X DESIGNリフレクション①(5/13分)


色々とご縁があり、Xデザイン学校のマスターコースの内容を学ぶ機会をいただき、せっかくなのでインプットしたことをまずはメモ書き程度に気軽に書いてみたいと思います。

デザインの役割

デザインには主に2つの役割があります。①問題解決と②意味形成です。これまでのデザインのイメージは、どちらかというと①の問題解決アプローチが多く、デザイン思考もどちらかというと、これに分類されます。

そして、Ezio Manziniの以下の本にも書かれていますが、上記の2つの分類と直交する形で、a. 専門家のデザインとb. 非専門家のデザインという分類があり、講義の中では② × bの「意味形成」 × 「非専門家」のデザインが重要であり、この領域は文化的な活動や誰かの好きから始まり、それが新しい意味、文化を作っていくという領域であると学びました。
こちらの内容については、以下の本に書かれています。

特にコミュニティなどの分野において、非専門デザイナーの住民が始めた自主的な活動やイベントが波及し、コミュニティができたりするようなイメージが分かりやすいかと思います。この素人を巻き込みながら、玄人が新しい意味形成をデザインしていくという話をお聞きし、テクノロジーの領域で非常に著名な金出武雄先生の「素人発想、玄人実行」という言葉を思い出し、非常に考え方として近いなと感じました。

講義の中でも、新しい発想は素人からしか生まれないということを言われていたのが印象的で、一人で考え込むよりも周囲を巻き込んで模索した方が、いいアイデアは生まれるということですね。
頭じゃ分かっててもなかなかできないこと。これからも意識していきたいと思います。

エクスペリエンスデザインについて

エクスペリエンスデザインには大きく3つあるようです。①UX(User Experience)、②EX(Employee Experience)、③SX(Social Experience)になります。
個人的には、UXとEXの関係性、見方が面白く、UXからEXを見るのはアウトサイドインであり、対象ユーザーとコンテキストを理解しながらユーザ体験をうまくデザインすることで、EXも向上していきます。一方で、EXには、ブランド体験や作り手の体験、ビジョンとストラテジーが必要であり、従業員はこれらの体験をうまくデザインすることで、モチベーションが上がったり、新しい発想が生まれることで、インサイドアウトのアプローチで、面白い体験をユーザに届ける可能性が高くなります。

まさに今の時代、縦割りであろうが役割が分担されていようが、従業員が少しでも実際のお客様に触れることは、従業員にとっても、またお客様にとっても体験として非常に重要であるということが分かりました。

そして、これら二者(お客様や社員)だけでなく、社会の人の体験、SXを変えていくということも意識することが重要です。最も分かりやすい例が、SNSでのコメントや評価になります。

これらを総合してエクスペリエンスデザインであり、三方よしの考えで各体験をデザインする必要があると学びました。

デザイン思考とアート思考

デザイン思考とアート思考の紹介があり、この二つの思考は二項対立するのではなく、状況によって使い分けられることが重要であると学びました。


言うまでもないかもしれませんが、デザイン思考は「創造的問題解決」を行う手法であり、アート思考は「妄想を駆動力にして新しい問題を提起」を行う手法です。

デザイン思考

デザイン思考のアプローチの要素の一つにWダイヤモンドのデザインというのがありますが、問題を見つけ、解決策を検討するときに、一度問題を決めた後、解決策を見つけに行ってそこで終わってしまうことが多いのですが、そうではなく何度も問題に戻り、正しい問題を見つけることが大切という話でした。そのためにも、まずはプロトタイプを作り、体験することに早く移行すること。体験することで圧倒的に問題の解像度が上がります。スタンフォードやIDEOではこのやり方をやっているということ。
この話をお聞きし、最近会社の中でも意識している「Talk less, Do more」という言葉とリンクしました。また、私が学生時代から大切にしている言葉、「知覚動考」ともリンクしました。一人で云々と悩んでいるより、さっさと体験できるプロトタイプを作ってみて、体験することで問題の解像度を上げていく。これを繰り返すしかないんだよなと改めて思いました。

アート思考

アート思考において、アートの感性は磨けるという言葉を聞き、非常に勇気づけられました。例えば、コーヒーやお酒の味は、初めて飲んだ時よりも、何度も飲みながら、こだわってくるとその分解能が上がり、その深み、美味しさが分かってきます。これはまさにセンスが磨かれているということです。だからこそ、好きな分野を見つけた時には、とことん掘っていき、その分野におけるセンスを磨いていくことが大切です。

また、そこから個人の想いが溢れ、独創的なアイデアが生まれることがあると思います。
またアート思考の人は、オリジナリティを出すことが重要であるため、領域の背景と歴史を知ることが多いという話も面白かったです。

そして、以前から気になっているエフェクチュエーションのことにも少し触れられており、非常に興味深かったです。(本は買ったけど、積読状態・・・)

要素としては5つ。
a. Bir in Hand:手元にあるリソースから始める
b. Affordable Loss:許容可能な損失額を設定する
c. Crazy Quilt:協力してくれる人を増やす
d. Lemonade:偶然の出来事を活用する
e. Pilot in the Plane:コントロール可能な部分に集中する

個人的には、d. Lemonadeが面白く、ここで言っているのは、「論理的にいいものなんてできない。偶然の出来事をいかに活用できるかが重要である。何か思い通りにいかないことがあってもなんでもできる。」ということ。一見メチャクチャなことを言っているように感じましたが、この本は、多くの成功してきたスタートアップ企業を対象に調査したものであり、その中の重要な要素にこれが入っているというのが面白いなと感じました。

最近読んだ、國分功一郎さんの本の中で、自由は目的を越えるということを学びました。目的を決めてそれだけを見て行動をすると、それ以外のことが見えないしできなくなってしまいます。おそらくLemonadeでも言いたいこととしては、新しい事業を進めていく上で、その時、その時の目的は重要ではあるけれども、その中で偶発的に起こる出来事を捉え、自由になれるかどうかは、狭い目的に囚われすぎずに物事を考えられるかということなのかなと感じた次第です。


まだ続きはありますが、一旦はここまで。

子どもは日々妄想しながら行動していて、ビジョンドリブンで生きている。
私たち大人も、もう一度妄想を取り戻すということが大事である。





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