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平和好きな僕らは、みんなそこそこ喧嘩する(BOOKS ON JAPAN)

 2020年4月14日

会社のパソコンを開けばそこは仕事場だった、とはならない。朝の光が空を高くする。リビングでは妻と次男が喧嘩をしている。
 騒々しいリビングから長男がやってきて、部屋のドアを開いた。南側の窓に差し込む、日差しの暖かさがわずかに流れて来る。長男は微妙な顔をしている。
「勉強は四年生の復習でいい?」と尋ねてきた。勉強をしてからゲームね、と言ったので彼は言葉を守る。愛らしい。
 勉強をしてからね、こんなにつまらないことを言う日が来るとは思いもしなかった。つまんない父。もう2か月近く勉強をしていないし、彼の脳みその心配なのも事実。いつのまにか父だな、と思う。
 リビングではいまだ喧嘩の声が続き、昨日も喧嘩してたな、と思い、その前は私と次男が喧嘩したな、と思った。長男と次男はいつも片時も離さず喧嘩をしている。わあわあと怒鳴りあう隣の部屋でzoom会議をしている。

 会議が終わるとリビングには誰もいなくなっていた。長男と次男、仕事が休みだった妻が公園から帰ってくる。お昼ご飯を食べて、再び仕事に戻る。コーヒーを飲みにリビングへ行くと、妻と次男が寝ていた。外の日差しが部屋へ差し込み暖かそうだった。薄目を開けた妻に長男を尋ねると、外へ出かけた、と言った。

 夕方、仕事が終わる頃、次男と長男がまた喧嘩をする。妻が怒る。次男は大泣きする。長男も泣いている。仲直りしてお風呂に入る。夕ご飯を食べ、テレビを観る。あまり面白い番組がやってない。暇だとお腹が空く。ご飯を食べたばかりなのに、お腹が空いた、と長男、次男、私が言うので、妻はキレる。一人でお菓子を食べようとする。家族で奪い合いをする。

 夜9時になり、走りに出かける。10キロくらいのつもりが15キロ弱走った。夜は寒かった。日中と違い、夜はほとんど人が走っていなかった。

『BOOKS ON JAPAN 1931-1972』
森岡督行 ビー・エヌ・エヌ新社

 品切れ重版未定の自社の本。銀座に「森岡書店」を構える森岡督行さんが所持していた戦前、戦中、戦後の対外宣伝グラフ誌を収録した一冊。日本の総力を上げて作られたそれらの雑誌は善悪はとりあえず傍に置き、とにかく美しい。ぱっとページを開き、森岡さんの解説を読めば、錚々たる名が連なる。
名取洋之助、木村伊兵衛、熊田千佳慕、藤本四八、土門拳、多川精一、原弘、林達夫などなど。キリがない。
 多額の資金を注ぎ込み、日本の威信をかけて作られたグラフィズムは、ダイナミックであり繊細で、今では決して作ることはできないだろう、凝りに凝って作られている。戦争とは一体なんだろう。

 東方社の『FRONT』はその中でも際立って美しく、お金がかけられている。戦争末期の最中、貧乏は敵だったんじゃなかったっけ、ずいぶんと、お金をかけたものだ、と呑気に思っているところに、森岡さん独自の視点で書かれた「FRONTとスパイをめぐる妄想」。まるで陰謀のセオリーみたいだ。

 森岡さんは同郷、山形の方。本書に名前がよくでる写真家、土門拳も山形生まれ。大東亜共栄圏、世界最終戦争を唱え、満州事変を謀った石原莞爾もまた、山形で生まれた。
 戦争と山形。現代に続く1本の線上に波線のように、山形の名前が所々に出てくる。これは余談。私が山形県生まれだから。

 土門拳記念館はとても良いところにあるらしい。まだ行ったことがない。加茂水族館も衰退していた頃しか知らない。
 ゴールデンウィークに山形帰ったら、行こうかな、と考えてしまう。今年は帰れなかつた。肝に銘じないと、ゴールデンウィークだーって浮かれて行ってしまいかねない。

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