交通事故を見かけたときの手順(車対歩行者版)
先日交通事故の目撃と救護の手伝いをしました。私は何でも首突込みがちなのと、やっぱり事故現場を目の前にすると体は震えるので、イメージトレーニングのためにやったことを書き留めようと思います。
要救護者の発見
自己発見→救急車の要請
車で運転中、信号は青なのにかすかな渋滞。なんかあったかな?と進んでいくと道端に何か落ちてる。この何かを「おばあさん」だと認識した瞬間からまずは「この場で一番頼りになるプロは自分だ!」と暗示と覚悟を決める。車を安全で邪魔にならないところに駐車する。初めから後で動かさないでいいところに置くのが大切。後で動かす暇はない。今回はコンビニの駐車場を拝借。
車を止めたら「スマホ」をもってすぐに要救護者の元へ。要救護者(おばあさん)とおばあさんに呼び掛けているおじさんと、スマホで電話している人を認識。スマホで電話している人は救急車を呼んでいることを確認。今回は事故の運転手がスマホで救急車を呼んでいたので私からは通報せず。
消防への通報
通報したら消防指令は必ず「こちらは消防です。火事ですか?救急ですか?」と聞く、ということを覚えておけば、「救急です」とすぐに言える。パニックになると、「あれ、火事の時と番号を間違えた!」となってしまうこともある。「警察にも電話しないといけない!」と思うが、救急車の要請時に「交通事故です」といえば、消防から警察に連携してくれるので警察は勝手に来てくれる。
事故の当事者(特に加害者)が救急に電話している場合は、電話番号等身元が消防に記録されるので、ナンバーなど覚える必要はなし。運転手が呆然としていて動けない場合は通報とともに消防に車のナンバーのメモを依頼する。
今回は当事者が通報しているので、聞き耳を立てながら要救護者の容態を確認する。聞き耳を立てながら、というのは、消防指令が聞いてくることは大体決まっているから。
まずは救急車が向かう先を伝えないといけないので、近くにバス停や電信柱やチェーン店のお店がないか確認。今回はバス停の前だったのでバス停を指さしながら「ここは〇〇のバス停の前です!」と叫ぶ。(通報者はだいたい「えっと…ここは…」とキョロキョロしてる)
「意識はありますか?」とか「出血はありますか」とか「性別は?」とか「何歳くらいの?」とか大体決まったこと聞かれるので、聞かれた時すぐに答えれるように順番に確認していく。
応急処置
意識の確認
まずは意識の確認。大きな声で「おばあちゃん大丈夫?!」と叫んだら、はっきりとした意識で返事があった。意識があればまずは一安心。なければすぐにAEDを探しに行くor探しに行ってもらう必要がある。AEDはすぐには見つからないし、この後の都合上「意識がない場合」はとにかく人を集める必要がある。
意識がある場合
意識があれば交通事故の場合、腰や頭を打っている可能性があるのであまり動かさないようにする。冬のアスファルトの上で寒そうだったので、とりあえず自分の上着をかけた。
今回は道路の片隅で夜中だったため、二次災害を防ぐために発煙筒で後続車両に注意を促す。発煙筒は5分程度燃え続けるので、道路の真ん中にポイっと投げておく。発煙筒のつけ方は説明書きを読んでおきましょう。普通の発煙筒なら、キャップを開ければキャップ側に発煙筒本体がついてくるので長いケースをキャップにかぶせて持ち手にする。発煙筒の中身のキャップかケース本体に頭薬がついているので、それで発煙筒を軽くこすると着火する。「発煙」するので、あまりけが人の近くに置きすぎると煙たいので気を付ける。昼間でも発煙筒目立つので便利。救急車が来る時ののろしにもなるし。どんどん使おう。
あとは消防に引き継ぐために、出血の有無を見たり、本人の意識レベル(そもそもしゃべれるか、痛みで顔はしかめているか、目は明けれるか、名前や生年月日は言えるか)を確認したりしたら、救急車が来るまでとにかく励まし続ける。「今救急車呼んだからすぐくるよ!サイレンが聞こえ始めたよ!すぐ病院いけるよ!」と励ます。大きな声で励ますと自分も励まされる。
(この時に出血があったらむやみに血液に触らないように。止血の必要があれば触るのは止む無し)
止血は大きな血管とか、そもそもどこから出血しているのか、とかわからないから、とにかく血が出ていそうなところに布をかぶせて強く抑える。とにかく強く抑える。離したらまた血が出るので一度押さえたら患部を確認しない。押さえ続ける。強く抑えてもどうしても止まらなければ、出血場所を間違えているかも。それでもだめなら間接圧迫止血を試すが、やり方は消防指令に電話口で聞くのがgood。思いのほかすぐに救急車が来るから救急隊にバトンタッチ。
意識がない場合
本当に意識がないか確認する。声かけるだけだと足りなくて、強く肩をひっぱたきながら声をかける。本当に意識がなければ微動だにしない。次に仰向けに寝かせて呼吸がないかサクっと確認する。「なんだか呼吸がない気がするな」と自分が思ったら呼吸がないものとする。呼吸があるかないかの確認の数秒がもったいない。呼吸がある状態で心肺蘇生を始めることのリスクより、心肺蘇生が遅れた時のリスクのほうが大きいことをあらかじめ理解しておく。
上記確認出来たら「絶対に助ける!」ともう一段階覚悟を決める。AED探しに行ってもらったり、心肺蘇生するのに人手が必要なのでたくさんの人を集める。もし今回意識がなかったら、近くのコンビニから人を呼んできてもらったと思う。
心肺蘇生の方法・AEDの使い方はYouTubeで見ておくだけでもいざというときに少しだけ心の支えになる。出来たら普通救命講習を受けてほしい。
・AEDで一番大切なのはAEDのパッドは心臓を挟むように貼り付けること。
・心肺蘇生で一番大切なのは、押す部分は乳首と乳首を結んだ真ん中を肋骨を折るつもりで強くおすこと。(心臓は肋骨の中にあるんだから、肋骨ごと強く押さないと収縮してくれない)
救急隊への引継ぎ後
お疲れさまでした。あなたは英雄です。
救急隊への引継ぎ後にしないといけないこと
・警察への事情聴取(名前と連絡先と事故を目撃したか、等)
・車に乗る前に石鹸でよく手を洗う
・血液を触ってしまったら、保健所やかかりつけ医に相談する
・気分が高揚しています。現場から気を付けて家に帰りましょう
してはいけないこと
・新聞やニュースで事故の結果を確認する
あなたは英雄なのに、確認してしまったらつらい思いをするかもしれません。気になったとしても翌朝の新聞や、テレビの地方ニュースは見ないようにしたほうが賢明です。
ありがとうございました。
あなたのおかげで、誰かの大切な人の命が救われました。同時に加害者も救済されています。あなたは本当に英雄です。
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