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「首を制する」は実は「〇〇を制する」
今日も今日とて柔術は楽しい。
1.首を制するのはめちゃくちゃ大事
首を制するのは大事です。首→上半身→全身と、首を通して全身を制することができます。サイドコントロールでは首だけでも完全に制すれば抑え込むことは可能です
いわゆるマクラを取る。英語ならhug his headだと思います。ハグする。
2.でも首を抱くだけには意味がない
でも相手の首を抱くだけ、首の下に手を敷くだけ、では意味がないです。同じように首を抱えるように見えても白帯と上級者ではまったく別物です。
白帯の方でも、マクラをとっても簡単にエスケープされた経験はあるでしょう。
では何が違うのか
3.首を制するの意味
3-1 実は首ではなく顔の向き(鼻、目線、アゴ、頸椎の向き)
「首を制する」といいますが、実は制しているのは顔の向きです。顔というか鼻、目線、アゴの向き。もっというなれば背骨(頸椎)の一番上の頸椎の向きです。自分のしっくりくるお好きな表現で。私の場合は「鼻の向きをコントロールする」がしっくりきます。
基本的に人間の体の構造的に力を入れたい方向へ顔を向けます。エビをするときは押す方向に向きます。スイープや投げを打つときは投げる方向へ目線を向けます。パスするときも力を入れたい方へ顔を向けます。そっぽむいてベンチプレスはできません。
顔がねじられていると力が入りません。なので首を抱いていても相手の顔がしっかりこっちを向いているとコントロールすることができないのです。
いろいろググったらこの動画が分かりやすかったです。本記事の主旨はこの数十秒の動画を見ればほぼ伝わります。
マクラをするときはクロスフェイス
こちらの動画をご覧ください。トップの選手がボトムの選手のマクラをとっていますが、ただ首を抱くだけではなく相手の顔の向きを反対側に向かせるコントロール(≒クロスフェイス)をしています。これこそ「首を制する」です。
(※開始時期を調整してます。)
マクラ以外でも顔の向きを制するのは有効です。
ガブリで相手のあごをカップしてコントロールしたり、
サイドエスケープで相手の首ではなくこめかみを押すことで相手の顔を反対方向へ向けたり、
トライポッドパスで相手の顔の横のマットにおでこを付けて頭で相手の顔の方向を反対へ向けたり、
といったカンジです。
4.首へのサブミッション
「首を制するのは顔の向きを制する」、というのがここまでの内容でしたが、首を制するにはもう一つ意味があります。それは首へのサブミッション(
絞め)です。どちらかというとこっちのほうが多くの人がイメージする「首を制する」かもしれません。
バックチョークや襟絞め、肩固めや三角絞めなどなど
例えばこちらの動画、顔の向きを反対に向けるタイプのクロスフェイスではないですが相手の首に肩が入って絞めのようなプレッシャーが入っています。まあ、実はこれも顔の向き(鼻の向き)を上に向けて相手をコントロールしているので顔の向きを制しているともいえるのですが、
また、ネルソンやツイスター(コブラツイスト)といった首極めも首を制してるといえるでしょう。首極めは顔の向きを極限までひねったり折ったりすることなので広義では「顔の向きを制する」と言えるかもしれません。
5.まとめ
「顔の向きを制する」と「絞め(首へのサブミッション)」は別物ではなく合わせて使うことができます。
フロントチョークは相手の顔の向きを制することでより決まりやすくなります。バックチョークでも相手の顔の向きをコントロールできれば入りやすくなります。
また、絞めを主な目的としていないマクラでも肩を入れて絞めのプレッシャーが入るとよりコントロールが強力になります。
「首を制する」という感覚がつかめない人はこの「顔の向きを制する」という意識を持つと上達のきっかけになるかもしれません。
2024/11/12 アンディ
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余談 ちょっと変わったマクラ
相手の顔の向きを制するのが基本的なマクラのコンセプト(哲学)です。なので肩や腕で相手の顔~顎を押して反対に向かせるクロスフェイスをします。
それとは別に相手のブリッジを潰すマクラがあります。相手の後頭部(首の後ろではなく)を抱くマクラです。後頭部の下に自分の腕を敷くといってもいいでしょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1731374468-Ji2yzF1Gue0kmpxIhtOjanB7.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1731374474-BMy9RSTcX3qj6soue0CQ7V5k.png?width=1200)
ブリッジをするときには相手は必ず後頭部をマットにつけます。この後頭部を抱くマクラをやると相手は後頭部をマットにつけられないのでブリッジできません。
マウントのコントロールのときに使うと便利です。あと、トップからラッソ―を潰すときにこのマクラをやると相手はマットを背中と後頭部で押して強く足を蹴りこむことができないので有効です。
ちょっと試してみてください。ブリッジつぶしのマクラ。けっこう使えます。
実はこれも「相手にブリッジの方向(斜め上)に顔を向かせないためのテクニック」なので実は「相手の顔の向きを制する」というマクラのコンセプト(哲学)に沿っています。
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