「感」がもたらす印象
不安感、期待感、やった感...
最近この「感」が語尾につく単語をやたらと聞きます。
ニュースを見ていても頻繁に出くわします。
「市民の間で不安感が広まっています」
「市場には政権交代の期待感が漂っています」などなど。
不安感や期待感は、そのまま感を取って不安と期待でいいはずですね。
私の講座の話をしたら「あぁ、この値段感なら十分いけますねぇ」と言った方がいらっしゃいました。
値段感??
面白いですねえ。
面白いからなぜ値段と言わずにネダンカンと言ったのかを聞いてみました。
だってほら、そんなネタもコミュニケーション研修の一部ですからね。
「値段の感じという意味で使った」と笑いながら説明してくださいました。
更に、「値段よりもなんかいいかなぁと」と加えていました。
なるほど!
「~な感じ」という「感」をその前に来る名詞にくっつけて一つの単語を作っちゃったんですね。
「やった感がある」は恐らく満足感から派生したものでしょうが、こちらは動詞にくっつけています。
日本語はいろんな応用法があるのですねぇ。
興味深いです...
いや、私が不思議に思うのはそこではありません。
何でもかんでも「感」をつけたがる理由なんです。
フワフワした語尾で直接的に表現するのを避けているという訳です。
先ほどの彼が言ったように「なんかいい」のですね。
私の解釈では、「何にいい」かというと「角が立たない言い方」にできるということでしょう。
関係性を重視する日本文化に特徴的な言い方です。
角が立たないのは目立たないということ。
でも同時に自信のなさを露呈します。
断定的に話せば、自信が伝わります。
協調性や順応性は確かに必要です。
ただ、それらを保ったまま個性を出すことも可能です。
みんなが使う言葉に流されていると、みんなと同じなんですね。
就職活動の面接などでは特にこれがものを言います。
文化は言葉に反映されます。
言葉に思考が見え隠れするからです。
どこかで聞いたことがあるからといって、みんなが使い続けている表現は、同時に個性を潰すものかもしれません。
他の人が気付かないうちにあなたを際立たせる言葉はあなたを輝かせてくれる個性へとつなげる秘密です。
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