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業界・産業の未来をユーザーとともに創っていくコミュニティマネジメントとは? (後編)

建設建築業界の現在や一歩先を伝えるコミュニティサイト『ANDPAD ONE』、建設DXをリードするプレーヤーが業界のリアルな最前線の視点や未来の課題について伝える『ANDPAD ONE CONFERENCE』、ANDPADユーザーを表彰し称賛するユーザーコミュティの祭典『ANDPAD AWARD』。これらは、ANDPAD ONEグループがミッション実現のため運営しているサイトやイベントです。ANDPADユーザーとの取り組みを通してコミュニティの構築を行い、ユーザーへの価値創出と業界発展につなげていく、とコミュニティマネジャーを務める平賀さんは語ります。後編では、コミュニティを通して実現したい世界、それを実現するための施策やアクションについてインタビューしました。

※本内容はWantedlyに2023年10月に公開した記事を転載

※前編はこちらから

平賀豊麻 ANDPAD ONE責任者
2018年5月に株式会社アンドパッドに入社。インサイドセールスの一人目として、IS組織立ち上げを行う。その後コミュニティマネージャーに就任。ユーザーコミュニティの創設・醸成に日夜奔走。


課題とこれからやるべきアクション

━前編のインタビューにてONEグループのミッション及びアクションの全体像が見えてきたかと思います。現在の様々な取り組みにおいて感じている課題はありますか。
まず前提として、ONEグループのテーマは『伝える』です。主に3つの観点をベースにコンテンツを制作しています。ANDPADをどう使ったらより良くなっていくのか、課題や取り組み結果を含めたプロジェクトからの観点、お客さまの「売上を拡大したい」「地域へ貢献したい」などその志向性や文化を汲み取る観点、そして、なぜこの取り組みを今やるべきなのか、他の会社も学んだほうがよいのではなど産業全体を前進するための観点、などです。
制作観点をベースに、ANDPADでの変化や届けられた価値などユーザー体験をしっかりストーリーテーリングし、一次情報として正しく適切に読者に届け伝えていくことが求められていると思います。

━もう少し具体を教えてください。
これまでも『ANDPAD ONE』では、その3つの観点でコンテンツを数百本作ってきました。とはいえ、一部の業界・業態に向けては、コンテンツが足りていませんし、これからも書き過ぎだと言われるぐらいに、3つの観点で徹底的に深ぼりして骨太のコンテンツを制作する必要があると感じています。例えば、ある業態においては、業務効率化などの便益についてのコンテンツはできていますが、ストーリー性が高いものはまだ足りていない。またコンテンツも点になってますので、線に繋がる形で見せていきたいですね。

━こちらを担当するのは記事の編集担当ですか。
そうです。こちらの編集担当が各自テーマを持って年間を通して取材活動できる体制の構築も必要だと感じています。しっかりと編集体制を構築していくためにも、編集担当のメンバー強化も実施中です。

━より骨太の記事を安定して制作していくために編集体制の強化が必要ということですね。先ほどのコメントで届けるというワードがありましたが、これはサイト上でのマーケティングを指しているのでしょうか。
サイト上だけではなく、オフラインも含めて届ける仕組みやフローの整備、及び構築が必要ですね。まずオンラインで考えると、数値目標を定め、そこから導き出した戦略立案、チャネルとしてのメルマガなどのCRM運用や分析などです。現状の体制上、コンテンツ制作に重きをおいているため一定仕方ない部分はあるものの、オンラインでもまだまだやれることが多々あると考えています。

━制作したコンテンツを着実に見てもらうための導線を設計していくわけですね。
オフラインの観点だと、ANDPAD導入時にユーザーである職人さんとリアルにお会いする説明会の機会が、自社には年間数千回あります。計画中ではありますがカスタマーサクセスの方々と連動して、説明会でONEとの接触機会をもってもらおうと考えています。

━「記事を読んでください」と宣伝するイメージですか。
単純に読んでほしいと伝えるのではなく、ユーザーさんにANDPAD利用についてポジティブなマインドをもってもらうために、「ANDPADを正しく使うためのONEはお助け役なんだ」「ONEを読むことには、メリットがあるんだ」と思ってもらうための案内誘導ですね。自発的にONEに触れるようにそっと後押しになるような施策を検討しています。

━様々な施策を検討中なのですね。
前提はこのような施策を検討中ではありますが、既存の枠組みと全く異なるアプローチを検討しても構わないと思っています。例えば、ANDPADのユーザーの皆様を対象に商売しているメーカーなどとタイアップするのもひとつですよね。ONEの露出や流入経路を増やすなど、接触機会についてはこれまでにない新しい手法を検討していくのも面白いかと思っています。

━既存の枠組みにとらわれずアプローチを検討していくと。
この領域は主にマーケター・グロースハッカーの業務にはなってくるかと思います。ONEへの流入経路は様々あり、サイトに訪れたユーザーさんをコンテンツに誘導し、ユーザーさんがANDPADを正しく利用していくために自走できる仕組みを提供する。つまりONEのコンテンツを見て学習していけると感じて認識してもらうことまでが体験価値だと考えています。

━取り組むべき課題が明確に見えていますね。
「ANDPADを使ったほうが良いよね」という認知及びベクトルを高めていくためには、コンテンツを作る・届ける、コミュニティの形成においても、起爆剤となりうるものを群発的に生みだしていく必要もあります。

━起爆剤で流れを作り、変えていく。適切な記事コンテンツを届けることで変化をもたらすことはイメージできたのですが、コミュニティ形成の点ではどうでしょうか。
これは私の実体験の話です。代表の稲田から「コミュニティマネージャーをやってほしい」と任命され、あるべきポジションの役割が右も左も分からないためひたすらお客さまと関係値を構築し仲良くなるという活動をしていました。

━取材活動やカスタマーサクセスとの連携したアクションですか。
そうです。その活動の中で地方の自然素材を売りにしたある工務店さんの代表と、意気投合して深い信頼関係を構築できました。それによって、工務店の代表で繋がっているネットワークの会合に呼んでいただいたり、工務店しか参加できないイベントに招いていただけるようになりました。

━通常、同業社しか集まらないイベントに招かれることは少ないですよね。それはコミュニティの信頼関係構築につながる大きな変化ですね。
そうですね。これができたのもお客さま1社1社と向き合い丁寧に関係値を構築して信頼を得た結果だと思います。このような動きもコミュニティマネジャーの役割ですし、業界の先々を一緒に考えていくようなアクションも求めていきたいと思っています。住宅業界だけでなく、ゼネコン、専門工事など各セクターや商圏でのコミュニティ形成をやっていくのも大きな課題ですね。

業界の未来を業界とともに歩み、作る

▲ONEグループのメンバー

━課題とそれに対する打ち手やこれからやろうとしているプロジェクトなど、ONEグループがコミュニティを通して果たす役割が理解できました。現在はどんなメンバーが活躍しているのでしょうか。
私がコミュニティマネジャーとしてコミュニティ運営全般を担当しています。イベント企画や設計、コンテンツ編集など、他、編集担当兼オフライン施策を担当するメンバーや編集担当が所属しています。

━ONEグループでパフォーマンスを発揮していくために共通して求められるスキルや経験はありますか。
一つは強い原動力を持っているかですね。ONEの仕事はどれも明確な答えがあるわけではありませんし、全て型が決まった仕事をしていくわけでもありませんから、正直カオス耐性を求めることもあります。その中においても、自分の中に原動力になるものは必要ですね。例えば、「これまでの編集の経験を活かして、コンテンツを価値として届けたい」「業界のペインを取り除きたい」「編集という手段を用いて、○○を実現したい」などですね。もちろんアンドパッドと親和性が高ければマッチ率は高いと思います。

また、ONEでの施策・プロジェクトそれぞれに、自分なりに意義を見つけ、意思を持ってやり切る志向性は必要かもしれません。というのも、生意気な話かもしれませんが、業界の発展や産業構造の変革を実現していくためには、建設業界のあるべき未来の姿を定義していくのも我々の使命ではないかと考えています。それは、長期戦で、アンドパッドだけでなく、ユーザーの皆様や業界、メディアと三位一体で未来を描き実現に向けて歩んでいく。正解が見えないことばかりですから、強い意志は持ってもらいたい、と思っています。

━原動力と強い意志ですね。ちなみにONEでの業務の魅力はどのあたりに考えていますか。
コンテンツ制作におけるクライアントワークと比較すると、大きな違いは社内のメンバーとのコミュニケーションです。イベントやコンテンツ制作においてカスタマーサクセス、マーケティング、セールスなどのメンバーとコミュニケーションをとり、意見やアイデアをとりいれながらより良いものを作っていく楽しさがあります。

また、お客様や職人であるユーザーさんに届けるのは前提ではありますが、インナーコミュニケーションの観点で社内のメンバーにも認知を高めていく役割を担っているのも特徴かもしれません。コンテンツやイベントによっては、自社メンバーにおいて業務の新しい気付きや提案のヒントなどに繋がる可能性があるからです。

あとは、セールス、プロダクト開発、サクセスのメンバーなどバトンをつないでくれたおかげで成り立っている前提になりますが、記事やイベントに協力いただくお客様は、ANDPADに対してエンゲージメントが高いお客さまばかりです。そのため、ANDPADへの感謝や喜びの声をいただきながらお客さまとコミュニケーションがとれるのも面白さにあります。

━なるほど。お客さまの喜びの声をダイレクトにもらえる機会はありがたいですね。
本当に貴重かつ、ありがたい仕事だと思います。そのような感謝の気持ちを記事やイベントなどで自社のメンバーや他のお客さまに循環しながら届けていく。そのためには1社1社のストーリーをミルフィーユのように積み上げていきながら、コミュニティを形成していく。私たちのミッション『幸せを築く人を、幸せに。』とあるように「作り手の幸せって、こういうことなんだよね」を言語化、具現化していくことをONEの活動を通して実現していけたらと思っています。


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