感情の記憶
悲しみに暮れたり
不安に押しつぶされそうになったり
小さな希望を見つけて安堵したり
喜びに胸をふるわせたり
日々を生きてゆくことは
さまざまな感情に対面すること。
いつかわたしの命が終わって
わたしのからだをつくる原子が
宙に散り散りになったら、
この感情の記憶は
消えてしまうのだろうか。
それとも、
その小さな粒に記憶を残したまま
次のいのちへと
受け継がれてゆくのだろうか。
原子でできている人間が
感情を持つのならば、
同じく原子でできた
この世のすべてのものにも
感情が宿っているのだろうか。
誰かとおいしいあんこを食べながらそんな話をしたいと思った、秋のはじめの静かな夜。
.
よろしければサポートお願いいたします◎いただいたサポートは、執筆のためのあれこれに使わせていただきます。