人生の組合せ
なーんにも才能を持たずに生まれてきました。そのままでは、ただの真っ白なキャンバス状態です。
そこに、人生経験を積んでいくに従って、
好きなこと
嫌いなこと
得意なこと
苦手なこと
が分かれてきます。
この組合せには、
好き 得意
好き 苦手
嫌い 得意
嫌い 苦手
があります。
この四つの組合せの内、
好きで得意
嫌いで苦手
には悩む余地はありません。
好きで得意ならまっすぐその道に進めばいいし、嫌いで苦手なことは、無視してしまえばいいことです。
ところが、
好きだけど苦手
嫌いなのに得意
という場合は、迷路にはまりやすいです。
好き=得意ではないところが、面白いところでもあり、人生の悲哀がうまれるポイントでもあります。
好きだから上手くなりたいし、できればそれを仕事にしてお金も稼げれば人生万々歳なのに、そううまくはいかない。
そもそも、好きだから上手くなるはずとは限らないところが、納得のいきにくいところです。一回、そこで気持ちが折れてしまいます。
人生の本領を発揮できるかどうかは、そこからの生き方が勝負なのかも知れません。
大まかには、ふたつの道に分かれます。
好きだけど上手くならないことに引き続き情熱を傾けて、そこそこできるようになって、そこそこ生活もできるようになる。
もうひとつは、嫌いだけど得意なのでその能力を伸ばし、安定した生活を得る。
どちらも有効な選択肢ではあります。
迷路にはまったまま出てこられないようにならないために考えておかないといけないのは、「好き」と「安定した生活」のバランスです。この二つの要素のうち、どちらが究極的に自分にとってより大事なのかを決めることです。
好き > 安定した生活
なのか、
好き < 安定した生活
なのかを決めるのです。
そして最も大事なのは、どちらかを選んだら覚悟を決めることです。
好きを選んだら、安定しない生活に怖じ気づかない。
安定した生活を選んだら、やれこの仕事のここがいや、あれが嫌いと四の五の言わない。
覚悟を決めてしまえば、あ〜ら不思議。どちらの道を選んでも、結構幸せになれるのです。
それもそのはず。そもそも、初めの四つの組合せは、頑丈な境界線ではっきり分かれているわけではないからです。好き嫌いにも、得意苦手にも無数の濃淡があるからです。
そして、覚悟という魔法の一滴で、自分の人生に最適な混合具合で玉虫色ができあがって、人生を終える頃には、ほかの誰にも描けなかった色合いでキャンバスを埋め尽くすことができるのです。
真っ白なキャンバスがどんな色合いのキャンバスになるのか、人生の終わりに一番のご褒美が待っているのかも知れません。