まったくの素人が彫塑(ちょうそ)で藤井風フィギュアに挑戦する<第12回>
「これはまた風さん、エラい筋肉隆々になって!あんこさん、ムキムキが好きなの?」
義母、風フィギュアを見るなり、開口一番のセリフです。
「いえいえ、細マッチョを目指してたんですが、何だかおかしなことに…」
「報ステで半袖Tシャツの身体見たけど、ここまでムキムキじゃないと思うよ。これに服着せたら結構ゴツくなってしまうかな。こういうのが好きなら、まぁ、それもいいけどね」
「いや~、どちらかと言うとガチムチより、細身でも青年らしく適度に締まっていれば充分なんですが」
ちなみにドーピングで筋肉増強前の体型はこちら。
かなり痩せていて、まるでガイコツのようです。
風さんがノースリーブを着て歌っている動画を、もう一度確認しました。
ノースリーブから見える腕は、たしかにそれほどムキムキには見えない
「それにしてもこのムキムキは…風さんじゃなくて誰か参考にしたモデルがいるの?」
「はい。実は風さんのボディの参考に、ミケランジェロのダビデ像を見ながら肉付けしていたんですよ。そうしたら、こんな感じになっちゃいまして」
ミケランジェロのダビデ像
「あぁ、ダビデ像!あれは青年の筋肉美を強調しているからね。風さんはあんなガチガチな感じはしなかったわ」
「そうですね。確かに硬さは感じません。ピアノ弾く時の腕の筋肉も、しなやかな動きをしますし」
「まぁ、衣装で隠れて見えないとはいえ、ある程度、身体のラインは表面に現われるよ。カットソーの生地がテロンとして薄いからね。ボディラインの表面をなめらかに整えといて」
ということで、数時間かけてドーピングして付けた筋肉を、ものの数秒で削ってしまいました。もう一度肉付けのやり直しです。
おしりの筋肉を付ける
「そろそろ、風さんのおしりも肉付けしようか」
男性のおしりの形は、女性とはかなり違います。まずは形が小さい。そしておしり上部の両サイドがへこんでいます。
風さんの腰回りにボディと同じ布を巻き、まち針で仮止め。中に木毛を詰め、おしりの形になるよう丸みを持たせます。指で成形しながら輪郭線をかがり縫いし、腰回りのだぶつきはギャザーに。
もたつかないよう、木工用接着剤でウエストラインにフィットさせます
義母が美しい”おしりのライン”にこだわる理由
「おしりは身体の中心線で縦に縫って真ん中をへこませるんだけど、本当は左右に割れているのよね」
「だから、おしりの穴からおへそまで、糸を通してグッと引っ張りながら縫い縮めるの。そうしたら、おしりの割れ目が深くなる。より人間の身体に近づいてきれいに見えるはず」
「立体的なおしりにすると、パンツをはかせたときのラインがキレイにきまるのよ」
なるほど、衣装で隠れるとは言え、身体のラインを美しく見せるには細部にこだわる必要があるようです。
「何だか風さんにオムツをはかせたみたいに見えるよね。ちょっと気の毒な感じなんだけど、まぁいいか」
だいじょうぶです。後からボディと同じように和紙を貼ってラインを消しておきました。オムツには見えないはず。
最終的には、ボディにもう少し和紙を貼ります。立体感を出し表面を整えるためです。バランスよく肉付けすることで、ずいぶん人間の身体に近付いてきたように感じます。
ボディのゴールが、わずかながら見えてきました。この後でとりかかる髪の毛の準備もしています。ついに風さんフィギュアが支えなしで自立できる日も近いでしょうか。
今日は足と靴の型も作りました。風さんフィギュアには義母のおすすめで「キャンバス地のコンバース」を履かせる予定です。(我が家の小学生男子にもプレゼントしてくれました)コンバースのスニーカー、はてさて、風さんは履いたことがあるのでしょうか?
2021年事始め。これから定期的に”藤井風フィギュア”が完成するまでの記録を綴ります。
これまでの記録はこちら。
画像引用元:藤井風公式twitter,Instagram
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