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柔術家の筋トレ「”効かせる"って必要?」(全文無料)

今日も今日とて柔術は楽しい


1.”効かせる”とは

筋トレにおける”効かせる”
負荷を逃がさない(多くの負荷がかかるようにする)
筋肥大が目的

鍛えたい(筋肥大させたい)部位にかかる負荷を逃がさないように”効かせる”のが筋肥大には効果的です。反動を使ったり別の部位に負荷が逃げないようにします。

”効かせる”は「ストリクト」とも呼ばれます。

2.チーティング

雑に言えば、”効かせる”の対極にあるのがチーティングです。

反動や別の部位を使ってトレーニングすることがチーティングです。足を思いっきりスイングして懸垂したり、ぶん回すカンジでアームカールするようなイメージです。

一般的にチーティングは推奨されません。ケガのリスクが上がったり、鍛えたい部位に負荷がかからないからです。

でも上級者は「対象部位により強い刺激を与えるためにあえてチーティングをする」こともあります。また、チーティングであげてネガティブはストリクトにする、というテクニックもあります。

「筋肥大にチーティングは絶対ダメ!」ということはないですが、初心者はまずストリクトなフォームでしっかりとウェイトをコントロールする方がよいとされています。

3.柔術家はどう筋トレするべき?

チーティングの方が柔術に適している?

柔術の動き(というか競技全般?)

・柔術の動き
→反動も使う、全身の筋肉を使う、体重も利用する、全身を総動員してパワーを発揮する。とにかく効率よくパワーを出したい
→かかる負荷が少ないならその方がよい

相手をエビで押すときは「大胸筋で押す・・」なんてことはなく、反動や全身を使った動きで最大出力を出します

チーティング
→反動も使う、全身の筋肉を使う、体重も利用する、全身を総動員してパワーを発揮する。一つの部位にかかる負荷は少なくなる

”効かせる”トレーニング
→反動使わない、対象部位のみ使う。あえて非効率にすることで負荷を上げる。

そうなんです。実はチーティングの方が柔術の動きに近かったりします。

4.具体例

例えばベンチプレスのフォームとして、「ケツ上げベンチ」は大胸筋にかかる負荷が抜けるのでNGとされることがありますが、柔術的にはむしろケツを上げてブリッジを組んだ方がよいかもしれません。

一般的に筋肥大を目指すトレーニングでは、

高重量<効かせること
(パワー発揮<特定の筋肉に大きな刺激を入れること)

となります。でも、柔術では

高重量>効かせること
(パワー発揮>特定の筋肉に大きな刺激を入れること)

となります。

ちなみに高重量や効かせること以上に大事なのはケガをしないことです。

5.YouTubeの落とし穴

注意点として、筋トレの情報をネットやYouTubeで探して見つかる情報のほとんどが「筋肥大を目的としているビルダーやフィジーカーが発信している情報」ということです。極論、重量が伸びなくても筋肥大できればいいのです(そんなことはありえないんですが、競技の目的として重量が最優先事項ではないという意味)

そのため、YouTubeで得たトレーニングの知識が必ずしも柔術の補強として適しているとは限りません。

もちろん、トレーニングの基本は同じなのでほとんどの内容は柔術家のトレーニングにも有効です。ボディメイクを目的とした人たちのトレーニングが間違っているということはなく、柔術家の目的には最適でない可能性があるということです。

6.まとめ

・柔術家は効かせるよりもぶん回してとにかく重量だ!!
・初心者はストリクトにやっとけ!

みたいな分かりやすい結論を書いてもいいのですが、そういうことではなく。

「目的によって最適なトレーニングは変わる」

というのが一番書きたいことです。チーティングも場合によっては効果的になるよって話です。

自分もまだまだ勉強中ですが、とりあえず自分の現時点での「柔術家にとっての”効かせる”トレーニング」の考えをまとめられたので満足です。

読んでいただきありがとうございました。

2024/7/18 アンディ

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