季節の狭間に、僕は「白い朝に咲く」を聴きたい
「なんで精神が死んでる時って、シューゲイザーがこんなにも響くんでしょうかね〜」
徳島県出身。この字面を見ただけで、なんか期待感を持ってしまうし、妙にハードルが上がってしまう。
が、音源を聴いた瞬間、そんな心配は杞憂に過ぎなかったと気付かされる。
伸びやかな歌声に、軽やかかつ幻想的なバンドサウンド。
乾いた心に染み込んでいくような、そんなバンド「白い朝に咲く」。バンド名の字面を見ただけでも、心の澱みが流れていくような、そんな感覚を想起させる。
これもまたApple musicのランダム再生で急に流れてきた。
たしか群馬の館林付近に、仕事をほっぽり出して運転していた時だったような。
その時聴いていた曲は、アルバムlimino(us)に収録されている、9383という曲でした。
ミドルテンポなアルぺジオから始まるこの曲。
そうそう、こういうのがいいんですよ…! もう正解でしかない。シンプルで余計な音がなくて、それでいて感情を揺さぶってくれる。
大好きですありがとうございます。イントロだけで好きが確定してました。
そして、素敵すぎるイントロに乗っかる透き通った歌声。
大人になっていろんな音楽を聴いてきて、気を衒ったものや、目新しいものでしか興味を駆り立てられないことが多々あったけれど、
「白米、味噌汁、漬物ドン!!うまいだろ!!だって素材が良いもん!」
って感じな曲でもまだまだ美味しい!って唸れる自分に拍手!(例え悪すぎんか?)
アルバムlimino(us)全体を通して、どこか寂しく儚げな印象を持たせつつ、ほんのりとしたシューゲイズ感に、ボーカル河野多恵さんの力強く心地よい歌声が相まって、なんとも耳が幸せになる仕上がりになっている。
夏の夕暮れ、ちょっと遠出して遊び疲れて、車内で涼しい風にあたりながら、沈みゆく空と色づく景色を見ながらこの音楽を聴きたいと思いました。
気になって色々バンドのことを調べていくと、このバンドの全身は血眼というバンドだったらしい。
血眼!?なにごとですか??デスコアとかポリティカルパンク系ですか??
ってか「血眼」→「白い朝に咲く」って印象変わりすぎでしょ。
中学生まではゴリゴリにヤンチャだった女の子が、成人式に会ってみたらめちゃくちゃ可愛らしい女の子になってた的なアレですか??大好きです!
血眼時代の楽曲を調べてみたけれど
んっほぅ….めちゃくちゃ良いじゃないですか…!
純度高めな3ピースガールズバンド。間違いなくあのレジェンドに影響を受けているであろう中に、彼女達のエッセンスが取り入れられて、とても素敵。
Apple Musicに唯一収録されているアルバムWhiteoutを聴いてみたけれど、疾走感あり、じっくり聴かせるのもありで、ふつーーーに全部良い。
確かに血眼時代を聴いてから、白い朝に咲くを聴くと、2000年代後半のガールズバンド感をうまく打ち消していて、令和のバンドという感じがとても好印象だと感じる。
路線変更ってどう考えてもすごく難しいし、アーティスト当人達が影響を受けてきた音楽や、時代背景ってのがあるなかで、今の時代の流行り廃りに順応するのって一種の博打だと思うんです。
そんななかで、今流行りというか受け入れられつつあるシューゲイザー感を白い朝に咲くとして取り入れて、こんなにも素敵な楽曲達を作れるのは本当にすごいなと思った。
血眼だが、なんと彼女達のキャリアは2012年8月結成とかなり長い。
そこからフロントマンの河野多恵さんを残し、メンバーチェンジを経て白い朝に咲くとして2017年に始動。
そして体調不良での活動休止期間を経て、2022年に1stアルバムlimino(us)をリリースという背景。
参考:
これは応援したくなる..!
もちろん白い朝に咲くになってからの、落ち着きのある楽曲も良ければ、血眼時代の疾走感あるバンド系のサウンドもぜひ今の編成で聴かせてほしい。
と思ったら、シングルで配信されている「日々の泡」の一曲目、「プールヴィルの浜辺」という曲は、唯一バンド感強目でとても良かった。
河野多恵さんの声は伸びやかだしシューゲイザー系にも、ストレートなロック系でも何にでも合うなぁ。
こういう話をしていていつも思うのは、やっぱりきのこ帝国の佐藤千亜妃って異次元だなと..。
これからまたライブや曲のリリースなどに期待して、白い朝に咲くを追っかけて行こうと思います。
夏に出会えて良かった。
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