やっぱり中国経済大崩壊! 石平
2023年6月、中国で人民日報がある論評を発表した。
「若者はITやAIなどの花形産業をあきらめて、農村や辺境へ赴き奉仕しなさい」
このような発表をした背景は、深刻な失業問題が存在している。
習近平の姑息な失業対策なのだ。
しかし、改革開放の時代に生まれ育った今の若者が、政権によるこのような姑息な失業解消対策に簡単に乗ることはない。
習近平の人民日報による世論づくりの段階で、大不評となっている。
中国人民大学の劉暁光教授が基調報告を行った。
ポストコロナにおいて経済回復が進まない問題点を、5つの20%を指摘した。
1,若者層失業率が20%を突破した。
16歳から24歳の若年性失業率。
しかし内実は数字の改ざんがあり、週に1時間しか働いていない人も計算に入れたりしていたのだ。
週に一時間から数時間で食べていけるわけがない。
そのような人を含まない正確な失業率は、推定30%から50%と言われている。
2,企業利益は20%近く減少、あるいは下落。
しかし、この数字にも改ざんがあり、正確な数字はもっと高いはずなのだ。
中国国内の製造業関係の大、中企業のほとんどが、大不況の凋落ぶりを表している。
3,地方政府土地譲渡金収入20%減少
地方政府土地譲渡金収入の大幅減は、不動産業の衰退を意味すると同時に、各地方が深刻な「財政難」に陥っていることを如実に示している。
4,不動産新着工面積20%減少
この、新規着工面積の大幅減は不動産業の衰退と今後の減少を示しているが、中国経済の3割を作り出している不動産業の大不況は中国経済全体の「沈没」を予告している。
5,消費信頼感指数20%以上下落
その数字の出どころは不明であるが、石平先生がこの本で繰り返し指摘しているように、中国では2023年4月から消費の「大崩壊」が現実に起きている。
もう一つの財政部が公表した数字では、関税収入が前年度14,4%減少となっている。
対外輸出もかなり冷え込んでいるのだ。
鑑みると、中国経済状況は、輸出もダメ、投資もダメ、失業率が溢れて。消費が崩壊している、まさに絶体絶命的な状況にあると断定しても構わない。
中国には「恋人の日」というものがある。
日本でいういい夫婦の日みたいなものだ。
その日に婚姻届けを提出をする特別な日だ。
2023年5月、「コロナ封鎖解禁」以来初めての「恋人の日」婚姻登記は特別に多いと予想された。
現実は前年比40%から70%減となった。
中国に衝撃が走った「恋人の日」
ここで照明されたのは、若者たちの「結婚離れ」が想像を超えた猛スピードで進んでいることがわかったのだ。
これは若者の「不恋愛、不結婚、不性姓(子供を作らない)」のが若者層の文化、価値観として定着化、常態化してきた中で、婚姻率の持続的下落は今後の長期的傾向になるだろう。
2023年6月、米メディアのブルームバーグは香港のオフィス事情に関する記事を掲載した。
現在、香港全体においてオフィスビルの空室率の上昇が目立っている。
香港中心部の地区(中環)の空室率が25%に達し、建設中の香港財閥系のオフィスビルの入居予約率が30%まで下落している。
さらに香港からの人口流失もこの3年間で増加している。
2022年末から比べて一年間で6万8300人減少した。
海外へ流出する香港人の明確な特徴は、知的レベルが高く、高い技能、技術を持つ、あるいは一定の財産を持った人。
富裕層、エリート層が海外へ脱出してるのだ。
2019年、香港民主化デモに対する習近平政権の鎮圧と、一国二制度が徹底的に破壊された結果である。
国際金融、貿易センターであった香港から「資本」と「人材」の両方が
徐々に剝がされていく。
香港が「死」へと確実に向かっていくことは明々白々である。
香港を殺したのは中国の習近平政権である。
習近平の国内経済対策はことごとく失敗している。
失敗しかしていない。
能力がない人間がトップに立つと、国が滅びるのは当たり前。
これからの中国がどうなるのか、日本がどの様に相対できるのか?
舵取りが今の政権に出来るとは到底思えない。
中国も地獄、日本も地獄。
この本オススメです。