ニュース✓:(フカボリ)「処理水は安全」、学校にチラシ、「死ぬまで福島にいます」広報役のキャリア官僚 貫く異例の働き方 #知り続ける

福島の話題も3月11日前ということでいくつか出ているのですが、twitterと違って拾いきれていません。気になったニュースだけ。

ウクライナの原発攻撃は、ありうるとは思っていましたが、本当に起きると比喩ではなくさすがに目眩がしました。2016年から18年にかけて、福島復興関連でストレスが最高潮だった時期も、顔の筋肉?がときおり引き攣る症状が出ていたのですが、今回も同じような感じです。あの時期のような孤立感がないのがマシと言えばマシですが、社会状況的にはちっともマシではないのが辛いところです。

■(フカボリ)「処理水は安全」、学校にチラシ 政府も風評対策、全国230万枚 福島第一 ー朝日新聞

 処理水についてのチラシを政府が配ったことについて、朝日新聞が、少し周辺状況を追加取材しました、という内容です。
 以前私が↓ note に書いた時に比べて内容がそんなに増えているわけではないようです。

記事全般、奥歯にモノの挟まったような書き方なのは、私が書いた、地元の関係者から「安全性を国民的に周知しろ」と要請された上で出てきた動きであることを書いていないせいではないでしょうか。

なぜそれを書かないのか、理由はわかりませんが、何年も前から、地元からそういう要望が強く出ていることは事実です。今回の配布方法が、方法論的に正しかったか、配慮は十分になされていたかはまた別の問題ですが、広報をすることそのものが駄目だと言われてしまうと、さすがにそれはどうすればいいの、という気になります。

 宮城県七ケ浜町の町教委担当者は「漁業関係者に説明を尽くし、納得してもらう方が先だ」と指摘。

朝日新聞 本文より

これも困った指摘だと思います。漁業者は「安全性を国民的周知をしてもらわなければ納得しない」と言っています。それなのに、「漁業者に納得してもらわなければ周知してはいけない」になると、なにもできなくなります。
なんというか、いかにも判断責任を人に投げる日本らしい展開だなと思います。
記者さんも、取材をして記事を書きながら、「これ、じゃ、どうしろと言うんだろう?」と思われたのではないでしょうか。
私の記事を読んでの感想は、そうでした。国のやり方がよかったとは思いません。でも、じゃ、どうすればいいんだろう。あなたはどう思われますか?

■「死ぬまで福島にいます」広報役のキャリア官僚 貫く異例の働き方 #知り続ける

事故後、福島第一原発の関連事業に関わり続けている資エネ庁の木野参事官の紹介記事です。

福島で復興関連にかかわっている人なら知らない人はいない方です。
私は記事以上のことを存じているわけではありませんし、どなたであったとしても、復興に尽力して動いてくださっているご意志はありがたいと思っています。
したがって、以下に書くことは、ご本人に対する批判の意図はまったくありません。組織としてのあり方であったり、社会的な問題としての指摘であることをあらかじめ強調しておきます。

処理水の対応にあたっている資エネ庁は、これまで数百回に及ぶ説明会をしてきた、と資料で説明しています。
しかし、その説明会のうち7〜8割方は、木野さんがほとんど個人商店的になさったものではないでしょうか。福島県内の学校や集まりで、国が住民との対話する説明会をしましたと報じられるときに紹介されるのは、何年にわたって木野さんばかりだったように思います。
それが、資エネ庁の地元への説明実績に換算されていることについて、違和感を感じるのは私だけではないと思います。

違和感の理由は、以下の2点です。
1:個人プレーではなく、組織として地元との意思疎通をできる態勢をつくるべきだった。
2:資エネ庁本体は、めんどうくさい住民対応を木野さん一人に丸投げして、これ幸い、それでよしてしていたのではないか。

事故から10年にもなるのに、中央官庁が、個人依存の関係しか作ってこれなかったことは、日本の制度設計能力のなさを如実に示す事実でしかないと私は思っています。
このエピソードはそのように捉えるべきで、復興美談とするべきではない、と思います。繰り返しますが、ご本人のご意志や努力はありがたいことだと思っており、そこに対して含むところはありません。

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