学者の暴走 掛谷英紀
コロナウィルスは人工ウィルス
2020年4月
エイズウィルスを発見してノーベル賞を受賞したフランスのモンタニエ教授が、数理学者と共同で新型コロナウィルスは人工的に改変されたウィルスである可能性が高いとの分析を公表した。
新型コロナウィルスに人為的な遺伝子配列の改変が疑われる最大の理由は、過去に行われてきた人工的改変と同じ変異が、ACE2受動体結合部位とフーリン切断部位の両方で同時に起きたからである。
こうした機能獲得研究は、これまでもその危険性が指摘されてきた歴史がある。
事故
旧ソ連 1979年3月
スヴェルドロウスク炭疽菌漏出事件、生物兵器製造施設から、炭疽菌の芽胞が作業ミスにより誤って大気中に放出された。
ソ連政府の公式記録によると、一般市民96名が感染して肺炭疽病を発症し、64名が死亡している。
この事故の詳細が明らかになったのは、ソ連が崩壊後の1990年代になってからである。
2014年 米国 ジョージア州アトランタ
疾病対策センターの施設で、職員84人が炭疽菌にさらされた。
BSLー3の施設からBSL-2に施設に炭疽菌を映して実験できるように、菌の不活性化処理をしてのであるが、それが不充分であったために漏れた事故であ。
幸い炭疽菌は飛沫感染しない。
アジア圏 過去3度
実験施設から研究用のSARSウィルスが漏れた事故が報告されている。
一度はシンガポール(2003年8~9月)
一度は台湾(2003年12月)
最後は中国(2004年3月)
実験室からの流出事故は決して稀ではない。
癒着する学者
欧米諸国で一部の研究者から機能獲得研究に耐する厳しい声が上がった。
そのため、米国では2014年より米国内での機能獲得研究が禁止された。
その一方で、武漢では米国とフランスの金銭的支援により、BLS-4のウィルス研究所がカ誕生した。
機能獲得研究を続けたい学者たちにとって、武漢ウィルス研究所は危険な研究を続けることを可能にする好都合な施設になった。
WHOの調査団として米国から参加したのはピーター・ダジャックという人物である。
彼は、ウィルス学者として武漢ウィルス研究所を査察する上で明らかに利益相反がある。
彼の立場からすれが、ウィルスが研究所から漏れたということになれば、これまでのように中国の研究所を利用して機能獲得研究を続けることができなくなる。
研究予算も取れなくなり、論文も書けなくなる。研究者として厳しい立場に追い込まれる。その状況で、公平な査察を行うことは全く期待できない。
また、武漢ウィルス研究所が管理するウィルスのデーターベースを非公開にし続けている。
これはデータの開示義務に明らかに反する。
研究者たちはこうした問題に直面しても沈黙を守り続ける。
中国と学歴エリート
相手が大きすぎるときには怯むという学歴エリートにはしばしばみられる習性が挙げられる。。
エリートは、中国政府のような声が大きい人の恫喝に慣れていない。
逆にそういう習性を中国政府に見透かされている部分はあるだろう。
告発する相手がそれぼど大きくない場合は、研究者は積極的に動くのである。
「面倒なことに巻き込まれたないから」
「中国側が怒り出してどうしていいかわからなくなった、どう対処すればいいでしょう?」
日本の学者は相手が日本政府のように何の圧力も加えてこないと分かっている相手ならば批判できるが、相手が中国となると、全く批判する勇気がないのである。
批判
研究所の危険微生物の管理の杜撰さゆえに、世界で300万人以上の人が死んだとなれば、これは科学史上に残る大スキャンダルになる。
生命科学の研究プロジェクトの多くが終了あるいは縮小される可能性が高い。
特にウィルス学者による機能獲得研究は全面禁止になる。
そうなるとウィルス学者が研究所からの流出を必死に否定したくなる気持ちもよくわかる。
しかし、自らの保身のために、300万人以上の死をもたらしたものの真相をうやむやにすること、倫理的に決して許されるものではない。
不屈の科学者 ガリレオ・ガリレイ
それでも地球は動く。
いつだって自分たちが絶対で、間違ってるのは相手の方で
地球が回ってると言っても、誰も信じなかったのだ。
他にもポリコレ、ジェンダー、色々興味深い話がたくさんありました。
この本が書かれたのが2021年なので、それからコロナワクチンの話はありませんでした。
学者も人間なので後ろ暗いこともあるのでしょうが、倫理観の欠如がそこに持ち込まれるのは、未来に暗雲が立ち込める。
正しい未来が、正しい世界が、そんなに難しいとも思えない。
なのにどうして、こうなるのか?本当にわからない。
この本はおすすめです。