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スパーの成果を倍増する振り返りの方法。技の成功失敗と細分化(全文無料)

 今日も今日とて柔術は楽しい。今回は振り返りと技の成功失敗の話


 技の成功、失敗をどのように判断してますか?ポイントが入る攻防は成功と失敗が分かりやすいです。ではポイントやアドバンが入らない攻防は失敗なのか?というとそんなことはありません。

 スパーリングや試合の振り返りをするとき、以下の考え方を持っているといい振り返りができると思います。

1.攻防を細分化して、成功失敗を振り返る

 動きを細分化することは技を理解する上でも、振り返りをするときも大事です。例えば下からの腕十字ならば以下の手順があります

①相手の手を取る
②相手をあおって崩す
③相手の頭に足をかける
④股をしめる
⑤へそ突き上げて極める 

 技が失敗したときはどの段階で失敗していたのか細分化して考えると良い振り返りができます。
 注意したいのは、攻防が失敗した時、原因はその攻防にないことも多いです。上記の③の動作が上手くいかない時、その原因は②のあおりが足りなかったり、①の組手が不十分だったりします。上手くいかない原因がどこにあるのか、自分で考えるのも大事ですが上の帯の先輩のアドバイスやプライベートレッスンを活用するのもオススメです。自分では気づかないような気づきがあったりします。

2.その技(動き)の意味や目的を把握する

 振り返りをするとき、技の目的を理解することが大事です。

 最終的にはポイントや一本(スイープ、パス、サブミッションなど)を目指しますが、細分化するとポイントを直接狙う動きではないこともあります

 その動きの目的は

「一本やポイントを取ること」

ではなく、

「反応させること」「体重をかけて削ること」「ディフェンスさせて手や足を使わせること」「警戒させて意識を散らすこと」

だったりします。これらはポイントには直結はしませんが大事な攻防です。

 例(読まなくても可)

①デラヒーバで相手を前に崩す動きの目的
→「そのまま前に倒してスイープ」△(なかなか倒せないことが多い)
→「耐えて重心を後ろにさせる」〇
(そこから後ろに尻もちをつかせるアタックへつなげる)
この攻防では、前に襟を引いて崩してスイープできなくても、相手が耐えて後ろ重心になってくれたらその攻防は成功です。(「ああー、前に襟引いたのに倒せなかった、失敗だ」ではない。)

②ハーフから脇差しの攻防
→「脇差してそこからアタック」〇
→「相手が脇差しを警戒して下がってくるので、フルガードに戻す」〇
この攻防では、その人のスタイルによりますがどちらも成功です。ハーフ(やや不利なガード)からフルガード(こちらが有利なガード)に戻せたらそれは成功です。その人がハーフガードにこだわって何としても脇差しからアタックしたいなら脇を差せないことは失敗になるかもしれません。

③ベリンボロ
→「なんとしてもバックを取る」△
→「最終的にポジションを取る」〇
 ベリンボロは最短でバックを狙える技ですが、相手がそれを嫌がるリアクションを取ってスイープができたら攻防として成功です。ベリンボロをやって相手にそのリアクションをとらせたのが一種の成功です。

④ハーフの上からの首へのサブミッション
→「なんとしても一本取る」△
→「サブミッションをディフェンスさせてパスする」〇
→「パスと組み合わせて意識を散らして攻める」〇
極めをとれたらもちろん成功。でも極まらなくても相手に警戒をさせたらそれだけでその攻防は小さな成功です。相手の意識を散らすのは格闘技において重要です。相手がパスディフェンスに全振りしていたらパスで突破するのが難しくなりますが、サブミッションを警戒してくれるとパスしやすくなります。

⑤プレッシャーパス
→「一発でパスをする」△
→「削る」〇

体重をかけてプレッシャーかけます。これは最終的にはパスを狙いますがこの攻防の目的は相手を削って消耗させることです。ここで相手が頑張って足を挟んで耐えてきてパスできなくても、ここで削って時間を使うことができたらその攻防は成功です。

まとめ 小さい「この攻防は勝ち」を積み重ねる

 一つの技を雑に分析して振り返ってもなかなか成長しません。技の動きを細分化して、それぞれの動きの目的を理解して、振り返りをしましょう。

 なんとなく「デラヒーバが上手くできない」「パスができない」「パスまで行けたから成功」「ポイントや一本取れなかったから失敗」というふうに雑な振り返りをせず、攻防を細分化して振り返りましょう。小さい「この攻防は勝ち」を積み重ねていくとポイントや一本や勝利があります

 スパーや試合の振り返りの参考になれば幸いです

2023/12/28 アンディ

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