かつての優等生は、問題児になった。
もっとスマートに生きたかったな。せめてもう少し顔が良かったら、もう少し要領良く生きられたら、人生変わってたかな。
でも、ひと筋縄ではいかないからこそ、おもしろいんだな、人生は。
帰路の車のなかで、そうつぶやいた。車はいい。個室だから、思うぞんぶん本音が吐ける。そして、誰にも気をつかわずに泣ける。
漠然と生きづらいなと感じはじめたのは、摂食障害になった高校生のころ。
でもあのころは、優等生だった。進学校で、いつも成績は上位(その裏には並々ならぬ努力があったのだが)。優等生のわたしが言うことは、ほんの少し嘘があっても、生徒も先生もみんな信じていた。
今思えば、優等生になることで、人に認めてもらいたかったんだ。自分で自分を認めることができなかったから。
そんなかつての優等生は、大人になって問題児になった。そう、今のわたしは、優等生どころか問題児。
人のように振る舞えないし、仕事はおそいし、ささいなことで落ち込むし、気の利いたことは言えないし、コミュ障だし、過食と行方不明グセはなおらないし。
ぷぷっ、笑える。
優等生のわたしが聞いたら、びっくりするだろうな。こんな大人になっちまってごめんよ。でもさ、優等生のままだったらできなかったことが、問題児になったことで、できるようになったなんて。
ぷぷっ、笑える。
それでさ、いまわたし、自分で自分を認めてあげられるように、ちょっとがんばってるんだよ。
わたしの人生は、ぜんぜんスマートじゃない。ぜんぜん理想どおりにいかない。だけど、おもしろいなって思う。
人生は、ネタだらけだ。
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