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いわきFC 2025シーズンスカッド その2 CH、シャドー、CF編
いわきFC2025シーズンスカッド分析、後編のCH(中盤)、シャドー、CFの3ポジションについての分析です。
前書き等は前編に記載しておりますで、早速、本題に入ります。
スカッド分析前編(GK、CB、WB編)はこちらから。
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⚫︎CH(中盤)
全ポジション中、No.1の潜在能力を感じます。
全員が順調に成長すれば、数年後「いわきFCの2025シーズンの中盤、チートやん」と言われているかもしれない。そんな風にすら思います。
ただし若い選手が多く、その潜在能力をいかに引き出し、チームの勝利へと結びつけられるかが、今シーズンの鍵を握ると思います。
このポジションは、山下、山口、大西、柴田ら、高い運動量とプレー強度を誇る選手たちが揃います。
また、山下であれば高精度の左足、柴田はゲームメイク能力など、高い基礎能力に加え、強力な武器を兼ね備えた選手たちです。(山口はテクニック・連携力と、スタミナ・プレー強度の両立、大西は異次元のボール奪取力)
そこに、広島から木吹、C大阪から石渡ネルソンが、いずれもレンタルで加入しました。2名とも、世界レベルの高いポテンシャルを有していると感じます。
木吹は身長2mを超える選手ですが、その動きからは、良い意味で、2mという数字を感じません。
ステップやボールタッチが柔らかく、大きな体をしっかりとコントロールできていて、動きが非常に軽やかでした。そしてボールコントロール時の懐がとても深く、ボールキープ力が高そうにも見えました。
ポテンシャルが高すぎて、未だ適正ポジションを定めきれていないそうですが、一応いわきではMF登録とのことで、CHに分類しました。
ポジションの枠に捉われない、レブロンジェームス(スポーツ違いますが、万能選手の例えとして)のような、どの局面でも圧倒的存在感を発揮する選手を目指して欲しいし、なれると思います。
個人的に、今シーズン注目の選手の一人です。
一方の石渡ネルソン選手は、俊敏な動きと、ボールを持った際の、南米やモロッコ・トルコ系のテクニシャンのような、独特のやんちゃさ、遊び心を感じるプレーが目をひきました。
体の線はまだまだ細いようですが、しなやかさはそのままに、いわき仕様のフィジカル、走力を身につければ、相当良い選手になれるはずです。
ただし、木吹、ネルソンともにまだ若く、選手個人としてのポテンシャルは感じましたが、周囲との連携やポジショニングの面ではまだまだ向上の余地があると感じました。
紅白戦でも、ポジショニングや、プレス時のコースの切り方、アプローチの方向等について、チームメイトやコーチから、度々指示を受けるシーンが見られました。
そのあたりが向上してくれば、シーズン中盤以降、非常に大きな戦力となってくれる期待があります。
一人一人がしっかりと成長し、戦術的にも噛み合えば、シーズン中盤頃には、いよいよ「日本のフィジカルスタンダードを変える」を、J2の舞台でも体現できる可能性があります。
ただしゲームメイクできるタイプの選手は、現状では柴田のみです。
昨シーズンのシーズン終盤、勝負所で上位陣に軒並み破れた原因は、ゲーム中の適応力、修正力など、中盤を中心としたチーム全体の質的な部分の差が大きいと感じました。
メンバーが持つポテンシャルは無限大。しかしまだ若い。そのような中盤の陣容で、相手の「質」にどう対処するのか。
楽しみでもあり、鍵を握る部分でもあります。
⚫︎シャドー/CF
昨シーズンの西川、棚田のような、シャドーが本職!という選手はおらず、適正のある選手が担う形になりそうです。
今シーズンはシャドーが居るシステムを採用しないかもしれませんが、2トップの場合でも、昨年の有馬のように、セカンドトップ的にチャンスメイクのタスクを担う選手がいます。
この項目では、シャドー、またはCFのうちセカンドトップ的役割を果たす選手の候補、ということで挙げてみたいと思います。
昨シーズンは、年間を通して、山口と西川(現C大阪→鳥栖)が担っていたポジションです。
ただし山口は本職は中盤の選手。昨シーズンも、純粋なシャドーというよりは、ボランチのタスクをこなしつつ、攻撃時に高い位置を取るという動きでしたので、今年はCHに割り振りました。
今年、シャドー、またはセカントトップの筆頭候補としては「KING」谷村を上げたいと思います。
なんで昨シーズンのチーム得点王がシャドー(またはセカンドトップ)やねん!と思うかもしれません。
適任が居ないことが一つ。もう一つは、より彼のポテンシャルを発揮できる可能性があるからです。
谷村は、元々得点ありきの選手ではなく、元「国士舘大学の王様」らしい、中盤の選手としてのパスセンス、有馬のようなポストワークができるフィジカル、サイドもこなせる走力など、総合的に能力が高い選手です。
元々の総合力に、昨年開花した決定力。これを両立できれば、全盛期のトッティやルーニーのような、フィニッシュ、チャンスメイクの両面で活躍する、攻撃のあらゆる面で支配的な力を持つ選手になれるはずです。(例えが古いですが…今こういうタイプの選手っているんですかね?)
もちろんゴールも期待していますが、個人的には、例えば14ゴール8アシストのような、得点・アシスト合計で20点以上記録できるような活躍を期待しています。
昨年は、西川や有馬の存在もあり、フィニッシャーを担っていましたが、元々の資質からすると、シャドーまたはセカンドトップが適任なのかなと思います。また、熊田、加藤大、ブワニカら、FWの人員が豊富である一方、シャドー的な人員が薄いため、そこを谷村が担うことで、チーム全体が向上するはずです。
谷村はやはりフィニッシャーだ!今年こそ得点王を狙って欲しい!という気持ちもあります。
では、その場合、誰が前線と中盤を繋ぐのか?
個人的には、新加入の村上に期待しています。
練習見学した際、ボール回し(鳥籠、いわゆるロンドや、ミニゲーム的な練習)で、柴田と並んで判断が良かったのが彼でした。
また紅白戦でも、サイドとボランチの間、またはDFと中盤のライン間など、相手が捕まえづらい絶妙なポジショニングでボールを引き出し、そこからの推進力のあるドリブルで度々チャンスメイクしていました。
大学4年目のシーズンでも、得点だけではなく、それと同程度のアシストも記録していたようなので、フィニッシュ、チャンスメイクどちらもできる選手です。
個人的に注目・期待しています。
もちろん、白輪地にも期待です。いわきFCのFW陣は、高さと強さを兼ね備える、典型的センターフォワードタイプが多いですが、他の選手には無い、ボールを引き出す、または裏へ抜け出すプレーにセンスを感じます。
その強みを、ぜひ発揮してほしいと思います。
数は少ないですが、各選手への期待が大きいポジションです。
⚫︎CF
クラブの各選手への期待を感じる編成です。
昨シーズンの絶対的レギュラー、10ゴールを記録した有馬が大分に移籍しました。またCFの二番手だった近藤も、鹿児島にレンタルで移籍しました。
そのような状況の中でクラブは、新たな有力選手の獲得ではなく、昨年から継続して在籍する選手たちに賭けました。
熊田、ブワニカ、加藤大晟、坂元。全員180cmを超える身長と、高い身体能力を有しており、クラブの決断も納得できます。
ただし、昨年は谷村、有馬の2トップを脅かせる選手が現れませんでした。効果的な交代要員となれたのも、一時期の近藤と、途中加入の熊田だけでした。そのほかの選手は、試合最終盤にトライアル的に出番をもらう形で、スーパーサブ、さらにはレギュラーを脅かす存在にはなれませんでした。
昨シーズン、途中交代選手の得点がほとんどなく、それがプレーオフ進出を逃す要因の一つとなりました。
DFやWBに比べて選手数は少なく、CFは途中交代も多いことから、全員にチャンスがあるはずです。
激しいポジション争いを繰り広げ、それをチームの得点と勝利に結びつけてほしいと期待します。
レギュラー候補の筆頭は、やはり熊田だと思います。
昨シーズン途中の加入以降、クリスティアーノ・ロナウドのような脅威的なジャンプ力と、相手を薙ぎ倒すフィジカルで、強烈な印象を与えてくれました。(フィジカルが強すぎて、理由がわからないファールを取られることが度々ありました)
今シーズンは、そのポテンシャルを結果に結びつけ、2桁、できれば15点以上の得点を期待しています。
他3人も同様にポテンシャルが高く、全員にチャンスがあると思います。
中でも個人的に注目・応援しているのは、坂元です。
私は年数回程度、練習見学に行くのですが、そのたびに坂元が自然と目につきます。
バランスの良い体つき、動きのしなやかさ、ゴール隅に突き刺す鋭いシュート…いつも「あんな良い選手いたか!?あ、いおり君(坂元)か。良い動きしてんな。」と感じています。
今回の練習見学の際も、髪型のみならず、プレーからも覚悟がビシビシと伝わってきました。
紅白戦でも、相当良いポストプレーを見せていました。ただダイレクトで落とすだけでなく、相手を背負いつつキープして溜めを作り、オープンスペースに走りこむ選手にボールを送るなど、質と強度の高いプレーを見せていました。
勢い余って相手DFを倒すシーン(ラフプレーではなく、本当に勢い余ってという感じ)も見られましたが、対戦相手にも遠慮なくガツガツ行く姿勢に、頼もしさを感じました。
ただ、連携面ではまだ向上の余地があり、前線から相手にプレーサイドの制限をかけるプレス(有馬はめっちゃ上手かった)や、ビルドアップ時のポジショニング等について、チームメイトやコーチから指示を受けるシーンが散見されました。(連携面の課題は、ヒョン、石渡、木吹ら若手選手全般に見られました)
高卒後、今年で3年目。昨年は東北社会人1部、弘前へのレンタル移籍も経験しました。
覚悟は十分、しかし自信はまだ無い。という感じに見えました。
途中交代で入って決勝ゴールを決める等、一つのきっかけがあれば、ボンと跳ねそうな予感が、個人的にはあります。
⚫︎まとめと個人的注目選手
練習を見た全体的な感想としては「これは強いチームになる雰囲気があるな!」と感じました。
2023シーズンから応援していますが、以前は練習中、試合中とも、他チームに比べて静かな印象でした。その中で、江川(現 宮崎)、立川、大森(現 今治)ら一部選手の声が目立っていました。
しかし今年は、非常に活気があり、また声掛けの内容も高度かつ細かく、選手が互いに激しく要求しあう姿勢を強く感じました。
この雰囲気で練習を積んでいけば強いチームになるだろうと、率直に感じました。
そして、シーズン前にこんな記事を書いてしまうほと、地元のチームへの期待感を待てること。これは本当に幸せなことです。
結果に一喜一憂する時もあると思いますが、チームの存在と挑戦への感謝を忘れずに、今シーズンも応援して行きたいと思います。
最後に、新加入選手のうち、個人的に注目する選手を上げてみます。
・GK陣全員
コーチングの面も含めて3人の見分けがつかず。立川抜けて大丈夫か?という不安は消え去り、誰が出るか楽しみなった。誰が出でも良いパフォーマンスを発揮してくれると期待。目指せ被シュート決定率8%台以下。
・山田
大森のような、怒気を感じるほどの闘志に好感。対人対応、ラインコントロール共にレベル高い。相対した相手CFに良いプレーをさせていなかった。DFのセンターの座を掴む可能性あり。
・木吹
大きな体をしっかりとコントロールし、ボールタッチも柔らかい。連携が深まれば、中核的選手としての活躍も期待できる。ロス五輪代表になる可能性もあると感じる選手。
・村上
ポジションセンス◎。そこからの推進力のあるドリブルも良い。相手守備のギャップでボールを引き出してくれそう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。