星野リゾートの戦略から学ぶ③|顧客から選ばれる存在になるために必要なこと
こんにちは。あんでぃです。
『おもてなし産業をかっこよく』
を合言葉に、星野リゾートの働き方や戦略の特徴であったり、
現場で働いていて感じることなどをお伝えしております。
本連載では星野リゾートの基本的な戦略を紐解いていきます。
企業戦略を細かく紐解くことによって、成長していくための普遍的な要素を見つけ出していきたいと考えています。
↓第一回はこちら↓
なお、連載にあたり、参考にしているのは、PIVOT 公式チャンネルでの星野リゾート代表、星野佳路のインタビュー「星野リゾートに学ぶ」です。
※一部画像はその際の動画からキャプチャーしています
前回は定石通りの経営をすることで起こるコモディティー化についてでした。
3回目の今回は、コモディティー化した競争市場の中で、
「選ばれる存在になるために必要なこと」について探っていきます。
コモディティー化とは供給過多状態のこと
まずコモディティー化について簡単におさらいを。
他の例を挙げてみます。
私が住んでいる島根県。
代表的なグルメといえば、出雲そばが挙げられます。
例年多くの参拝客が訪れる出雲大社の周辺には、数多くのそば屋さんが立ち並んでいます。
私も何件か食べ歩いてみましたが、正直なところどこもそれなりに美味しい。
これはまずいなというお店や、ずば抜けておいしいお店が存在するわけではありません。
これは、出雲そばの市場が成熟し、供給過多の状態で、コモディティー化しているということです。
そんな出雲そば屋を経営する場合、どのようにして競争に勝ち抜けばいいでしょうか。
マイケル・ポーター先生の競争戦略
星野リゾートはさまざまなビジネス理論を参考に、「教科書通り」の経営を行なっています。
コモディティー化した市場の中で、教科書となってくるのは、マイケル・ポーター博士の競争戦略理論。
一番大事なのは、コモディティー化した市場の中で、「独自の姿」を築き上げるということです。
※それぞれのステップは次回以降ご紹介します。
そば屋さんを選ぶ時に何を考えるか?
仮に、島根県へ旅行にいき、出雲大社を参拝したとしましょう。
参拝が終わって時計を見ると、ちょうど昼時で、お腹もいい具合に減ってきました。
出雲そばは他のそばとかなり違うから食べておいたほうがいい!
と友人からアドバイスをもらっていたあなたはどのお店で食べようかと、早速ググってみます。
すると、たくさんのそば屋さんの情報が出てきました。
一件だけだったら、そのお店に行くことでしょう。
しかし、コモディティー化した出雲そば市場の中では、お店選びに悩むことになります。
近いところを選ぶのか?
価格帯で選ぶのか?
歴史あるような雰囲気を重視するのか?
その時の気分や状況で選択するお店は変わってくることでしょう。
選ばれる立場になるための独自の姿
逆にお店の立場からみれば、選ばれるお店になるために、他のお店と何が違うのか、明確にする必要があります。
他とだいたい同じでは、コモディティー化した市場では選択されない。
だからこそ、競争のある市場の中では、独自の姿を作り出すことが重要です。
「出雲大社大鳥居すぐ近く。参拝後にどうぞ!」
「三段割子そば780円。追加一皿200円!」
「ここは江戸時代から脈々と続いている伝統の出雲そばの味を引き継いでいます。」
といったように他と差別化した『独自の姿』をアピールしなければ、選ばれることはないでしょう。
個人に置き換えてみても同じですね。
例えば転職市場において、
「自分はどんな人なのか?」
「自分は何ができるのか?」
「自分は何をしたいのか?」
競争率が激しい企業などでは、他の人との違いを明確にしなければ、選ばれる可能性は低くなりますよね。
だからこそ、就職活動の時に、自己分析というものの重要性が叫ばれ続けているのでしょう。
以上、今回は競争市場において選ばれる存在となるために、独自の姿を作る必要性についてご紹介しました。
次回は、独自の姿を作り出すプロセスについてご紹介していきます。
『おもてなし産業をかっこよく』
あんでぃでした。
ちなみに、マイケルポーター博士の著作はこちら。
エッセンシャル版が一番読みやすいですよ。
なお、星野佳路のインタビュー「星野リゾートに学ぶ」はこちらからご覧いただけます。
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