![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/118795442/rectangle_large_type_2_f3562db82860468e0e8527bcccb3aa58.png?width=1200)
足関は邪道なのか?卑怯なのか?(足関の立ち位置の変化の考察)(全文無料)
今日も今日とて柔術が楽しい。教則動画を最近はよく見てます。スマホにメモしながら見ると、言語化する作業を通じて自分の中で消化されてイイカンジです。
今日は足関の話。昔は「足関は邪道」という風潮があったそうです。その背景の考察と変化に至る流れについてまとめてみました。
なぜ「足関は邪道」だったのか
今はむしろ足関節はクールでカッコイイものとされている足関節。なぜ昔は邪道とされていたのでしょうか。自身が考える理由は2つ。
①護身的考え(パウンドを意識)
②ポジションを軽視した技
①護身的考え(パウンドを意識)
当時の柔術(グレイシー系)はMMAやストリートファイトを意識した護身術的要素が強く、足関節は上から殴られるリスクの高い技とされていました。そのため柔術で足関を仕掛けるのは「本当は殴られる技なのに、ルールで守られてるからって足関やるなんて卑怯だ!そんなものバーリトゥードである本来の格闘技の柔術ではない!」みたいな風潮ができたのではないでしょうか。
柔術の競技化が進んだ現代ではナンセンスな価値観ですが、分からなくはないです。例えばキックの試合でかけ逃げのような胴回し回転蹴り→スタンド再開を何度もやったり、パウンド無しルールのアマ修で引き込みしたりすると「プロMMAなら抑え込まれてパウンドされる。あんなの卑怯だよ」みたいに感じる人はいると思います。
②ポジションを軽視した技
柔術のシステムとして画期的だったのは寝技にポジションの概念を持ち込んでそれをルール化したことです。柔術の本質は「ポジショニングの概念とコントロール」にあります。
しかし足関節は、そのポジションの概念(パスやスイープ、バックテイクなど)による得点を放棄して、コントロールしてない状態からいきなり極めに行くというスタイルです(次項で補足)。柔術の本質であるポジショニングを軽視して、パスを全然練習せず上から足関をかける人は、パスやポジションコントロールの技術が身に付きません
「スイープ→パス→マウントかバック→フィニッシュ」という王道ルートから外れている足関節は邪道とされたのかもしれません。
![](https://assets.st-note.com/img/1697191473836-splya6CMVV.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1697191471451-TeSaYRUEQ1.png)
今はなぜ邪道ではなくなったのか
![](https://assets.st-note.com/img/1697189898078-ZO3MnuwwTb.png?width=1200)
柔術の本質は今も昔も変わっていません。「ポジショニングとコントロール」です。しかし技術の発展で足関の立ち位置が変わってきました。
①柔術の競技化
②足関節を”ポジション”と解釈した(ジョン・ダナハー)
③グラップリングの発展
①柔術の競技化
柔術からMMAやストリートファイト的な要素が薄れて競技としての柔術が広がりました。足関が邪道という意識もなくなってきたのだと思います。今までは「殴られるからダメだ」と切り捨てられていた足関が、専業の柔術家が増えて深く研究されるようになっていきました。
②足関節を”ポジション”と解釈した(ジョン・ダナハー先生)
先の項で「足関は、ポジションを無視してコントロールしてない状態からいきなり極めにいくスタイル」と書きました。しかし、足関が発展して足関節の形をポジションと解釈してコントロールする概念が生まれました。おそらくジョンダナハー先生の功績です。柔術の本質である「ポジショニングとコントロール」は変わっていませんが、その本質に足関が追いついてきたのです。
③グラップリングの発展
一昔前は寝技=柔術でした。MMAの寝技も柔術もグラップリングも全部一緒でしたが今はそれぞれ別物です。その中でグラップリングも独自の進化を遂げて足関が発達しました。
まとめ
「足関は有効な技術、でも本質のポジショニングとコントロールを忘れるな」
という感じでまとめます。
足関はカッコイイし、有効な技術です。しかしそれだけで勝てるほど柔術は甘くありません。足関が発展してきたのは足関の中に相手をコントロールする要素が発展したからです。本質を忘れないようにしましょう。足関も相手をコントロールする技術のひとつです。足関は魔法ではないので相手にコントロールされてたら使えません。
取り組みとしてまずは、形や基本的な足関の知識を学びましょう。そこから自分がやるかどうかを選びます。やらない場合でもディフェンスは必要なので基本的な知識を学ぶのは必須です。
帯色、グラップリングもやるのか、ギのみなのか、などなどでどれだけ足関をやるかは変わりますが、本質を忘れないようにしましょう。
良い足関ライフを!
2023/10/13アンディ
追伸 上からアキレス(ストレートフットロック)ばっかりやるな!パスちゃんとやれ!
追伸が一番語気が強くなってしまいました。本当にあるある案件。練習でトップからいちかばちかで足関かけてきて簡単に下になる人、それしかやらない人。パスうまくならないです!上達しないです!(トップからの足関節が全てダメではないです。それしかやらない人はあまりよくない)
そして相手の練習になりません。やる人はいちかばちかでしかけて決まったら気持ちいいかもしれませんが、相手は毎回同じ足関のディフェンスくらいしか練習できないし攻防も生まれません。相手の練習にならないときはたいてい自分の練習にもなっていません。
試合で極まることもあるかもしれませんが、それしかない人は怖くないです。「足関防いで立てば、それだけで勝てる人」になるだけです。ポイントゲーム意識してやった方が勝率は上がります。
何度も言いますが、足関は卑怯でも邪道でもなく有効な技術ですが、それだけではダメです。ポジションを、意識してしっかり相手をコントロールしましょう。
もし、良いと思ったら投げ銭をいただけたら嬉しいです。柔術の教則購入や遠征費用に使わせていただき、よりよい記事を書く材料にします。
ここから先は
¥ 100
Amazonギフトカード5,000円分が当たる
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?