「シビル・ウォー アメリカ最後の日」
映画を観終わって、こんな重苦しい気持ちになったのは久しぶりです。
世界の現状が、アメリカに凝縮されたようなストーリー展開とシーンの連続。
タイトルやあらすじから、ある程度の心の準備はして観に行ったつもりでしたが、それをはるかに超えるような圧迫感と恐怖感がありました。
思わず声が出てしまったシーンもありました。
息つく暇もなく、ただただ、目の前の惨状に流されてしまうだけの無力な自分。
今、世界のあちこちで散見される人々の分断の波が、いづれ自分をも飲み込んでしまうだろう肌感覚を味わいました。
その時がきたら、自分に何ができるだろうか。
何もできそうにないとしか思えない自分に、また戦慄します。
分断は、自分とは別世界のどこか遠い場所で起きていることではないのです。
まさに今、この瞬間にも、私の心の中にも、あなたの心の中にも分断が起きています。
ただ、幸運にも平和な社会で生きていられるうちは、分断と修復を繰り返し、表面化しないだけなのです。
心の中では、誰もが、憎悪や妬みや差別感情を持っています。
分断が起きるのは、誰かのせいではなく、自分のせいなのです。
そこをまずしっかり自覚し、目をそらさず、向き合う必要があると強く感じました。
どこまでそれが自分にできるのか。
その一点に自信を持てない自分の弱さが怖いのです。
性善説とか性悪説とか二分的な考え方は的外れです。
人はみな両方を不可分的に内包しているのです。
そして、この自分の内からわき出てくる醜さの方が、逃げられない分だけ、何倍も怖いのです。
もしこの映画を観に行かれる場合は、精神状態と体調がいい時に行かれることをお勧めします。
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