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フラットな組織で先輩たちが求められているもの

アジャイル経営に関する代表・星野佳路のインタビュー記事を読んだ。
ITによる旅行業界の変化、コロナ禍など、将来の予測が困難なこの時代において、組織運営に求められるものがとてつもないスピードで激変している。

まさにホテル・旅館業の中で、星野リゾートの運営は、その変化に対応すべく、アジャイル経営をひた走っていると言える。
しかし、そこには大きな課題があるとも感じている。

アジャイル経営とは、スピード感に優れた組織経営のこと

そもそもアジャイル経営とは何か?

もともとはソフトウェア開発で納期を大幅に短縮できる手法として注目された「アジャイル開発」がルーツ。短い期間・細かい単位で開発テストとリリースを並行させながらシステムを完成させていく手法。

アジャイル経営では、3人〜10人程度の小規模のチームを作り、それぞれに権限と責任が与えられ、全員が一丸となって目標に向かう。
大きな特徴は、チームの行動指針はトップの指示ではなく、メンバーの自律的な判断という点。
自ら考えるチームを中心とした組織構成のため、意思決定のスピードが高まる。

つまり、アジャイル経営とは、

自ら考えチームのために判断できるMature(大人)な組織であり続けたい。

という星野リゾートの組織文化に合致するような経営手法とも言える。


スピード感を保つために必要なフラットな組織

新卒入社した会社のオハナシ。
課長を中心に席が並べられ、その奥に部長、そして全体の中心に事業部長がいる。。。
そんな席次が当たり前だった。
課長に相談するのはいいにしろ、部長や事業部長に話をするのはとても緊張するものだった。

誰かの判断や承認を得るのに時間がかかっていた。
ハンコを押してもらう期間を見積もって、早めに書類を準備していた。
そんな非効率が当たり前で、疑問も抱いていなかった。
そんな生活を3年間続けた20代だった…

前出のインタビューで星野代表は、アジャイル経営=スピード感を保つために必要なこととして、フラットな組織であることを強調している。

フラットとは組織図を平らにすることではなく、人間関係が対等であること。例えば、総支配人は偉い人ではなく、意思決定をする役割をもった人。その人が意思決定を行使するまではフラットに議論できる環境を整えたいと思っています。そのためには普段から人間関係をフラットして偉い人がいない組織をつくることです

対等な人間関係。
そのために、偉い人信号を会社の中からなくしていく

確かに、私の組織では、支配人はいるが、支配人室といったものはない。
普段、支配人は事務所の片隅に置かれたスタンディングデスクのあたりにPCをおいて作業をしている。
リモートのテレビ会議を行う時は、事務所の2階だったり、そこが会議で使われていたら、食事会場に移動して会議を行っている。
私の施設ではこれが当たり前の光景。

フラットであるが故に、「偉い人だから…」と遠慮することなくいつでもオープンに相談ができる。
そして、意思決定をとにかくスムーズに行う。

これがフラットな組織の特徴だ。


アジャイル経営に頭を切り替える難しさ

アジャイル経営。
フラットな組織で、スピード感のある意思決定。

それだけ聞くと、いいことづくめじゃないか、と思いがちだが、ここには大きな課題もある。
それは、特に私のような年配スタッフに特に当てはまる。
フラットな関係性に頭を切り替える難しさだ。


今の若者は、、、
なんて言葉を使いたくはないのだが、
「いい意味で遠慮がない。」
今まで新卒社員と接してきて感じている。

80年世代の私にとって、少なからず数年先輩には何か意見すること事態が憚られるような感覚があった。
しかし、ここ最近の若者は(また使ってる…)、
気軽に相談してくるし、自分なりの意見を堂々と伝えてきてくれる。
敬意はあるが、遠慮はない、というのが正しいか。

一方で、年輩スタッフ側がどう接していくか?が問われている。
知識をもっていること
経験があること
これらを優位と捉えないという心構えが大切だ。
その知識や経験はとても重要なものかもしれない。
ただチームの目標を達成するため必要なものはそれだけではない。
後輩スタッフの新鮮な発想や意見。
それらを受け入れる器・度量も求められるとも感じている。

移り行く時代の中で、伝統を大切にしつつも、新しいものの価値を見出し活用していく。
フラットな組織で必要なものはまさしく「温故知新」の姿勢なのであろう。


『おもてなし産業をかっこよく』
あんでぃでした。



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