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秋の午後とコーヒー

何回こうやって空を見上げただろう。

仕事を無事に終えた満足感に浸ってコーヒーを飲みながら空を見上げる瞬間は、仕事を頑張った最も大きい報酬のひとつです。もちろん金銭的な報酬は生活のために必要です。でも、精神的満足感なくして、仕事は続けられませんし、いい仕事もできないと思うのです。

コーヒー片手の青空は心の栄養になります。

201025-2-秋の空とコーヒー.

田舎育ちの私が大都会の東京に出てきてまがりなりにも仕事を続けてこられたのは、様々な出会いや幸運に恵まれたからです。そのことに心から感謝しています。

たくさんの人が行き交い、それぞれに、忙しそうです。
電話で話をしながら急ぎ足で歩く人。
スマートフォンを片手に、道端にしゃがみ込んで書類を広げている人。
カフェのテーブルの上に置いたラップトップ画面を真剣な目でのぞき込んでいる人。

みんな頑張っています。

私もそのひとりでした。ただ必死で仕事のために読まなければならないたくさんの書類と格闘してきました。インプットした情報をこぼさないように、そーっと頭を抱えるように電車に乗っていました。そうやってがむしゃらに頑張る時期が人生には必ずあります。それが経験にもその後の人生の肥やしにもなります。

辛いことや悔しいこと、自分の情けなさに挫けそうになることもたくさんありました。でも、おいしいコーヒーを飲みながら、こんな空と雰囲気を味わえるのなら、やっぱり、続けてきて良かったと思ったものです。

人生にはいろんなステージがあります。

助走期間にあたる学生時代から、社会に貢献するためにがむしゃらに頑張るステージに移って、さてこの次はどんなステージなのでしょう。胡弓の演奏が静かに流れるこの空間に座っていま考えるのは、そのことです。

社会に育ててもらったのだから、これからは、社会に恩返しする時のような気がしています。もっとじっくり自分の本心に真っ直ぐ向き合って、そこで再発見したことを深めていく時期が来たような気がしています。

今まで見上げてきたたくさんの空を思い出しながら、次のステージへ。

そう思えた秋の午後です。

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