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アンドビールのカレー:ケララチキンとチェティナードチキン

 ケララチキンはアンドビールの定番カレーの一つ。
ケララって何ですかってよく聞かれます。南インドのKerala州のチキンカレーなのでケララチキンカレーです。今までケケラチキンって言われたことと、ケラケラチキンって言われたことがあります。確かに「ケララ」って何やねんって感じですよね。地名なんで覚えてもらうしかないですけど。
 最初はケララって何!?ってなってたお客さんもだんだん覚えてくださって、最近は「ケララください!」って言ってくれます。嬉しいです。ケララというフレーズの市民権獲得に一役買っている気がします。言い過ぎか。

 一方でチェティナードチキンカレーはたまに作る存在です。マトンビリヤニを作るときに合わせることも多いです。こちらもチェティナードって何やねんって言われがちです。「ケララ」よりむずいですね。噛みそう。お店ではチェティって呼んでます。

 両方とも2018年の3月〜4月に南インドの旅にて学んだ料理で、帰国後からお店で作り続けてます。
南インド滞在では主に2つのコンセプトがありました。
・タミルナドゥ州チェティナード地方の料理を学ぶこと。
・ケララ州の料理を学ぶこと。
それぞれに2週間ずつ使った4週間の旅でした。

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 最高すぎる旅で、色々と学ぶことがありましたが、ここでは割愛。
その旅の結果、2つの州のそれぞれのチキンカレーをまずはお店で出し始めました。

 (↑チェティナード料理を教わってるの図)

 

 僕の中ではチェティナードチキンとケララチキンは対の存在です。
南インド最南端州の東側、西側のカレー。
ココナッツを使うなど共通点はあるが、バチバチ系とサラサラ系という対をなしています。
まるでポケモン赤緑。メダロットカブトクワガタみたいな感じです。
ちなみに僕はポケモンより、メダロットの方が好きです。

 チェティナードチキンカレーは焙煎したスパイスを使ったスパイスペーストでリッチに攻めるのに対して、ケララチキンカレーは生姜、青唐辛子、トマト、ココナッツミルクを使って爽やかな辛さが特徴的な味わいです。

 両方たくさん作ったのですが、作り続ける中で、チェティナードチキンは日替わり枠。ケララチキンは定番枠になりました。

 (↑ケララチキンと南インドなおかずたちのプレート)
 ケララチキンは2つのホームステイ先でそれぞれ教わったのですが、両方ともすごくあっさり、すっきりとした味わいでとても美味しかった。これは味噌のドライキーマと合わせるとフュージョンするな、と思いました。
それは大あたり。甘めでコクのある味噌キーマと、爽やかな辛味がありサラサラとしたケララチキンのあいがけは相性バッチリ。

 (↑味噌キーマ×ケララのあいがけ)
 作りかたもいたってシンプル。いかにも家庭料理なところがお気に入りです。お店では醤油を加えたり、ちょっとだけリッチな感じにしていますが。ケララチキンは毎日のように作っています。相棒みたいなもんです。

 チェティナードチキンはというと、ちょっとめんどくさい存在です。
スターアニス、ポピーシード、ペッパー、クローブなど多くのホールスパイスを焙煎して、ミルで挽いて、ココナッツとともにペーストにします。これが大変。でもとんでもなくいい匂いがする最高な時間が流れます。


 このスパイスミックスをうちではチェティナードMIXと名付けていますが、これを作ることからカレー作りが始まります。このペーストをベースに鶏肉は博多の水炊きや、韓国のタッカンマリで使うような”骨つきぶつ切り肉”を使ってカレーに仕上げると最高に美味しいです。

 (↑チェティナードチキン&南インドなおかずたち)

 カレーの風味は焙煎香で豊かで、味わいは濃厚でリッチ。バターやヨーグルトを使う北インドのリッチさとは違いますが、何ともストイックなリッチさ。個人的には毎日食べるには少し強いので、自然と定番づかいから外れ、日替わり枠になりました。

 チェティナードチキンカレーはたまに作る存在ですが、このチェティナードMIXはアンドビールにいろんな料理に転用しています。チェティナードMIXカリーブルストや、スパイス牛すじ煮込みなど。焙煎香と複雑なスパイス感を料理にもたらしてくれて、一気にオリジナリティを加えてくれる。まさに必殺技みたいなもんです。
 チェティナードMIXカリーブルストなんて、なかなかの発明だと思います。。。世界料理を融合、融合。それで世界初を生み出すことができます。ドラクエモンスターズでゴールデンスライム作った時を思い出します。もしくは遊戯王カードか。

 (↑チェティナード牛すじ煮込みとチェティナードカリーブルスト!)

 2つのカレーだけでなく、南インド料理のスタイルを一通りアウトプットすべくミールスも定期的に開催していますが、ミールスの時のメインカレーは2つのどちらかにしています。

2つのカレーはまさに「旅×実践」のたまもの。インプット無くしてアウトプット無しなカレーです。
こういうことがあるから旅はやめられませんよね。
旅できなくなったら、僕はきっと生きていけません。

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