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学校祭でなにを学ぶ?

 50代/女性/教員在職20年強
 4人の子の産休・育休・育児時短勤務経験あり

 身近な人との人間関係
 職場で感じるジェンダー
 理想の教育ってなんだろう
 考えることあまた…
☕️

2学期。
文化祭・体育祭の季節だという学校も多いことだろう。

わたしの勤務する高校では、2学期開始後
2週間ほど準備期間に充てられる。
張りぼてマスコット製作、団旗の作成、舞台発表、
教室での出し物、そして体育大会でのダンス。
文化部の生徒は、部活動の発表準備も加わる。

普段の授業では見られないような
いきいきとした表情を見せる生徒もいれば、
なんとなく居心地悪そうに参加する生徒もいて、
見ている側としては、興味深い。

生徒が学校祭の準備から学ぶことは、とても多い。

 ・ゼロから何かを立ち上げる。(創造力)
 ・ゴールに向けて計画を立て実践する。(推進力)
 ・周囲と協力する。(協働力)
 ・よりよいものにするため工夫する。(思考力) etc…

生徒にとって、最高の “主体的な学び” の場だ。
体も頭もフル稼働である上、
人と関わるため
精神的にもなかなか刺激的な日々である。



ところが、
ここに罠がひそんでいる。

今年度の準備時間は以下のとおりだ。
 ・9月第1週〜第2週の平日:7限目15:30〜16:20、
                業後は18:00まで活動可
 ・9/14(土):9:00〜12:00 
 ・9/17(火):全日
 ・9/18(水):午前中

平日の業後16:20〜18:00 は、授業時間外にもかかわらず
多くの生徒が残って活動している。
土曜日も、ほぼ全生徒が登校。
炎天下の屋外で、一心不乱にダンスを踊る。

目標に向かって取り組むこと自体は、すばらしいことだ。
夢中になれる生徒たちを頼もしく思うし、
心から応援したいと思う。

しかし、
この枠組みを学校が示している時点で
学校自らが “残業” を教えている気がしてならず、
心苦しい。

授業時間内での完成を目標にさせることも
大事な “教育” であり、”社会勉強” ではないだろうか?

物事を創り上げることに一生懸命取り組むことは、
人生を豊かにする。
それが「趣味」や「好きでやっていること」なら、
どんどん没頭して時間を忘れても大丈夫。
でも、
自分のすべてを捧げたいわけではないのなら、
これは ”残業” であり、
”長時間労働” への入り口だ。
それを教員が生徒たちへ伝承しているとは、
なんて皮肉!


みんなで居残りしなくても、
充実感や思い出は残るし、集団意識も高められる。
(集団意識が必要かどうかはまた別の話。)


「時間内で最高のものを創ろう!」
そんな教育現場もいいよね。



支えたり、支えられたり。そんな “環境” が心地いいですね。