毒親育ちだから子に優しくなれたこと

なんかさー、思ったんだけど、煮魚と子魚って、全然似てないのね。顔が、とかじゃなくて、性格的なこととかもさ。煮魚は文系でそんなに頭の回転が速くなくて、子魚には「HDD容量大きすぎる旧スペックのCPU」って言われてる。子魚は逆で、頭の回転速くて理系。

煮魚の母親はね、典型的な、我が子と自分を同一視しがちな人だった。で、子の七光りを期待してる人だった。でも口癖は「親と子は別人格なんだから」だったのがウケるんですけどw 人前でも竹刀で打たれたことあったし、高校生になって突然門限5時!とか言われたし、大学生にもなって帰りが遅いってサークルに怒鳴りこみにくる人だった。こう書くと、嫉妬深い恋人みたいだね。相当依存してたのかな。だから、結婚するのも大変だった。結果として元夫が「そんな親捨てていいよ」って言って連れてってくれたから、うれしかった。そして嬉しすぎて「これで好きな事好きな仕事とかできるようになる」って言っちゃって、それを離婚直前まで恨み言のように言われた。お前は俺についてきたんじゃなくて、俺を利用して親を捨てたんだ、って。もちろんそれはゼロじゃないけど、それだけじゃ子どもは産めないじゃんね。ま、そんなこと言うくらいだからもう末期、別れて正解だったんだよね。

また話逸れちゃった!今回は親子の話ですよ、っと。
んでね、親がべったりで口うるさかったから、それだけはしないように、って思ったの。子魚は、小学生の頃は友達がいっぱいいいて、帰宅してもすぐ遊びに行くような子だったのね。で、全然勉強もしないし読書も好きじゃないみたいだったから、それを不満に思う事もあったのね。でもさ、どうして煮魚が小学生の頃に世界文学全集を読破したかっていうと、親に与えられたのが一つと、いじめられっ子で友達がいなかったからなんだよね。よく考えたら、友達がいなかったからその隙間を読書で埋めてたんだ。

子魚に置き換えると、読書してる代わりに友人たちと楽しい時間を過ごしてる訳で。どっちがいいとかではなく、現状の子魚はそういう状況なんだから、それを素敵なことと捉えて、歓迎してあげようって。

他にも、子魚が一時期不登校だったこともあってね。煮魚自身は家に居場所が無いから、いじめられてても嫌でも学校行くしかなくて。行きたくないって言っても親と家にいるのも苦痛だったし。で、学校に行かない子魚に、自分は昔、血尿出して辛い思いしてでも学校行ったのに根性無い!って、一時期思ってたのね。でもそれって、おかしいよね。自分が辛かったからお前も辛い思いしろっていうのは、間違ってる。それに気付けただけでも、よかったかな。今は子魚は無事に高校にも進学して自分なりの道を模索してるけど、ずっと家にいる間はなかなか優しくできない時もあって、めちゃ反省してる。反抗期に突入して、会話が無くなってやっと寂しいとか悪かったって思う、典型的な手遅れパターン。本当に悪かったと思ってる。

そしてここへ来て思い当たるのが、面前DVの影響なんだよね。父親が母親の悪口を子に吹き込み、それを溜め込んで悶えて、離婚成立してやっとあの時こうだったああだったって辛い思いを吐き出すようになって。リアタイでチクってくれればよかったけど、そうもいかないのが子の立場な訳で、本来ならそれを思いやってあげるべきだったんだよね。夫婦間が荒れ狂ってたときは、自分にかかる火の粉を遮るのが精いっぱいで、子魚たちの火の粉を払うどころか焼け焦げてるのにも気付かなかった。

全てが遅すぎたとするのなら、傷ついてしまったのを防げなかったとするならば。せめて、その傷をこれ以上深くしないよう、そして早く治るよう環境の整備に努めること。もう、それしかないじゃんね。煮魚自身は26まで親と一緒にいてどうしようもないところまで拗れてしまったから、そうなる10年も前に別離が完了したということは、傷は浅いってことだよね?だから、子魚がこのまま上手に一人立ちできるようにがんばろうと思ったよ。

だからね、面前DVの機会を与えてしまった両親たちは、多かれ少なかれ恨まれてるよ。それを肝に銘じておいた方がいいと思う。だって、傷付けたんだもん。それで許してもらえるか許してもらえないかは、その子の性格とか受けたダメージ次第だよね。仲良くしてもらえる親は、本当に本当に心底感謝してこれまで以上に大事にしてあげた方がいいよ。もちろん、束縛するとか過保護にする、って意味の大事にする、じゃないからね。

子の重荷にならないように、心に土足で踏み入らないように。もう不必要に傷付けないように。いっぱい受けた傷と、その経験が、これ以上子魚を苦しめない役に立ったのなら、それでよかったと思うんだよ。
できれば仲良し親子でいたかったけれど。サンドバッグになりすぎない程度に子魚を受け止めてあげて、子育てよりも自分育てに注力して、依存しないように気を付けよっと。

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