はだかの白鳥 阪大大学院卒でAV女優に 藤かんな
美人で頭が良くてスタイルもいい、そして百田尚樹さんや花田編集長からのお墨付きの文才のある才女でもあり、大手の会社に就職していた、いわゆる勝ち組。
が、なぜかAV。なぜそこを選択するのか、普通なら選択肢にも上がらないはずなのに、なぜ?
だが読んでいて「そりゃぁそうなるよな、わかる」と共感してしまう。
そして、かんなさんは強い方だ。
美しくて、おりこうさんで、強い、まさしく最強だ。
かんなさんは色々な方から励まされる。
でも、励まさられる以上に日本中から叩かれるので、励ましが足らないぐらいである。
AV事務所の社長の言葉と、前の会社の先輩の熱い言葉が刺さる刺さる。
「AV女優になると失うものもあるけど、得るものはかなりデカい。俺は15年間AV事務所の社長をやってきて、それを実際に見てきた『AV女優になんてなったら人生終わりや』って簡単に言うたくさん奴おるけど、そんなん思ってる奴のほうが終わりや。みんな絶対幸せになるねん。本気で闘って、本気でやり続けたら、絶対幸せになるねん」
「あなたがAV女優とやと知って去っていく人も出てくる、縁の切れる友達も出てくると思う。でもそんな奴うらその程度の関係やってん、こっちから、縁切ってくれてありがとうって言ってやったら良い。ただその時は苦しいと思うよ。でもな、人生は浮き沈みが絶対にあるねん。失うものがあれば得るものもある。だってあなたは、そこら辺の人がなかなかできないことして、闘おうとしてるんやから。もう闘い続けなあかんねん」
「AVってやっぱり偏見あるし、すごく下に見られてると思うねんな。風俗とか水商売もそう。でもこんな大変な仕事できるひとなんて、そうそうおらんよ。覚悟ももちろんいるけど、容姿だって綺麗じゃないとだめ、精神力も体力も相当いる。会社員なんかよりずっと大変な仕事よ。『体売ってる』とか『女売ってる』とか言われるけど、それを売って何が悪いって私は言いたい。人より綺麗な体と顔を持ってて、それを使って勝負して何が悪いねん。
あなた何か迷惑かけてますかって言ってやりたい」
「AVって精度の高いリトマス試験紙やねん。その人が自分にとってどういう人か、瞬時にわかる。バレエの先生たちは結局、あなたのことを見てなかってん。AV女優って仕事だけで判断した。教室で無視されてたのだって、結局あなたのこと大切にしてなかったやん。よくそんな教室に8年もいたな、あなたも悪いで」
かんなんさは頭の良い方なので、全てを吸収して、それをバネに変える。
読んでいて感じたのは、AVはスポーツだということだ。
そしてより良い作品のためにプロフェッショナルの、技術団だ。
そのうち、プロジェクトXで放送してほしいぐらいだ。
72時間でも可。
その体験談を言葉にできるのは、かんなさんしかいない。
というか作家カンナ先生だ。
かんな先生はまだ心が一般人の部分を持っておられるので、傷つくことも多い。
でも、それすら言葉に替えてメッセージを伝え続ける。
AVって凄いのだな・・・・・。
と心から思った。
そしてAVって面白い世界だなぁ・・・・・。
きっと書けないことがもっともっとあって、本当はもっともっと面白いんだろうな・・・・・。ウラヤマ。
かんな先生はきっと作家さんになって、AVをプロデュースする側にまわり、素敵な旦那様ができて、かわいい子供が生まれて、絶対幸せになると思う。きっとかわいい犬も飼うでしょう。
百田尚樹先生もかんな先生を励ます。
「よう頑張ってるで」
あんな火だるまみたいな方に励まされて、きっと心強かったことでしょう。
おもしろいですわ・・・・。
続きが読みたい。
でも、ひとつだけ、家族とうまくいくといいなと思いました。
かんな先生は頭がいいし後藤社長がついているし、白川先輩もいるのできっと大丈夫でしょう。
この本はおすすめです。