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罪の声 塩田武士
「週刊文春」ミステリーベスト10 2016国内部門第1位!
第7回山田風太郎賞受賞作
京都でテーラーを営む曽根俊也は、父の遺品の中からカセットテープと黒革のノートを見つける。ノートには英文に混じって製菓メーカーの「ギンガ」と「萬堂」の文字。テープを再生すると、自分の幼いころの声が聞こえてくる。それは、31年前に発生して未解決のままの「ギン萬事件」で恐喝に使われたテープとまったく同じものだった。「ギンガ萬堂事件」の真相を追う新聞記者と「男」がたどり着いた果てとは。渾身の長編小説。
面白かったです。
そして悲しい話でした。
塩田先生の本は2冊目なのですが、なぜこんなに人の気持ちを丁寧に描けるのか?
凄い方だと思いました。
ネタバレあり。
お話は「グリコ森永事件」のパラレルワールドのようなお話。
しかしながら主人公は警察でも犯人でもなく、被害者でもない。
事件関係者の家族。
被害者であり加害者でもある。
話を切り開くのは、記者。
散りばめられた犯人の痕跡が、繋がり始めたら、もう読むのをやめられない。
そして、ラストの悲しくも幸せな時間に心が熱くなりました。
いい話だな。
とても、楽しい時間をありがとうございました。
この本はおすすめです。
英国病
戦後イギリスは福祉と経済の理想像を具現化しようと試みた。
しかし、。1960年代半ば以降、社会保障費の増加で財政が逼迫し、産業保護によって国際競争力が低下しました。
ストライキが横行し、70年代後半になると、ロンドン街角では、ゴミ袋がや段ボールなどが積み上げられ放置されました。
かつての大英帝国は、人間の幸福を追求した末、泥沼に沈んでいった。
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