「どうすればよかったか?」
朝から観るには、とても重い映画です。
映画と言っても、これは完全なドキュメンタリーです。
統合失調症になった姉を巡る家族の二十年にわたる様子を、弟が記録したものです。
どこか自分の家族との共通要素も見え隠れします。
家族。
この言葉に対する私の複雑な思いが、ひとつの形として表現されたような印象を受けました。
どうすればよかったか?
という問いに対して、明確な答えはきっとないのだと思います。
ただ考え続けることが、唯一できることなのではないでしょうか。
そういう意味で、このドキュメンタリー映画に登場する家族は、立派です。
家族とは、
一番近しい、愛憎が入り混じった他人の集まり。
家族とは、
自分を守ってくれる繭にもなれば、
閉じ込める監獄にもなり得るのです。
途中、何度も大きな邸宅の外観が映し出され、その家の中で人知れず起こっていることとの対比を味わわされます。
外見からは想像もつかない様々な事情を抱えて人は生きているということも、改めて痛感させられました。
二十年の記録を映画として公開する意思を告げる弟と父の対話であるラストシーンが、今も胸にずんと残っています。
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