絵本「つきよのふたり」
つきよに、いろんな「ふたり」がなかよしだと羅列してあるだけの絵本です。
その「ふたり」とは、人と人ではなく、
「生きもの」と「もの」
だったり、
「もの」と「もの」
だったりします。
人はいっさい登場しません。
たとえば、こんな感じです。
文字だけだと想像がしにくいかも知れません。是非、絵本を読んで、というより、観ていただきたいです。なぜなら、絵と文字がひとつの絵になって、心にすっと入ってきて、なかよしの度合いが瞬時に伝わるからです。
ネコが灯籠に体をすりつける様子。
雨で濡れた傘が、ものほしにぶら下げられている様子。
読み進めるほどに、気持ちがほっこりして笑顔になっていきます。
そうか、外見はどうであれ、「もの」にも魂が宿ると考えれば、魂と魂の触れ合いなら、なかよしになれる可能性があるのかも知れないと思えてくるのです。
月の光が、ものや生きものの本質を引き出すのか、夜は昼間より少しだけ心許なさがあって、それぞれの「もの」たちが、相手に心を開きやすくなるのか。
いろんななかよしが数珠つなぎになって、夜が明ければ、少しだけ生きやすい明日になっているような気にさせられます。
道ばたに転がっている石と草が、昨夜はおしゃべりしていたのかも知れないと想像しながら仕事に向かうのは楽しそうです。
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