競争嫌いな私が競争戦略を学ぶわけ
突然ですが、あなたは人と競うことが好きでしょうか?
ライバルに打ち勝つ、ということにワクワクする人もいるでしょう。
逆に、人と競うことはなるべく避けたい、と思う方も多いのでは。
私はどちらかというと後者です。
もちろん競争することで自分を成長させるきっかけになった経験もありますが、総じて考えると精神がすり減っていたな、ということが多い。
ましてや、
「人を蹴落としてでも目標を達成してやる!」
なんて考えたことはあまりないですし、そういう人はすごいな、と思えどちょっと苦手。
そんな競争苦手君な私ですが、今働いている星野リゾートで徹底的に「競争戦略」について日々実践しながら学んでいます。
競争戦略とは?
競争戦略とはハーバード大学経営大学院教授でもあるマイケル・ポーター氏が提唱した理論です。
教科書通りに経営する星野リゾートでは、以下のように説明しています。
ちなみに『トレードオフを伴う』とは、一方を選択すれば一方を犠牲にするということ。
つまり、一石二鳥ではなく、何かを失う選択をあえてするということです。
星野リゾートが選択する戦略、マルチタスクによる「サービスチーム」もそのうちの一つ。(調理も清掃もなんでもやります)
覚える業務は非常に多く、トレーニングにかかるコストは膨大、かつ、求められる知識やスキルも高くなるのがマルチタスク。
専門性を犠牲にするマルチタスクという、トレードオフを伴う活動を選び、徹底して磨き上げる。
同じように、他の戦略もトレードオフを伴う選択をしていく。
そして、それらの戦略を結びつける。(=フィット感を生み出す)
そうすることで、他社に真似されづらい存在になろうと日々努力をしています。
※サービスチームに関しては、過去5回連載しているので、こちらをどうぞ。
競争戦略のキモは競争しないこと
ここで強調したいのは、ポーター氏の競争戦略とは競争市場において、なるべく競争しないということ。
みんなが同じ戦略を取れば、先にやった組織(先行者)だったり、資本力が大きい組織が優位に立ちます。
一方、誰もが真似しない独自の戦略を貫けば、スピードも資本力も関係ないのです。
競争苦手君の私が競争戦略を学ぶのは、競争市場の中でも、競争しないですむからです。
そこには競争ではなく、
独自の姿とは?
顧客の潜在的なニーズとは?
私たちの強みとは?
といった、自己理解や他者理解が求められます。
そして、その解決方法を創造していく=クリエーションの余白があることに、私は興味が惹かれます。
他と違うことを受け入れる
また、競争戦略を実践する上でとっても大切なのは、
他と違うことを受け入れなければいけない
ということ。
トレードオフを伴う選択をする…
例えば、サービスチームの選択をするときに、専門職がいなくなります。
いうならば、ホテルのコンシェルジュのようなスタッフではなく、みんなが一様にコンシェルジュの役割を担うのです。
そこには専任の人よりスキルは劣るかもしれません。
それでも、そこは目を瞑らなければなりません。
そこには、他と私たちは違う、ということを明確に意識する必要があります。
あれもこれもと八方美人になるのではなく、自分がどんな姿を描こうとしているのか、しっかり理解しなければ、戦略を遂行する気持ちが揺らいでしまいます。
逆に、コンシェルジュのようなサービスはできないかもしれない。
ただ、私たちは全ての業務に通じているがゆえにできる提案力を持っている。
そういう強みも理解するべきなのです。
以上、競争嫌いな僕が競争戦略を学ぶわけというテーマで綴りました。
おもてなし産業をかっこよくしていきたい!
という思いから、普段は『星野リゾート』の変わった組織文化やマーケティングの他、おもてなし業のコツを発信しています。
また、自己理解を含めた心理学(アドラー心理学、コーチング)や瞑想も学び実践しているので、そういった発信もおいおいしていきたいと思っています。
ご興味いただけたら、フォローいただけると嬉しいです。
おもてなし産業をかっこよく。
あんでぃでした。