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今年卒制をする次期4年生に向けて

最近仕事が山脈でなかなか更新できてませんでした、Aの人です。

卒業設計コンクールの時期となりました。
思い返せば、私も卒業設計をしていた時は詰めに詰めていたなと懐かしくなります。

さてさて、今回は
この時期だからこそできる「来年に向けての下準備」について書いていこうと思います。
それは、卒業設計コンクールや展示会に出てる「先輩の表現をマネする」ことです。
難しいと思うかもしれませんがそうでもありません。
本当に特殊な事例や表現を極めた人以外の物はほとんどがあっさりコピー可能です。
それは表現に必要なソフトの組み合わせにそれほレパートリーがなく、手癖で書いてしまいがちだからです。設計の部分は別として、表現に関しては時間をかければ案外できてしまいます。

例えばどういう表現?

例えば一番手軽なのは平面図の影表現だと思います。Photoshopで書き込んだものなのか、レンダリングで書きだしたものを載せてるだけなのか、書き出したものをマスクとして他のテクスチャに乗せてるのか、など色々手法はありますが、比較的簡単にマネをすることができると思います。

また、パース表現であれば最近の完全に決めてきたGPUレンダリングや極めた手書き以外であれば比較的簡単です。特に白のレンダリングにふんわりグラデーションをかけただけのものなどでもそれっぽく見えるため塗るだけなら簡単です。

手順さえわかればおおよそどんな表現でも再現可能です。
それの元ネタを探しに行くのが卒業設計コンクールだと思います。

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▲photoshopで描く用に出したレンダリング

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▲それっぽいテクスチャをいくつか貼り込むだけでこの程度にはすぐなります。卒業設計コンクールではこれくらいの表現レベルのものが中間層くらいになってくるかと思います。

手塗り風パース

▲最初のものに画用紙のテクスチャを乗算等し、水彩のブラシで抜き取ったもの。
この辺りも色合いを調整したり、淡くしたり、手書きのスケッチと合わせるだけでよく見かけるかわいらしい雰囲気パースになります。

まずは自分が好きな表現をみつける

コピーすることのいいことは好きな表現が見つかることです。ちょっと趣味じゃないなという表現も、自分でやってみると楽しかったりして得意技になったりします。
何ができるかわからない、どういう表現があるのか知らない、知らないということを知らない、という状況が最も提出前の自分を苦しめることになります。まずは自分の中の表現一覧を作ることです。
また、一気に見渡せるのは卒業設計コンクールのあるこの時期がチャンスです。 PinterestInstagram、Issuuで事例を探すとどうしても自分の好みのものと知ってるものばかり集めがちです。一方で卒業設計コンクールでは様々な表現を一気に見渡すことができます。

卒業設計と普段の課題を比較してもそれほど出来は変わらない


自分が卒制を終えてから毎年後輩を見てきましたがなんとなく感じることがあります。
それは3年終わり頃の表現力のまま卒業設計に突入する学生が多いという事です。3年最後から大幅に腕をあげたなと感じる学生の方が稀かなと感じます。

事前に準備することの大切さ

1年かけて案を計画、巨大なプレゼンシートと模型の作成。どれも初めての事ばかりです。
特に意匠に特化した人であればコンセプトを練ったり、設計している時間が長くなるかと思います。そうなりますと、最後の表現を勉強するための時間をうまく取れずに今までの手癖やPinterestでカッコよさげなのを場当たり的に探し、表現して終わってしまうことが多くなるんだろうと思います。
しかしながら突然技術力が上がるわけでもなく、なんとなく課題の延長のような仕上げになることが多いです。
集大成としてとても寂しいと思います。
ではどうするか、比較的時間のある3年の春休みに準備をして備えるしかないと思います。


パースだけ?図面だけ?


美しい図面はそれだけで十分に価値があります。ですが美しい図面とはどういう状態でしょう。またそれを作るにはどうすればいいでしょうか。美しいという状態を知る必要があります
パースは嘘つきです。本当ならありえない角度でとられたパースや謎の貼り付けられたテクスチャ。建築特有の習慣です。私自身とても好きで今でも事例収集をしていますが、これが本当の建築空間かといわれると疑問に感じますし、ごまかしているだけではないかと思うことも多々あります。
嘘を付くパース、真実を言う図面。うまく描き分けれればと思います。
そういったことを知るという面でも卒業設計コンクールや展覧会は勉強になります。

最後に


とにかく先輩の表現をトレースしてみてください。
トレースすることで設計手法表現手法身に着ける、いわば筋トレです。
見に行って「きれいだった」「すごかった」「あの案は面白かった」など感想を共有したり議論をすることもいいですが、自分がこれを表現するにはどうするかを考えながら回って見て下さい。関西であればdiploma Kyotoが一番集まってていいかと思います。またせんだいデザインリーグにも足を運んで練習してみるのもいいと思います。
疑う、考える、手順を探るといった思考の部分が卒業設計コンクールから得る最大の収穫です。


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