外食の成長チェーン
2024年5月12日
毎月購読している外食業界誌『月刊食堂』から、
気になる記事を定期的にピックアップしてます。
5月号の特集は、
「スケールを狙う成長チェーンの戦略」
今、店舗数を伸ばしている外食チェーンを紹介しています。
①しんぱち食堂
焼き魚定食のファストフードで、
私も何度か行ったことがあります。
焼き魚にご飯・味噌汁がついて、1000円を切る価格帯ということで、
健康志向の客層に受けて出店を伸ばしています。
しんぱち食堂は現在、
直営21店・FC23店→44店舗。
その半分は、直近の2年間で出店しています。
また、既存店の売り上げは非常に好調で、
7割の30店が月商800万円以上、
そのうち13店が月商1000万円以上。
肉とたまご新宿本店すぐ近くの新宿東南口店が1位でした。
あの規模で1600万円はすごいですね!
成長の秘訣は、
独自に開発した「上下加熱式炭焼き台」
これにより、通常は時間のかかる炭焼きを半分に短縮したことで、
クイック提供が可能になったそうです。
社長の話では、
「炭焼き台はきれいにしすぎず、職人が干物を焼き上げる無骨さをあえて残しています。」
とのこと。
当店でも、
「その場で炒めるチキンライス」
は残していかなければ、と改めて思いました。
「サーモンと鰻の話」
も印象に残りました。
しんぱち食堂では、最近高単価な鰻重を導入したそうなのですが、
「サーモンを焼くのも鰻を焼くのも同じ。
原価率が高くても、粗利額が大きければ全く問題ない」
と書いてありました。
確かに、1000円のサーモン定食を原価35%で売るよりも、
2000円の鰻重を原価45%で売る方が粗利額は高いですよね。
(粗利額:サーモン650円・鰻重1100円)
この辺の粗利調整は、当店でもやっていけば、
もっと利益が残りやすくなるかもしれません。
②新時代
今、外食業界で一番勢いがあるチェーンといえば、
新時代じゃないでしょうか。
「コンビニより安い」
を掲げ、【伝串50円】【生中190円】をフックに圧倒的な集客力を誇る居酒屋です。
直営64店・FC73店 → 137店舗
そのうち半分以上が月商1000万円オーバーという好調ぶりです。
現在、年間50店舗の出店ペースで、
全国500店舗を目指しているそうです。
売り上げトップは、秋葉原本店。
月商は脅威の4500万円!
こちらの店も、店長メンバーで行ったことがありましたね。
名物の伝串ピラミッドをこぼしたことを覚えていますw
新時代の看板商品は、鶏皮を串に刺して揚げた「伝串」。
これを1本50円という低価格で提供しています。
こちらの単品原価率は80%を超えますが、
「どる焼き」や「鳥旨ユッケ」などの高利益メニューに誘導することで、
全体の原価率を32%まで圧縮しています。
やはりこれだけ評判になると、FC希望者が殺到するようですが、
そこはトップ面談でかなり絞り込んでいるようです。
新規より、既存オーナーの増店に注力しており、
ほぼ100%が複数店舗運営しています。
1オーナー複数店運営は、フランチャイズとして理想的なモデルですね。
また、これは先日外食関係者から聞いた話なのですが、
「新時代はアルバイトの選考基準が非常に厳しい」
そうです。
この人不足の時代に、それだけ高い水準を求めている会社だからこそ、
ここまで成長できたのかもしれませんね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?