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柔術における頭は第三の手っていう話(全文無料)

今日も今日とて柔術は楽しい。頭を寝技の攻防で使うといいって話。


1.リソースを使うという感覚

「寝技で使える体のパーツ=リソース」は限られています。手足4本、頭、体幹(胴体)を使います。(パラ柔術のケースは今回は除きます)

お互い同じリソースを持ったもの同士で戦います。いかにこれを効率よく使うかで相手をコントロールします。

例えばトップポジションでパンツグリップで相手の上の足を押さえつけると、手1本で相手の足2本を制することができるのでとても効率が良いです。少ないリソースで相手の多くのリソースを消費させることができます。

ボトムでバランスを崩して相手にマットに手をつかせたら相手は手をバランスを取ることに使わせることができます。手というリソースをバランスを取ることに消費させます。そうすれば三角絞めのエントリーができます。手というリソースを三角絞めのディフェンスに使わせないことができます。

また、2on1グリップはこちらの2本の手で相手の1本の手をコントロールします。リソースを2本使うので2対1でシンプルに強いです。

2.頭もリソースになる。

頭も武器になります。第三の手です。

急所となる首が近いので絞めのカウンターを食らうリスクはありますが有効に使えばボトムでもトップでもサブミッションでも有効なリソースです。

3.トップでの頭の使い方

プレッシャーパス、サブミッション

・トライポッドパスでは手の代わりに頭でマクラを取ることで相手に強いプレッシャーをかけます。

肩固めは頭で脇を差している形です。相手のあご下に肩が入るのでサブミッションになります。ハーフからのパスアタックにも有効です

・ハーフパスで相手のあご下を頭で押すことでアゴを上げさせます

・ボディロックで、頭で相手の胸~腹を抑えて背中をマットにつけさせます

・クロスグリップパスやロングステップパスなど横から攻めるパスで、頭で肩や胸を押して背中をマットにつけさせます

・かつぎ系のパスで頭(耳)を使って相手の太ももを押します

・キャンピングパス(J-point camping)では相手の内ももを頭で制してコントロールできます

4.ボトムでの頭の使い方

フレーム、崩し、固定、移動、ブリッジ

・ハーフガードでは自分の頭を自分の手の内側に入れることで相手のマクラのプレッシャーに対抗する。頭でフレームを作るようなイメージ

・タックルスイープでは、相手の脇や腹を頭で押して崩す。片足タックルは頭を中に入れて腹を頭で押す、両足タックルは耳で相手の脇を押すようなプレッシャー。また、片足タックルで立ち上がるときはあご下や腹、わき腹を頭で押して崩して立つことができる

・頭を固定に使う。腕固め(カッティングアームバー)は頭(顔)と肩で相手の手を固定して極める

・ディープハーフは頭と肩で相手の太ももをとる

・担ぎパスやベリンボロのディフェンスとして、後頭部をマットにつけて背中で後ろに歩く動きをする

ブリッジは後頭部がマットにつかないとできない。

5.スタンドでの頭の使い方

崩し、フレーム、固定

・4.のタックルスイープと同様に頭を使って崩す

・相手の肩に頭を入れておけば(当てておけば)フレームになって相手は中に入ってこれない。タックルも投げもできない。

・一応、スタンドの腕固めも頭(顔)と肩で相手の手を固定して極める。腰や下半身が固定できてないので極まらないことが多い。

6.まとめ

手が3本あれば、圧倒的に有利になります。「手が3本あったらなあ」と思っても3本目の手は生えてきませんが、頭という第3の手があります。

リーチが短くて、絞めを食らうリスクがあって使い勝手は手より悪いですが、うまく使えば第三の手として優秀なリソースになります。

上手い人がスパーで頭をどう使っているか意識して見たり、自分のスパーで頭を使える場面はないか、と考えるとブレイクスルーのきっかけになるかもしれません。

2024/8/5 アンディ

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