・費用がかからない

ランニングのデメリット
・膝腰へのダメージ(ランニングの着地は思っている以上に関節にダメージがある)
・タイパ(タイムパフォーマンス)が悪い。それなりの時間を取られる

<ほかの練習・トレーニングと比較したときのデメリット>
・柔術の練習と比較して
→競技の技術的な成長はほとんどない
→柔術の動きに転換できる動きが少ない(寝技という特性上、ランニングの動きが柔術に活きることが少ない)
<筋トレと比較して
→筋力、パワーの成長は見込めない
→タイパが悪い

このメリット・デメリットを考慮してランニングをやるかどうかを判断していきます。

例えば、「ランニングをやると体の調子がものすごくよくなる」「ランニングをやると気持ちよくてメンタル的にとてもいい効果がある」「ランニングをやることでスタミナがかなりついた」といった大きなメリットを感じるならやったほうがいいです。

膝腰を痛めてる人や時間がない人が無理にやる必要はないでしょう

ランニングは柔術に転換しづらい?

同じ格闘技でも打撃系格闘技(立ち技系)は走る人が多いですよね。「足の裏でマットを蹴って動く」という動きが競技に転換しやすいからでしょうか。

柔術の場合、ボトムはマットを足に付けないし、トップでも「足の裏でマットを蹴る」というよりも「相手に体重を預けて足を軽くしてステップを踏む」動きが多いのでランニングの動きを柔術に転換できる部分が少ないように感じます。スタンド勝負を良く仕掛ける人はまた別かも。

刃牙でも言ってたでしょう。

「ボクシングには蹴り技がない、そんなふうに考えていた時期が俺にもありました」
「そっかァ~~~~」

ボクシングは大地を蹴る競技です。

刃牙の話がしたいんだ。俺は。

「もっと効率のよい時間の使い方、金の使い方、体力の使い方があるのでは?」という視点

ランニングも「できるならやったほうがいい」です。下半身のトレーニングとしても心肺機能のトレーニングとしても基礎体力向上にしてもそれなりの効果はあります。

でも、その時間を使ってもっといい方法はないか?と考えるのも大事です。

30分のランニングをする時間を筋トレに使ったら?スパーリングやったら?ストレッチやマッサージ等のケアに使ったら?睡眠時間を増やしたら?

人によってはランニングの時間を別のことにが良いかもしれません。

3.ランニングのスタミナと柔術のスタミナは別物?

ランニングのスタミナと柔術のスタミナは別物だと感じます。柔術のスタミナは柔術(スパーリング)でつけるほうがいいような気がします。

「スタミナがついている」のではなく、「体の使い方や柔術がうまくなって無駄な動きをせず効率よく体を使えているのでスタミナを消費せずに戦えるようになってるだけ」ということもあるのでしょう。

それと、「心肺機能」と「競技のスタミナ」もまた別物ですよね。

いずれにせよ、スパーリングをやっていて「スタミナが足りない」と感じているとき、「スタミナをつけるためにランニングだ!」となるのは少し短絡的かもしれません。マラソンランナーの方でも柔術初心者ならスパーリングはものすごく疲れるでしょう。

柔術のスタミナは「柔術の動きが効率よくできるか、柔術の動きに慣れているか」と「心肺機能」の二つの面があるので、後者を鍛えたいならランニングもありですが、スパーリングをたくさんやれば両方鍛えられるのでスパーリングのほうがいいと私は考えます。

ただ、上級者でスパーリングをやってもうますぎてあまり負荷がかからず、スパーリングが心肺機能のトレーニングにならない場合はランニングもアリだと思います。

4.アンディ個人の経験と考え(哲学)

頑張って走ってた過去

20代半ばごろ、週3で5キロ走っていた時期があります。1か月くらいですが。

社会人で働く中で、ジムで練習終わった後にさらにランニングしてました。かなりきつかったです。さながら「明日のジョー」や「はじめの一歩」のような気分で追い込んでる自分に酔っていたような気もします。

結論は、自分には向いてなかったです。疲労が溜まって格闘技の練習の質が落ちていたように思えます。しかも睡眠時間も減らしていたので「ランニングの疲労+睡眠時間減少」のダブルパンチでめちゃくちゃ調子悪かったです。

あと、スネや膝が痛くなりました。。。あれはフォームの問題なのでしょうか。分かりません。。。

今のスタイル

その後は休日に時間があるときはたまに走ったりもしてましたが、それでスタミナがつくとかコンディションが良くなると感じることも特になく。だんだんとランニングはしなくなりました。

今はこんな感じです

・最優先は競技練習(ジムでの柔術の練習)
・ジムに行けない日やちょっとした時間にホームジムでトレーニング

ランニングはしてません。子育てが落ち着いたら時間のある土日とかに少し走ったりするのもありですが、だいたい土日は家族の用事か何か予定が入ってます。

ホームジムだと移動時間なく集中して15-20分やって終わりなので仕事と子どもの世話で時間がなくてもそれなりにできます。そして筋力がついてる実感もあります。

約5万円でホームジムを作ってみた|柔術哲学(アンディ)

限られた時間と体力の中で選ぶ練習としては、ランニングは今は選ばない、といったカンジです。

5.ランニングやった方がいい人、やらなくてもいい人

「ランニングでないとダメな理由」がないならやらなくてもいいと思います。柔術の上達のために絶対必要なものではないので。

心肺機能を向上させるならスパーリングでいいし(競技練習も兼ねられるる)、下半身の筋力なら筋トレのほうが効果もタイパもいいです。ダイエットや減量として有酸素をやるのもスパーリングでいいです。そもそもダイエットなら食事を制限した方が効果的です。体を温めたり血流を良くしたいならお風呂でいいです。

やったほうがいい人、やり方

◎ランニングで気分がよくなって、適度な疲労でよく眠れてコンディションが良くなる人

◎スパーリングに参加する体力がない初心者、最低限の基礎体力をつけたい人

◎スパーリングが心肺機能のトレーニングになっていない人(上級者に多い、うまくなってしまって負荷になっていない)。スパーリングが強度の高い運動になっていないのでランニングで心肺機能を鍛える

◎ランニングが好きな人

◎時間がある人

◎柔術の練習に行けない日に体を動かしたい、ケガでスパーリングをできない代わりにランニングをする

やらないほうがいい人、やり方

✖柔術に行く時間を減らしてランニングをする

✖ランニングが好きではないけどトレーニングのために走る

✖膝腰に問題がある

△下半身の筋力、パワーをつけるためにランニング

△ダイエットのために走る

△時間がない中で無理して時間を捻出してランニング

ちょっと脱線。ダッシュとランニングは別物

ここまで書いてきたのはいわゆる長距離走的なランニングです。

ダッシュのトレーニングは瞬発力や下半身のトレーニングとして優秀なのでいいと思います。でも、その人の柔術のスタイルや膝腰の状況によりますね。瞬発的な動きや走る系のパスをよく使う人にはいいと思います。

6.まとめ

一番は、その人がやりたいかどうか

自分のスタンスは「時間が限られてるなら、ランニングより、別のトレーニングや競技練習をやったほうがいい」です。理由はここまで書いた通り。

でもこれが絶対正しいとは思っていませんし、みんながそうするべきだとも思っていません。

自分で試して、考えて自分で必要だと思ったならやればいいし、自分がランニングが好きならやればいいです。

ただ、そんなに走るのが好きではない、柔術の練習にプラスαでランニングする時間がとれない、といった人が無理してやる必要はないと思います。

「ランニングやったほうがいいかなー」と悩んでいる柔術家の方の参考になれば幸いです。

2024/11/5 アンディ

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