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息吹はどこから生まれるのか?【LAST3GAMESに寄せて】

2024J2リーグも35節を消化し、3試合を残すのみとなりました。

前節、岡山戦での敗退により、数字上の可能性は残るとはいえ、プレーオフ進出は非常に厳しい状況です。

そのような中でも、次節水戸戦のチケットはほぼ完売し、SNSにもポジティブな声が溢れています。

またクラブ側も、ラスト3戦専用のポスター、PVの作成や、連日にわたりVOICEを公開するなど、ファン、チーム共に、厳しい状況を前にしても、期待と熱を失ってはいません。

何故これほど熱狂させられてしまうのか?魂の息吹くフットボール、その息吹は、どこから生まれるのか?ホームタウンの一人の住民の目線から、書き記してみたいと思います。

熱に感化され、勢いそのまま、直書き、First takeで公開します。


〇カテゴリー、立ち位置、己自身…選手全員が自分至上の最高に挑む

・カテゴリーの壁を、チームとともに超えてきた、既存の選手たち


昨年18位、オフには15名が退団。加入選手も、下位カテゴリーからの移籍、大卒新人、「武者修行」的なJ1クラブからのレンタル選手が中心で、元フル代表選手など、いわゆる「大型補強」はありませんでした。

そのようなチームが、何故今年プレーオフ争いに食い込むほどに躍進できたのか?

一言で言えば、所属選手が大幅に成長しているからです。そして、後ほど詳しく触れますが、この選手の成長こそが、息吹を生んでいるんだと思います。

大幅な成長を可能にしているのが、最先端の知見に基づいた、質量共に充実したトレーニングと、そのトレーニングに真摯に取り組む、選手たちの姿勢です。

例えば、チーム内得点王の谷村選手はJFL、同アシスト王の山下選手は、社会人東北一部リーグ時代に加入し、チームと共に自身の所属カテゴリーを向上させてきました。

その過程で、チームと歩を合わせ、選手個々もカテゴリーに見合う、あるいは飛び越えようかという選手へと成長を遂げています。

谷村選手は、JFL、J3時代は控え選手でしたが、走力や体型の課題を克服し、「KING」の呼び名に込められた意味を、走れないことを揶揄する「あだ名」的な意味合いから、真の称号へと塗り替えるほどの成長を果たしました。

山下選手は、東北社会人時代からレギュラーでしたが、昨年までは、走って、奪って、繋いでというタフなプレーと、左足の正確なプレースキックが武器という、玄人好みな(播戸竜二さん曰く「イタリアのボランチ」)スタイルでした。

以前も素晴らしい選手だったのですが、今シーズン途中からは、中盤で前を向くターンや、大胆に展開するパスが見られるようになるほか、プレースキックだけでなく、流れの中からでも正確なクロスを見せるようになる(例 アウェー鹿児島戦)など、さらにプレーに幅が広がりました。

大学卒業時はJクラブに入団できなかった選手たちが、チームと共に成長し、J2上位の得点、アシストを記録するほどの成長を果たす。

そのほかにも、山口選手、有馬選手、加瀬選手、石田選手など、在籍期間中に大きく成長し、主力を担う選手は多数存在します。

自分の課題に真摯に挑む選手と、個人のポテンシャルを最大限以上に引き出すクラブ、その両方に魅力を感じるとともに、ここ福島・いわきが、プロクラブ・選手としての、挑戦と成長の舞台となっていることに、喜びを感じます。

・才能と成長のコラボレーション、J1からのレンタル選手


一方、西川選手をはじめとする、J 1クラブからのレンタル選手も、いわゆる補強選手という位置付けではありません。あるいは、出番を求めてカテゴリーを下げた移籍という訳でもありません。

昨年まではレギュラーではなく、出場機会が限られていた選手たちが、厳しい練習を乗り越えてレギュラーの掴み、J2プレーオフ圏を争う戦いの中に、チームの中心として挑んでいます。

所属元はJ1クラブかもしれませんが、選手個人の立ち位置としては、J2上位チームの主力という現時点が、プロキャリアにおける最高地点となっている選手が多いかと思います。

元々J1クラブに所属する才能を持った選手たちが、いわきメソッドでフィジカルを鍛え上げ、課題を克服して出場機会を得る。そして経験を積み、自信を持ち、成長を果たす。そんな好循環をこのいわきの地で体感できることが、日常を輝かせ、励みとなっています。

また、元々チームとして備えていた強さ、速さに、J1クラブ所属らしいセンスやスキルを加えてくれたことが、今年のチーム強化に繋がったと感じます。

しかし、西川選手や大森選手など主力級の選手を含め、現状では、レンタル選手の移籍期間は今シーズン限りとなっています。

1年間応援してきた選手たちであり、当然、残ってくれることが一番嬉しくはありますが、チームに貢献してくれた、愛する選手たちです。所属元への復帰が望みであるなら、それぞれの望みが叶って欲しいなとも思います。

そして、復帰した所属元で、J1の舞台で活躍を見せる事が、いわきFCの育成力を更に広めることにも繋がります。

おそらく、もう2、3シーズン程度は、選手の出入りが激しい期間が続くと思います。

しかし、レンタル選手の才能と、いわきFCのメソッドのコラボレーションが好循環するシーズンを重ねれば、桐光学園卒業時の西川選手クラスの、世代注目の選手が、ダイレクトにいわきFCに加入してくれる時期が来ると思います。

その時が、チームがもう一段ステップアップを果たせるタイミングだと期待します。

○成長への意欲と姿勢が、息吹を生む


私がいわきFCに惹かれるのは、華麗なプレー、順位、ゴールやアシストなどの数字ではありません。

選手全員が、プレーするカテゴリーや、チーム内での立ち位置などにおいて、プロとして、それぞれの最高地点を目指し、自分自身の課題に目を向け、逃げたり誤魔化したりせず、真摯に取り組む姿勢です。

「魂の息吹くフットボール」が生み出す息吹とは、ここいわきで、選手たちがプロとしての更なる高みへ、手を伸ばし、駆けていく途中、すれ違い、通り過ぎていく時に、その身が切る風のようなものなのかもしれません。

華麗なプレーや、勝ち点、プレーオフ圏入りなど、数字的なものではなく、その息吹に魅せられ、感じたいからこそ、どんな状況でも、スタジアムに足を運んでしまうんだと思います。

〇LAST3GAMES?


たしかに、プレーオフ進出は厳しくなりました。
しかし、何も決まっては、終わっては、失ってはいません。

LASTが3GAMESであることは確定していません。少なくとも、計算上、可能性がある限り、敗戦により、自らそれを手放すことだけは、避けて欲しいです。

仮にプレーオフ圏内を逃しても、クラブ最高成績を目指す戦いは最後まで続きます。3連敗してボトムハーフで終わるのと、トップハーフで終わるのでは、クラブ、選手個人の両面において、評価に大きく響きます。

また、20ゴール、二桁ゴール、初ゴール、初出場、クリーンシート…チーム・個人ともに、目指すべきものは沢山あります。最後まで貪欲に成長と結果を求め欲しいと思います。

何より、 1年間愛してきたチーム、選手たちと、いい最後を迎えたいです。

最善の先に、奇跡を信じて…
とりあえず、水戸戦がいい試合となるよう、期待しています。

○あとがきにかえて


当初は田中選手の引退を受けた記事を予定していましたが、PVやポスターの公開、チケットが売り切れている状況を見て、シーズンを振り返るにはまだ早い!と思い、別記事を書き起こしました。

田中選手の記事は、シーズン最終戦前後(11月10日?12月7日?)に改めて公開したいと思います。

普段相当読み直し、書き直さないと記事が仕上がらないのですが、今回は一発書き、First takeで公開してみました。いつも以上に稚拙な文章かも知れませんが、ご容赦ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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